「このまま死んでしまうのでは」重なる不調にメンタルも限界

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-03-31 06:02
投稿日:2020-03-31 06:00
 潜在的な患者も含めるとおよそ30〜60人にひとりの女性がかかると言われている甲状腺疾患。バセドウ病は、甲状腺機能が亢進する病気で、動悸や発汗、めまいや悪心、体重減少に筋力低下など、その症状は全身に及びます。治療法は投薬・アイソトープ・外科的手術の3種類とされ、多くの患者は投薬治療で寛解を目指します。
 これは、投薬治療の末に、手術で甲状腺を全摘し完治に至った筆者が、2年間の闘病生活を振り返るドキュメンタリーです。

常に鼻が苦しいという状態に

 幸いなことに、これまで睡眠にはほとんど支障がなく、ぐっすり眠れていたのですが、ある夜、強烈な息苦しさで夜中に目が覚めました。

「フガッ!!」

 まるで寝ている間に、溺れたかのような苦しさ。自分の鼻息でハッと目が覚めるのと繰り返しです。そして、この夜を境に、寝ても覚めても「鼻が苦しい」に悩まされることに……。

「息が苦しい……っていうか、鼻が苦しい……。詰まっているというより、息を吸うあたりが狭くなっているような、ちゃんと動いていないかのような」

 鼻詰まりを起こしているわけでも、鼻水が出ているわけでもないのに、鼻呼吸が妙に苦しく、しっかり呼吸しても体内に酸素が入っていないんじゃないの?という体感で、次第に私は、寝ても起きても口で呼吸をするようになりました。

 後から気付くのですが、どうやらこの症状は、首が張っていることにも関係しているようで、うなじのあたりを自分でマッサージすると、少し鼻が通るように感じます。

「あぁ、身体がカチコチだから、いろいろと動きが鈍いのかもしれない」とは、なんとなく感じたものの、全身がこわばっているので、対処療法的にハンディマッサージ機をかけるくらいしかできませんでした。

 あまりのしんどさに、身体にマッサージ機をかけすぎて青アザができるくらいだったので、今振り返っても壮絶だったと感じます。

重なる不調に気力まで弱ってくる

 そして、日常生活のあらゆる部分にも、どんどん不調が重なり始めました。

 食事のときには、これまでの口内炎や口角炎、喉の詰まり感に加え、ひと口食べるごとにむせるように。声枯れも出始めました。

 さらに、首から上のほてりがひどく、常に目がチカチカしているような不快感まで加わってきました。

 ずーっとぼんやりと気持ちが悪く、胸元が詰まっているような感覚も常にあり、身体はこれまでに増して重く、痛みとともに動かしにくくなってきました。

「バセドウは死ぬ病気じゃないって聞いていたけれど……、このままじゃあ、体力を奪われて死んでしまうかも……」と、もはや気力まで弱ってきます。

頭がぼーっとして…

 寝ても覚めても自由にならない自分の身体に、いらだちはとっくに通り越し、もはや自分の身体ではないような感覚でした。

 身体の痛みがとにかくつらくて、全身に湿布を貼り気を紛らわしていましたが、焼け石に水。もはや「今日は、何月何日だっけ? 何曜日だっけ?」と思うほどに、頭がぼーっとしていましたし、痛みや不調に耐えているだけで、1日があっという間に過ぎていきました。

 加えて、パニック障害のような発作も出てくるようになり……。

 次回に続きます。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


伴侶、ペット…大事なパートナーの死の乗り越え方。花屋が痛感する「ほどほど」と「さっぱり」
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ギフトやデイリーユースの販売に加え、冠婚葬祭をはじめとした「ライフイベント」...
バツイチ女一匹、大学院での「ポンコツ商店会研究」が高評価! 学問と実践、どっちがムズイ?
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
グレイヘアは腰が引けるよね…。それでも中年女性の白髪はチャンスだと思えた“素敵な一言”
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
既婚者マチアプが大盛況。更年期=女の終わりにあらず、恋も人生もアップデートしたい40代女性の決意
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  今回は「更年期」...
ママ友の裏表に震えた3つの話。子どもつながりとはいえ、皆と仲良くする必要はない?
 子どもを通して接点を持ったママ友。仲良くなるにつれて、良くも悪くも「こんな人だろう」とイメージが固まるものですが、果た...
遊び疲れた帰り道…夕日の中、友達の声に耳を澄ませる“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
都電が走る風景もどんどん変わっているようだ
 歩行禅って知ってる?  歩きながら「ありがとう」や「ごめんなさい」を唱えると、ココロがすっきりするらしい。 ...
【異なる句読点探し】「!?」の中に隠れた異なる“一文字”は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますよう...
まだ40代?もう40代? 老いを痛感した切ない瞬間6選。夜の生活で途中休憩したくなるトホホ
 年齢を重ねると、体の老いを実感する瞬間が増えてきますよね。今回は、40代を過ぎて老いを実感した人のエピソードをご紹介し...
他人への「うらやましい」をやめられない人の対処法3つ。嫉妬心を少しでも手放そう
「なんで私はこんな生活をしているのに、友人ばっかり幸せそうなの…」「みんな毎日充実してそうなのに、私は全然充実していない...
40代の倖田來未が《全盛期と変わってない》と話題に…20年前と同系ファッションでも、なぜ痛くない?
 歌手の倖田來未(42)が23日、自身のインスタグラムを更新。4月13日に開幕する『2025年大阪・関西万博』関連のイベ...
猫になりたい! 春の訪れを教えてくれる自由奔放な“たまたま”8連発
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年2月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
「私もう〇〇じまいしました」解放感半端ない!40代女性がやめたこと6選
 あなたには「そろそろやめようかな」と思っている習慣はあるでしょうか? 今回は40代の女性たちに「やめたこと」を聞いてみ...
ゴミは減る、お金は減らない!100均の「使い捨てない」アイテム3つ。ティッシュ使いすぎ問題も解決かっ?
 ラップ、ウェットティッシュ、液晶クリーナーなど今までは使い捨てできるものを使っていましたが、何度も繰り返し使えるものに...
子供を傷つけるかもしれないNGワード7選。無意識に使いがち、SOSを見逃す可能性も
「愛する我が子を傷つける親はいない」と信じたいところですが、普段の何気ない一言で無意識に子供を傷つけてしまっている親がい...
オヤツ時間に3つの“たまたま”が大集合♡ みんな仲良くありがたま
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...