平手友梨奈 長濱ねる“人生最後”の武道館 絆示す両手握り

こじらぶ ライター
更新日:2020-05-09 06:00
投稿日:2020-05-09 06:00

「これが人生最後のライブ」とつぶやく長濱

 武道館2カ月後の19年7月、長濱の単独卒業イベント内でのVTRには武道館セット裏で、「これが人生最後のライブ」とカメラにつぶやく彼女の姿があったのだ。実際長濱は卒業から現在まで引退状態にある。

 前述したように、この公演には平手が演出・構成に大きく関わっていた。一見“人生最後のライブ”である長濱への配慮がないように思えるが、細部には随所に2人の絆が見えた。

 本編ラスト前の15曲目、「風に吹かれても」ではサビで平手と長濱がハイタッチする振付けがある。この振りで平手と手を合わせることをいつも楽しみにしていた長濱だったが、卒業発表後初のライブであった大阪公演では泣かないようにするためか、平手を見ないでハイタッチしていた。それでも、武道館の千秋楽では両者が笑顔でハイタッチをした。

平手&長濱の「アンビバレント」空中側転は100%成功

 3日通して本編最終盤である16曲目「アンビバレント」には、長濱の支えで平手が空中で側転する一番の大技が控えていた。今までのどのライブ、音楽番組でのパフォーマンスより平手の打点は低かった。

 その平手のコンディションを当日の様子やライブ中に感じ取っていたであろう長濱は、あらかじめ低く構え、平手を受け止めた。3日間ともすべて成功させ、観客は大きな歓声をあげた。

 前年の同曲リリースから1年弱、ライブ、音楽番組すべての公のパフォーマンスにおいて、平手と長濱で行った空中側転という大技は1度も失敗することなく終えた。

片手側転は平手の意地に見えた

 余談になるが、4カ月後の19年9月に行われた東京ドーム公演では、グループをすでに卒業した長濱のポジションに別のメンバーが入った。だが初日、受け止めるのを失敗し平手と共に崩れるように倒れた。大事には至らなかったことは幸いだったが、それほど高度な技だったのだろう。

 受け止めるメンバーも初の東京ドームという大舞台で初めて担ったサポート役だったのだから責めることはできない。翌日、ドーム千秋楽の2日目は成功してみせた。

 ただ、それ以降同曲は年末まで何度も音楽特番で披露されたが、平手は一人で右手を床につき回転する片手側転に切り替えていた。

 右手にはこの1年、痛めてテーピングされていたが全体重をそこに乗せてでも完璧に決めていた。どこか、長濱がいないなら一人でやり切るという平手の意地のようにも見えた。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ
生田斗真“無痛おねだり”大炎上の後始末 羊水発言は“謹慎4カ月”だったが…
 俳優の生田斗真(39)が大炎上している。生田はインスタグラムのストーリーズで、ファンから質問に回答する企画で「今日で妊...
優三のいい人キャラさく裂!予告でヒヤリとした梅子の断崖絶壁シーンも〇
 涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)...
桧山珠美 2024-05-09 16:30 エンタメ
『虎に翼』脚本家、アニメ界でなぜ高評価?朝ドラ人気の要因は公平な目線
 NHK連続テレビ小説『虎に翼』が好評だ。主人公は日本初の女性弁護士・三淵嘉子をモデルとした猪爪寅子。彼女が投げかける疑...
竹もとで勉強する寅子たちは今時のノマド?法律事務所の初仕事はお茶入れ
 昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び...
桧山珠美 2024-05-07 14:20 エンタメ
あさイチで光った令和の“料理男子”の新星、キスマイ横尾のライバル現る!?
 ゴールデンウィークといっても、どこかにお出掛けの予定になんの予定もなく、ただ漫然とテレビを見ていたら、神様から思わぬご...
直言ら16名全員無罪!憲法記念日に放送された寅子が語る「法」の解釈
 昭和11年12月。1年半に及んだ直言(岡部たかし)の「共亜事件」がいよいよ結審の日を迎えた。  寅子(伊藤沙莉)...
桧山珠美 2024-05-04 06:00 エンタメ
直言の判決いかに? 寅子の表情、優三腹くだり…テンポ絶妙な法廷シーン
 公判中に倒れた直言(岡部たかし)は、自分の無実を信じる寅子(伊藤沙莉)の気持ちに応え、取り調べで自白を強要されたことを...
桧山珠美 2024-05-02 17:13 エンタメ
『虎に翼』の週タイトルになぜ「?」はる記“主婦乃手帖”で一発逆転なるか
 直言(岡部たかし)は寝たきりでろくに食事も取ろうとしない。そんな様子をはる(石田ゆり子)は心配していた。  一方...
桧山珠美 2024-04-30 13:50 エンタメ
大谷結婚モロ被りの不穏も何のその!各世代イケメン網羅のキムタクドラマ
 木村拓哉(51)主演ドラマ「Believe-君にかける橋-」(木曜21時、テレビ朝日系)がスタートしました。待ちに待っ...