平手友梨奈 長濱ねる“人生最後”の武道館 絆示す両手握り

こじらぶ ライター
更新日:2020-05-09 06:00
投稿日:2020-05-09 06:00

見切れ席で目撃された平手と長濱の絆

聖地・武道館を撮影した長濱。平手も会員向けに2カ月連続で武道館の画像を送った。よほど思い入れがあったのだろう/長濱ねる公式ブログ(2019年5月14日付、現在は閉鎖済み)より
聖地・武道館を撮影した長濱。平手も会員向けに2カ月連続で武道館の画像を送った。よほど思い入れがあったのだろう /長濱ねる公式ブログ(2019年5月14日付、現在は閉鎖済み)より

 武道館に話を戻そう。長濱“人生最後のライブ”千秋楽は、途中かなり体力を消耗していた平手が前を向きながら、正面の観客には見えない位置でひっそりと、後ろにいる長濱に両手を回して差し出した。

 長濱もそれを両手で握り返した。ステージを正面からは観賞できない“見切れ席(サイド席)”で、ステージを真横から見ていたごく一部の観客だけがそれに気が付いた。

 平手はグループ結成当初からの盟友・長濱との絆を確かめつつ、共に最後まで武道館公演を完遂するため、長濱からパワーをもらっていたのではないだろうか。

 長濱はデビュー当初のインタビューで、“歌って踊ってキャピキャピには憧れていない”ことや、平手と“チヤホヤされたくてアイドルになったわけではない”こと、“可愛いとか嫌なんだよね”と思っていること、そして“可愛いではなくすごいグループと言われたい”という理想像を深く話し合ったことを明かしていた(「BUBUKA」16年8月号より抜粋)。

 3周年の大阪公演は平手があえて構成に関わらずスタッフに任せた結果、3周年のお祝いと長濱の送別の意味合いを兼ねて欅坂46としては珍しく、“歌って踊ってキャピキャピ”した面が多分にあった。

武道館公演で証明した理想の欅坂46

初期から平手(右)を守ろう、支えようと決めていた長濱(左)。活動3年公私共にそれを貫いた/長濱ねる公式ブログ(2016年4月27日付、現在は閉鎖済み)より
初期から平手(右)を守ろう、支えようと決めていた長濱(左)。活動3年公私共にそれを貫いた /長濱ねる公式ブログ(2016年4月27日付、現在は閉鎖済み)より

 欅坂46として初の大切な武道館公演に、平手は並々ならぬ情熱を持って構成に全面的に関わった。長濱“人生最後のライブ”であることは分かっていただろうが、そんな長濱を“チヤホヤ”することなく、他のどんなグループも絶対成し得ないような、圧巻のステージを見せた。

 間違いなく、“これこそが欅坂46だ”と堂々と観客に見せつけることができた“すごい”ライブだった。

 欅坂46は、グループ結成当初の平手と長濱の描いた理想のグループ像に十分達していることを、この武道館公演で証明して見せた。

~セットリスト~
1.危なっかしい計画
・Overture
2.避雷針
3.大人は信じてくれない
4.月曜日の朝、スカートを切られた
5.エキセントリック
6.I'm out
7.Nobody
8.二人セゾン
・MC
・ボディ・シルエット・パフォーマンス
9.キミガイナイ
10.もう森へ帰ろうか?
11.君をもう探さない
12.東京タワーはどこから見える?
13.Student Dance
・ダンストラック
14.語るなら未来を…
15.風に吹かれても
16.アンビバレント
《アンコール(5月12日公演のみ)》
・黒い羊

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


シン・スズ子誕生!タナケンに「面白いね」と言わしめたヒロインの魅力
 喜劇「舞台よ! 踊れ!」の幕が上がる。タナケン(生瀬勝久)に稽古ですべてを受け止めると言われたとおり、スズ子(趣里)は...
桧山珠美 2024-01-19 14:45 エンタメ
タナケン(生瀬勝久)の決め言葉、「どうだろうね」に込められた真意
 スズ子(趣里)は、不安を抱えたまま喜劇王・タナケン(生瀬勝久)との舞台稽古を続けていた。  なんとかしようと、ス...
桧山珠美 2024-01-22 15:16 エンタメ
ブギウギ新章、タナケン役生瀬勝久の“顔芸”と「3枚の張り紙」が見もの
 小夜(富田望生)が付き人をやめると言って姿を消してから3カ月、愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業で働き始める。 ...
桧山珠美 2024-01-17 15:49 エンタメ
5年ぶり「おっさんずラブ」にコレジャナイ感?それでもいいと思うところ
 あの「おっさんずラブ」が5年ぶりに帰ってきました。2018年4月期にスタートした同作は、ピュア過ぎるおっさんたちの恋愛...
小夜(富田望生)の食い意地は国境を越えた!愛か、餌付けされただけか
 復学した愛助(水上恒司)は、スズ子の公演に触発され、いっそう勉学に励んでいた。  そして、公演が再開して以来、ス...
桧山珠美 2024-01-12 16:05 エンタメ
任侠ドラマ出演の高岡蒼佑様…小栗旬&芸能界批判に“かわいいチワワ”か!
 アウトローな役柄などで人気を博していた元俳優の高岡蒼佑。役者引退宣言をしていたものの、今年2月にリリースされる任侠ドラ...
堺屋大地 2024-01-11 06:00 エンタメ
朝ドラ名物の闇市、小夜の食い意地はタダモノじゃねえ!
 戦争が終わって3カ月、世の中の混乱は続き、スズ子(趣里)たちは未だ公演ができずにいた。  愛助(水上恒司)の病状...
桧山珠美 2024-01-09 14:50 エンタメ
歯に衣着せぬ小夜のキャラを生かしたブギウギ流「玉音放送」シーン
 終戦の日。スズ子(趣里)たちは巡業先の富山で玉音放送を聞く。りつ子(菊地凛子)は慰問先の鹿児島で敗戦を知る。  ...
桧山珠美 2024-01-08 15:50 エンタメ
原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ