女優平手友梨奈が爆誕!西田敏行絶賛で世界進出が可能なワケ

こじらぶ ライター
更新日:2020-03-07 06:00
投稿日:2020-03-07 06:00

平手が主演でなくても引き受けた理由

「響 -Hibiki-」は初出演にして初主演だったが、今作は実力派俳優の岡田将生と志尊淳に次ぐ3番手に当たる。平手にとって重要なことは主演か否かより、「響 -Hibiki-」主人公の鮎喰響や今作ヒロインのヒウラエリカのように、自身がやりたいと思える役かで慎重に選んでいるのだろう(扱い的にはW主演の2人とほぼ同じのようだが)。

 また結成から2019年大みそかに出演した第70回NHK紅白歌合戦までの4年半、欅坂46として満身創痍で壮絶なグループ活動を経て休む間もなく今年1月中旬から2月下旬まで撮影だったため、主演よりは拘束時間が比較的短く負担が少ない番手、それでいて親近感が湧く役柄だったことで引き受けられたということもあるだろう。

本人のパブリックイメージとも似ている…?

 ヒウラエリカは、平手本人のパブリックイメージや、寡黙で何を考えているか分からない響とも少し似ていて「決して笑わないミステリアスなキャラクター」ということだが、撮影現場の目撃談では主演2人や他の共演者とも打ち解け笑顔が多く見られ、またスタッフやエキストラにも礼儀正しく挨拶するなど平手本来の素も出せていたようだ(もともと、欅坂46時代から「笑わない」「クール」などと公にイメージを付けられていただけであり、メンバーやスタッフの前では等身大の10代の女の子なのだ)。

 前述したように演技経験は浅い平手だが、その女優としての可能性について考えてみると、欅坂46時代から曲ごとに違う主人公に憑依し体現してきた経験がある。

 社会に反抗的な視線を見せる「サイレントマジョリティー」、王道のアイドルソング「手を繋いで帰ろうか」、振付けにバレエの要素が組み込まれ気品ある表情も見せる「二人セゾン」、黒いスーツを着こなし男装を超えて男性になりきった「風に吹かれても」、ロックでパンキッシュな「ガラスを割れ」など。

昭和の歌姫・山口百恵を想起させる

 なかでも“欅坂46平手”として最後の8thシングルは圧巻だった。表題曲「黒い羊」MVで女の子とも男の子ともつかない中性的な主人公の“僕”が、厄介者として人々から拒絶され絶叫するシーンなどはもはやアイドルの域を超えて「さすがアカデミー女優!」と思わせた。

 そうかと思えば、カップリング「Nobody」では失恋し知らない街をさまよう妖艶で色っぽい“アタシ”にもなる。その艶っぽさは昭和伝説の歌姫山口百恵を強く想起させたものだ。

 それでいてメンバーやスタッフの前ではイタズラっ子で甘えん坊な「ばぶ(赤ちゃん)」なのだ。ロックでパンキッシュで完全な男性にもなっちゃうばぶな山口百恵なんて想像できるだろうか? 普通ならありえないがそれが平手友梨奈なのだ。

 性別も年齢も人格も飛び越えて憑依できる、まさにカメレオン女優になれる超逸材だといっていい。多くの映画監督や作家が彼女を撮りたい、描きたいと渇望している。今作も前作も、監督、スタッフ、原作者らが「平手友梨奈しか考えられない」と称えている。

18歳で本格的に演技に挑む意義

 欅坂46の絶対的エースとして4年半の活動は短く感じるが、本格的に女優業をスタートさせるには18歳という年齢は絶好のタイミングだ。

 多くの秋元康系アイドルの主力メンバーは25歳あたりで卒業後、女優としてのキャリアをスタートさせる。それよりも吸収も早いだろうし、学園モノや青春活劇にも違和感なく挑むことができる。でも、同じ事務所には寄り添うように欅坂46が存在している。

 セリフ回しについてはまだ未知数な部分がある。「響 -Hibiki-」では抑揚があまりなかったが、それこそが響というキャラクターだったからともとれる。無論、演技の経験値が少ないからだったかもしれない。

 しかし、そんなことは鍛錬で何とでもなる。前述した松岡茉優が言った“最初っから出来ちゃう、あっち側の人”。常人がどんなに努力しても体得できない度胸、眼力、表現力、存在感、オーラといった天賦の才を平手は生まれ持っているのだ。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ
キンプリ岩橋玄樹、A.B.C-Z戸塚祥太ら夏の深夜ドラマ、極上イケメン4選。“フェミ男”の二世息子も俳優デビュー
 常夏の国、ジャパン 日本列島沸騰中です! 連日、熱中症警戒アラートが発令し、無駄な外出はしないようにと呼びかけます。コ...
1位の道枝駿佑を抜いた!2025年上半期「国宝級イケメン」を検索数でランキング。最も調べられた日の出来事は
 7月15日、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」(以下、「ViViランキング」)が発表されました。N...
こじらぶ 2025-08-10 11:45 エンタメ
「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った...
桧山珠美 2025-08-09 10:38 エンタメ
山田裕貴、“気持ち”を考え続けて撮影に挑んだ。W主演の堤真一に「恥ずかしくて聞けないこと」とは?
 太平洋戦争末期の沖縄で、アメリカ軍に追い詰められて木の上に身を潜めた日本兵が、終戦を知らないまま2年間にわたって潜伏生...
望月ふみ 2025-08-08 11:45 エンタメ
「あんぱん」健太郎(高橋文哉)闇市→ディレクターへ謎すぎる大出世。スピンオフに期待していい?
 嵩(北村匠海)の漫画が入選し、大喜びののぶ(今田美桜)。嵩はのぶの笑顔がうれしくてたまらない。そんな中、蘭子(河合優実...
桧山珠美 2025-08-05 16:53 エンタメ
お受験界隈が「神回」と絶賛。藤本美貴、澤部ら芸能人はなぜ私立を目指す?『しくじり先生』で語られた“二世”息子の壮絶エピソード
 実業家の岸谷蘭丸(24)さんが7月25日深夜に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(ABEMA・テレビ朝日...
「あんぱん」ミセス大森、キター!! 誰もが知る名曲がどう生まれるのか? のぶのパヤパヤ感はちょっと不安
 のぶ(今田美桜)は鉄子(戸田恵子)の秘書として多忙な日々を送っていた。嵩(北村匠海)も三星百貨店の宣伝部で一目置かれる...
桧山珠美 2025-08-04 21:25 エンタメ
高野洸は同郷の大スター“藤井フミヤ”を追いかけたい。実は過去2回の紅白出場、3度目を目指す目標とは
 ミュージカル『刀剣乱舞』の主演や、近年では帝国劇場での舞台『キングダム』主演など、舞台を中心に、歌手やダンサー、俳優と...
望月ふみ 2025-08-05 12:03 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)初めてのチュウ、少しズレてなかった? 2人の“長屋生活”でいろいろ気になる点も
 朝田家、柳井家の女性陣が集結し、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の結婚のお祝い会が開かれる。にぎやかに宴会が進む中、お...
桧山珠美 2025-08-02 13:13 エンタメ
「あんぱん」嵩の“三星百貨店 包装紙”誕生秘話にそうだったのか!プロポーズよりそっちに感心
 就職した嵩(北村匠海)は、複雑な表情ののぶ(今田美桜)に漫画は描き続けると言って安心させる。一方のぶは、法の整備が進む...
桧山珠美 2025-07-30 16:25 エンタメ