2年間のバセドウ闘病生活を振り返る ~兆候から悪化まで~

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-06-16 06:00
投稿日:2020-06-16 06:00
 この連載もいよいよ終盤です。私は発覚から術後まで、およそ2年間にわたりバセドウ病と闘いました。甲状腺を全摘する手術を終え、まもなく1年を迎えようとしています。術後しばらくは、体力や筋力の著しい低下による数々の不調に悩まされたものの、今はほぼバセドウ病になる前の体調まで復調しました。
 体調が安定してきた今、振り返るとバセドウ病が悪くなるときや、新たな症状が出てきたときのことを振り返りたいと思います。

バセドウ病発覚前にも「兆候」は出ていた

 私の場合は、バセドウ病だとわかるまでに、時間がかかったタイプのようです。

 出張の飛行機で意識が飛び、病院に行ったころには、かなり甲状腺関係の数値が悪くなっていました。

飛行機の中で意識を失い…突如浮上した「バセドウ病」の疑い

 思い返すと、発覚の1年ほど前から小さな不調がよく出ていて、手の震えや走ったときの軽い息切れは日常茶飯事。けれどちょうどこのころは、前夫からのモラハラやDV、姑からの毎日の嫌がらせに悩まされた末に離婚調停が始まったとき。環境の変化があったため、そのストレスのせいだと思っていました。

 しかし、疲れているはずなのになかなか寝付けなかったり、お酒を飲む席で興奮しているわけでもないのにやたら動悸が激しくなったり、まわりが驚くほど食欲旺盛だったりと、後から思えばバセドウ病特有のさまざまな症状はすでに出ていました。

 一見すると、すべて強いストレスのせいで起こりそうなものばかりなのと、我慢できないほどの症状ではないので放置しがちですが、少しでも「なんだか身体の様子が変だな?」と思ったら、バセドウ病を疑って受診したほうが安心だと思います。

 また、後から知りましたが、モラハラやDVなどの被害に遭った女性には、バセドウ病になる人が少なくないのだそうです。強いストレスを受けることで、脳が影響を受けることも、なんらかの関係があるのかも。

 ですので「強いストレス×なんだか体調がおかしい」が揃ったときには、バセドウ病を疑ってみるのもいいかもしれません。

バセドウ病発覚当時~闘病初期は「そこまで深刻ではなかった」

 バセドウ病だと判明してから半年くらいの闘病初期には、投薬治療のおかげで、体感としての体調は悪くありませんでした。日常生活も普通に送れていましたし、強いて言えば「メルカゾール」の投薬量のせいでアナフィラキシーになったことがしんどかった出来事です。

 けれどこちらも、適切な救急医療のおかげで、事なきを得ました。

蕁麻疹と息苦しさで救急搬送…医者に見逃された“薬の副作用”

 そしてこの当時は、バセドウ病発覚から、身体が楽になるまでの期間も早く、適量の投薬開始からおよそ2週間でバセドウ病特有の症状はすべて消え、平和な日々を送れていました。

 主治医の見解も、この当時は「重度ではないし、このまま投薬で、寛解を狙えそうだね」でしたので、精神的にもバセドウ病であることに大きな負担はなかったですし「薬さえ飲み忘れなければ大丈夫」と私も思っていました。

バセドウ病が急激に悪化したきっかけは「猫アレルギー」だった

 順調に寛解に向かっていたバセドウ病が、急激に悪化したきっかけは「アレルギー」でした。私の場合は、猫アレルギーが出て、そこからはもう体調が良くなることはなく、結果的に甲状腺を全摘するほどまで悪化の道を辿ることになりました。

 アレルゲンである猫から離れてからも、その後はずっと、今まではアレルギーが出たことのない食品やハウスダストにまで、過敏にアレルギー反応が出るようになりました。同時に、数々の不調も日を追うごとに増していったので、アレルギーを発端として、身体が弱くなってしまったのかもしれません。

 私はこの猫アレルギーの少し後から、バセドウ病が数値的にも再燃し、薬でのコントロールが効かなくなりました。

恋人は責任を感じ…体調不良の原因は意外なところにあった

 個人的には、バセドウ病になった人と話すと、花粉症や食物などなんらかのアレルギーをもっている人が多いので、バセドウ病の闘病中には、特に気をつけたほうがいいような気がします。

 人間の身体は強いけれど、弱っているときには、ちょっとしたことでバランスが崩れ、ガタガタと不調が襲ってくる怖さを、身をもって体験しました。

まとめ

 バセドウ病になると、投薬治療は長期におよびます。多くの人は投薬で寛解を目指しますし、私もそのひとりでした。しかし、どんどんと体力が奪われ、日常生活もままならなくなるほど症状が重くなり、結果的に甲状腺を全摘して完治しました。

 今は「手術をしてよかった!」と心から思えますが、手術をすると決まったときにはたくさん悩み、葛藤しました。

 次回は、症状が悪化しバセドウ病が再燃してからのことをまとめたいと思います。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


祝「ポッカレモン100」52周年! 超簡単レシピでチーズを作ってみたよ
 先日、「ポッカレモン100」のリニューアル発表会にお邪魔しました。「発売52年目の大改革」と銘打ち、ブランド初の<高め...
祈りの儀式かな? 肉球全見えのへそ天“たまたま”に手を合わせよう
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どもの夏休みの宿題が終わらない!まだ間に合う自由研究5選と“やる気スイッチ”体験談
 夏休みもそろそろ終わる頃…。もしかしたら、宿題がまだ終わっていない子どももいるかもしれませんね。特に自由研究は頭を悩ま...
2024-08-28 06:00 ライフスタイル
「秋植え植物」球根やポット苗はいつ植えるのが正解? 涼しくない、まだまだ暑いから迷う!
 暑かった8月が終わろうとしています。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、古い建屋なので夏は暑くて冬は寒い。  酷使にも...
女性のパンツだって黄ばみます! 厄介な下着の黄ばみ原因と真っ白に戻す方法3つ
 女性のパンツにまつわる悩みの一つに「黄ばみ」があります。普段から清潔にしているのにどうしてパンツは黄ばんでしまうのでし...
なんてこと! レスポのポーチが980円で買えるなんて「マキア」史上最高級の満足度
 レスポートサックと集英社ファッション&ビューティ4誌とのコラボ第4弾の一環として、レスポートサックのポーチが「MAQU...
ゆらゆら尻尾がたまらにゃい! “たまたま”のほのぼのツーショット
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
暑い暑い東京の夏の思い出
 一緒に連れて来てもらったんだ。  いいね、こういうの。
ほっこり癒し漫画/第80回「るーるールルルー」
【連載第80回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
波動、引き寄せ、前世はフランスの作家⁉ スピリチュアルにハマったの人のトンデモLINE3選
 スピリチュアルにハマった人からのLINEに心がざわついた経験はありませんか?  何を信じても本人の人生なので自...
「麻婆豆腐」の由来は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
女子のダラダラLINEを終わらせたい時はこれよこれ。既読スルー前に遂行する鉄板テク3つ
 女友達とLINEのやりとりをしていてありがちなのが、目的のないダラダラした会話になること…。  自分は楽しく会話...
非常識な「子持ち様」にイライラが止まらない。子持ちじゃない勢“心の中”の攻防
 最近よく耳にするワード「子持ち様」。「特別扱いされて当たり前」「子持ちの方が偉いでしょ」と勘違いした態度を取っている親...
癒しと勇気を与えるにゃ! 天使みたいな“たまたま”にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
炎天下の植え込みで元気に咲き続けた花とは? 暑すぎる夏でも「優勝した植物」答え合わせ 
 猫店長「さぶ」率いる愛すべき我がお花屋の日常業務として、「公共の仕事」なんてものもございます。近隣地域の公園や道路の植...
SNSの闇だよね…承認欲求がダダ漏れのウザい投稿あるある5選
 SNSで知人や友人と繋がるのが普通の時代。みんなのプライベートを垣間見れる一方で、「あ〜またやってるよ…」とゲンナリし...