手術翌朝の食事は完食!
傷口の熱感や痛みは相変わらずでしたが、それでも昨夜よりは「はるかにマシ」。喉の皮や肉が強烈に突っ張っている感覚で、唾を飲み込むたびに違和感がすごい……。けれども、喉を切り裂かれたかのような痛みに比べたら、全然マシ! 体力はまだかなり弱っているのを痛感していましたが、ベッドの上で上体を起こすのにも成功しました。
そして何よりびっくりしたのは、手術翌朝から普通に食事が出てきたこと。運ばれてきた食事はご飯こそお粥でしたが、煮物や豆腐、漬物など、固形物も普通に並んでいました。
「えーっ。お腹はすいてるけど、首の違和感がすごいのに飲み込めるんだろうか……」と、おそるおそる食べ始めてみると、意外にも飲み込めた自分にまたびっくり。もちろん、ひたすら噛む必要があり、飲み込みに違和感はあったものの、それさえ我慢すれば突っかかったり詰まったりもせず、まさかの完食に至りました。これには、看護師さんも驚いていました。
「あら! 全部食べられましたか!? けっこう残しちゃう人が多いので優秀ですね~。よかったです!」と、お褒めの言葉(?)もいただけました。
この時点では、まだ自分の傷口は見ていません。傷の上からテープが貼られ、さらにはドレーンが首の左右2箇所から飛び出している状態だったので、その頃の写真を見返してみると、とにかく生々しいです。ドレーンは、血が出なくなったらすぐに抜けるとのことで、2〜3日の辛抱と言われました。
少し歩くだけで息があがる
朝食を終えてテレビを見ながら母と談笑していると、看護師さんが登場。
「さて、少し歩きましょうかね。外出はできませんが、今日から院内はフリーで歩いていいですよ。院内コンビニに買い物に行っても大丈夫ですよ~」と提案され、軽く衝撃を受けました。
「ええっ!? まだ、歩ける自信がないんですけど……」
ビビリな返事をすると、看護師さんは「でも、全身麻酔をしてるので、早めに身体を動かさないとダメなんですよ~。歩ける範囲でいいので、今日中に部屋から出て、少しは歩いてくださいね!」と今度は“提案”ではなく“指示”を受ける流れに。
どうやら、術後1日目に歩くことは、その日の私がこなさなくてはならない“マストなメニュー”だったようです。
トホホな気持ちになりつつも、身体の回復のためにはやらねばならないという義務感で、しぶしぶ歩くことにしました。看護師さんが、見た目ちょっとグロいドレーンの廃液を溜めるパックを専用ポーチに収納して、ポシェットのようにセットしてくれました。
そのまま、ベッドから出て歩いてみるとーー。まず、立ちくらみ。クラっと一発、軽いめまいを感じました。「あれ……。なんかフワフワする……」と弱気な私。
「あー、立ちくらみですね。大丈夫ですよ。少し休んだら、またチャレンジしましょう」と、看護師さんは慣れた様子です。
こうして、身体に残っていた体力をふり絞るようにして、なんとか部屋から出て歩き始めたのですが、とにかく体力が落ちていて歩くスピードが遅い!! そのうえ、歩くたびに軽く息があがってしまうという、なんとも情けない状態でした……。
「無理はしないでいい」とのことだったので、この日は病室の前の廊下からワンブロック先のコーナーまで歩き、折り返して部屋に戻るという「超ショートコース」で終了。術前にも寝たきりだったので、想像以上に体力が落ちている自分にガッカリするとともに、回復まで時間がかかりそうだな……と感じたのを覚えています。
退院予定日は、手術から6日後。術後1日目はこんな感じであっという間に過ぎ、しばらくの術後病院生活が始まりました。
次回に続きます。
ライフスタイル 新着一覧