SやDENは何の略?マンションの間取り図からわかること-前編-

日下部理絵 マンショントレンド評論家
更新日:2020-05-16 06:00
投稿日:2020-05-16 06:00

 マンションを購入しようと思ったときに、必ず確認する間取り図。間取り図を見ているだけでなんだかワクワクしますよね。

 実はこの間取り図から色々なことが読み取れることをご存知ですか。簡単にご説明しますので参考にしてくださいね。

間取り図からわかる2つのこと

1. 住戸の向き(方位)や形がわかる

 間取り図から、部屋の向きや形がわかります。

 たとえばこの間取り図だと、北を示すNorth の「N」が上方向を指しているので、バルコニーは日当たりのよい「南向き住戸」というのが読み取れます。

 また、バルコニー面(間口)が短辺の長方形のお部屋で、柱の出っ張りなどが少なく家具が配置しやすいというのもわかります。

 この住戸の形は、低層~高層の外廊下型マンションの真ん中住戸によく見る形で、角住戸などはもう少し複雑な形をしていることが多いものです。

2. リビングや寝室など部屋の数や広さがわかる

 間取り図から、各部屋の広さもわかります。一帖(畳)や平米(㎡)の単位で明示されています。

 たとえば、この間取り図の洋室6.5帖は、10.725㎡の広さになります。一帖(畳)は、1・65㎡とされ、6.5帖✕1・65㎡で計算できます。またよく聞く1坪とは、二帖(畳二枚)のことです。もし和室で帖より畳の枚数が多く見える場合は、一枚当たりの畳の大きさが基準より小さいなどの理由が考えられます。

略語と意味を覚えよう

 また、間取り図で見る「3LDK」という「数字+ アルファベット」は、居室の数とそれ以外の場所を示す略語を組み合わせたものです。「」はリビング(居間)、「」はダイニング(食事室)、「」はキッチン(台所)を表します。3LDKなら、3部屋+リビングダイニングキッチンのお部屋ということです。

 そのほか「」「」「DEN」などの略語もよく使用されます。

」は納戸、「」はサービスルーム、「DEN」は書斎や仕事部屋、趣味などを楽しむために使う多目的の小部屋です。いずれも建築基準法上の採光・換気の基準を満たさないため、居室とは認められていないですが、明確な区別はありません。

 また「MB」は、電気・ガスなどのメーターボックスで、検針のため、共用廊下の玄関近くに設けられ、専有面積には含まれません。水回りを移動するような大がかりなリフォームを行う予定のある方は、この「PSパイプスペースの位置が重要になります。

 次に「SKスロップシンクは、バルコニーに設けられることが多く、ガーデニングの水やりや掃除の際に便利な蛇口と深いシンクがセットになっている設備のことです。

「DK」や「LDK」の広さに注意

 ただし、ここで注意したいのは、「DK」や「LDK」の広さについてです。

 2011年11月不動産公正取引協議会連合会が最低限の基準を定めるまでは、不動産会社によって広さが異なるなどの問題が生じていました。

 現在では、たとえば「2DK」なら2つの居室と6帖以上のDK、「2LDK」なら2つの居室と10帖以上のLDKという間取りの基準ができています。中古マンションの築年数によって「DK」や「LDK」の広さが違うので、注意しましょう。

 次回もマンションの間取り図から読みとれることをご説明します。お楽しみに。

日下部理絵
記事一覧
マンショントレンド評論家
2001年実施、第1回マンション管理士試験に合格。維持管理の側面から既存マンションの実態に精通する。テレビ・ラジオなどのメディア、講演会・セミナーでも活躍中。著書に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『負動産マンションを富動産に変えるプロ技』(小学館)など多数。
日下部理絵オフィシャルサイトhttp://office-kusakabe.com/

ライフスタイル 新着一覧


女性の“性”は「下ネタ」なのか? タブー視する社会に言いたい、語り合うことで生まれる安心感
 性の話題は「恥ずかしい」「隠すもの」とされがちですが、思い切って触れてみると、不思議と距離が縮まります。普段は口にしづ...
45歳、いつになれば楽になる? 自由に生きてるはずの私が、定食屋の秋刀魚で涙を滲ませた理由
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
月経不調はストレスで悪化する? “脳疲労”と生理痛を軽くするセルフケア【専門医監修】
「生理痛はいつものこと、仕方ない」「PMSは気のせい」--などとガマンしてそのままにしていたり、鎮痛薬でやり過ごしたりし...
“推し”は最初から決まっていた…元芸能人が明かす「オーディション番組」の過酷な裏側と選ばれる子の共通点
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。現在は清浄化が行われて...
「お尻トントン、もっと~!」可愛すぎる“にゃんたま”の甘えに抗えない♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「寝てるカナ!」「ぁりがとぅ」それ、なんとかならん? Z世代が震えた“大人のクセ強”LINE6選
 流行り言葉は目まぐるしく移り変わりますが、やっぱり受け入れられない言葉はあるもの。今回は、どうしてもモヤモヤしてしまう...
「生理痛で婦人科に行くなんて大げさ」は間違い。月経不調の陰に潜む病気のリスク【専門医監修】
「月経前や月経中の腹痛がひどい」「頭痛や気持ちがわるくなったりする」「イライラが止まらない」…そんな月経にまつわる不調を...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第103回「みんなで百物語ニャーン!」
【連載第103回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
【漢字探し】「鎌(カマ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
40代、気づいたらぼっち…まぁ、仕方がない3つの理由と“新しいつながり”の見つけ方
 40代を過ぎてから「友達が減った」と感じていませんか? 学生時代に親友と呼べるほど仲の良かった友達でも、気がつけば年賀...
メン地下「推し活」でメンタル崩壊、ストーカー寸前…沼りすぎた女たちの壮絶リアルな体験談
 いろんな意味で話題の「メン地下(=メンズ地下アイドル)」は、激しいハマり方をする女性ファンが多いことでも有名です。 ...
義母からの過干渉が「上司より怖い…」30歳新妻を追い詰めた“凶器”のようなLINE
 私の友人ユリ(30歳・事務職)が結婚して半年。幸せいっぱいの新婚生活を想像していた彼女を待っていたのは、思わぬ“監視網...
やってもた! 買って後悔した“便利グッズと家電”無駄遣いエピソード。バナナケースってマジで何で買った?
 今日も日本中で便利グッズや便利家電が生み出されています。でも、中には便利なはずなのに使ってみると「絶対いらないわ…」と...
マイメロがちょこん♡ 100均の“ワッペン”で服がめちゃ可愛くなった! 芸能人もハマる、手芸が密かなブーム?
 もともと裁縫が好きで洋服や小物を作るのを趣味としていたのですが、引越しのタイミングでミシンを仕舞い込んでから、すっかり...
おばば軍団から聞いた不思議な話。植物のパワーって本当にある? 花屋おすすめの“魔除けになる”飾り方
 ワタクシはいわゆる「スピなお話」が「都市伝説」関連と合わせて大好物でございます。  仕事柄、葬祭や宗教関係の方々...
姑の「無事でよかった」にウルッ…。義母からの“心に染みた一言”4つ。「うちの宝よ」って照れくさいなあ!
“姑”と聞くと「うわぁ…」とマイナスなイメージが浮かぶ人もいるかもしれませんが、素敵な姑も存在するもの。そんな姑をもつ女...