"欅坂46平手友梨奈"伝説のラストライブ 今再び刮目せよ!

こじらぶ ライター
更新日:2020-09-19 06:00
投稿日:2020-09-19 06:00

不敵な笑み やばいほどにぶっ飛んでいた

 本編1曲目に流れたのは「ガラスを割れ!」。平手が激しい振りで感情を爆発させすぎてステージから落下した18年夏のツアー千秋楽以来、約1年ぶりの披露に観客は沸いた。

 MCを務めたキャプテン菅井友香(24)が東京ドーム公演への想いや感謝を伝える中でも、平手は天井を見つめたり、あるいは俯いたりしながら顔から滴り落ちる汗を何度も拭っていた。もとより汗っかきだと発言していた平手。加えて極度の緊張の中、激しい楽曲、ソロダンスなどが続き、体の痛みをこらえ踏ん張って立っているだけで汗が止まらなくなってもおかしくはなかった。

 だが、ライブ本編後半、「アンビバレント」、「風に吹かれても」といった観客との掛け合いも多い楽曲でメンバーと会場の一体感が増す中で、“ゾーン”に入った平手は不敵な笑みを浮かべていた。やばいくらいぶっ飛んでいて、その瞬間はアドレナリンで痛みなども忘れていたのではないか。

 アンコールの「不協和音」は、平手を含むパフォーマンスとしては17年末NHK紅白歌合戦以来約1年9カ月ぶりとなった。ドーム初日に披露された際、観客の驚きと爆発的な歓声は会場中を包み込み、即座にTwitter上で同曲名がトレンド入り。翌日の千秋楽でも同曲のイントロが流れると怒号のような大歓声が会場を包んだ。

全メンバーが全身全霊で「不協和音」を体現

 平手の圧倒的皇帝感もさることながら、メンバー全員が楽曲が内包するメッセージを全身全霊で体現し観衆へぶつけてくる。この楽曲の“ラスボス感”は半端ない。大サビ前の平手の「僕は嫌だ」は苦しみや怒り、悲しみの悲鳴にも似た叫びで同曲が持つインパクトを最大限に引き出していた。

 その“ラスボス感”が半端ない「不協和音」を超える楽曲などあるのだろうかと観衆の期待が高まり切った中、千秋楽だけに用意されたダブルアンコール。センターステージに1人、平手が現れ前方スクリーンに「角を曲がる」という文字が映し出された時、5万人の観衆が大きな衝撃と歓声で迎えた。

「期待するような人になれずごめんなさい」

 同曲は平手が18年に初出演・初主演した映画「響-Hibiki-」の主題歌だった。天才で愚直すぎるがゆえに他人の常識を超え、理解されず苦しむ主人公“響”の心情を平手がソロで歌った。同映画の一部であるという理由から公開当初から東京ドーム公演までの期間は、映画館の中でしか聴くことのできない幻の楽曲となっていた。

 欅坂46のライブステージでのパフォーマンスでは、同曲を“響”ではなく平手友梨奈の叫びとして歌い上げた。

 静かなトーンから入り、「求められる私でいれば嫌われないんだよね?」「問題起こさなければしあわせをくれるんでしょう?」と、どんどん感情が高ぶり語気を強めていく。

 髪も激しく乱れ、歌い、踊る。時おりマイクが声を完全に拾いきれない部分もあったが、それが一層ライブ感を増していた。「みんなが期待するような人に絶対になれなくてごめんなさい」と渾身の力で痛々しいまでに表現する平手。

 歌い終わり、下手なコールや掛け声などなく、一瞬静まってからの大歓声と割れんばかりの拍手。やりきった、とほっと安堵するような優しい笑顔で目には涙を浮かべていた。「ありがとうございました」と深々とお辞儀をして、鳴りやまない拍手と歓声の中、暗転。それが欅坂46初の東京ドーム公演の終わり方だった。

 必ずしも自分の味方だけではない“欅坂46のファン”と1対5万での対峙。1人のメンバーの卒業公演ではなく、アイドルグループの初のドーム公演の終わり方としては前代未聞だったかもしれない。なぜ平手のソロ曲で終わるのだと思う他メンバーのファンも当然いただろう。それでも、このダブルアンコールでは欅坂46グループカラー・緑のサイリウムの海の中、平手が5万人の東京ドームを飲み込んだ。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


加護ちゃんは“あらぬ写真”で窮地に…元モー娘。黄金期メンバーの凸凹人生
 元「モーニング娘。」の加護亜依(35)が21日、「SmartFLASH」に掲載された“韓国カジノ旅行”報道で窮地に立た...
一攫千金のチャンス! 万ちゃん・寿恵ちゃんの“ほのぼの焼き餅”プレー
 お金の相談をするため、叔母のみえ(宮澤エマ)の料亭「巳佐登」に行った寿恵子(浜辺美波)。給金の前渡しということで、その...
桧山珠美 2023-08-24 15:30 エンタメ
長谷川さんキス魔?「バチェラー」5 Ep8まで復習 2023.8.23(水)
 成功を収めた1人の独身男性=バチェラーとの“真実の愛”を得るため、様々な女性たちが競い合う婚活サバイバルシリーズ、「バ...
「田邊教授溺死」とあだ名「ユーシー」の謎、虚実皮膜の脚本が光る
 大学を離れた田邊(要潤)は穏やかな日々を過ごし、聡子(中田青渚)と子供たちを連れて海へ。万太郎(神木隆之介)の元に、大...
桧山珠美 2023-08-21 15:35 エンタメ
「VIVANT」櫻井海音は堺雅人に似てる? 父・ミスチル桜井のDNAは継承
 今、オジサンたちが夢中になっているドラマ。それが日曜劇場「VIVANT」です。あくまでもボルドー太田調べではありますが...
万太郎敗れ、チーム東大に軍配も…田邊は大学追放の“鉄拳制裁”を受ける
 田邊(要潤)は、今後は欧米の学者に頼らず、日本人自らが学名を与え発表すると、西洋の植物学者たちに宣言。植物採集で出会っ...
桧山珠美 2023-08-18 14:00 エンタメ
バチェラー長谷川さんとさかい珈琲がコラボ 2023.8.17(木)
 成功を収めた1人の独身男性=バチェラーとの“真実の愛”を得るため、様々な女性たちが競い合う婚活サバイバルシリーズ「バチ...
長谷川さん激変!「バチェラー」5 Ep6まで振り返り 2023.8.16(水)
 成功を収めた1人の独身男性=バチェラーとの“真実の愛”を得るため、様々な女性たちが競い合う婚活サバイバルシリーズ。真実...
「倉木さん、大好きじゃ」万太郎の別れの挨拶、チョイスが絶妙!
 万太郎(神木隆之介)のもとに、土佐の小学校教師たちから植物についてたずねる手紙と標本が届くようになる。  それか...
桧山珠美 2023-08-14 15:55 エンタメ
西畑大吾のガッカリ熱愛報道…24時間テレビで相手の御尊顔を拝する?
 なんといいますか、いろいろ残念でした。“女装男子”、じゃなかった、なにわ男子・西畑大吾(26)のことです。  見...
『ミッション:インポッシブル』観るなら4DX 2023.8.12(土)
 7/21に公開された『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(以下、『ミッション:インポッシ...
植物研究費に糸目をつけない万太郎、同じ草でも寿恵子の場合は質草まみれ
 高知の山奥で出会った虎徹(寺田心)少年に「こんまいお遍路さんがおるがです」と案内されて、珍しい植物を発見した万太郎(神...
桧山珠美 2023-08-11 15:00 エンタメ
「万太郎と竹雄のイチャイチャ」は過酷な試練を見守った視聴者へのご褒美
 万太郎(神木隆之介)のもとへ、竹雄(志尊淳)、綾(佐久間由衣)がやってきて、峰屋ののれんを下ろしたことを詫びた。そして...
桧山珠美 2023-08-09 15:00 エンタメ
「バチェラー・ジャパン」推しメン2人も脱落からの~! 2023.8.8(火)
 8月3日、ついに恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シーズン5が始まりました。  成功を収めた1人の独身男性=...
NEWS小山は実姉みきママが履歴書を送付!存在感放つ“美姉美弟”の面々
 なにかと話題のジャニーズですが、以前から、その入所経緯が気になっていました。というのも、よく聞くのが「姉が勝手に履歴書...
愛娘・園子の早すぎる死、滑稽噺「寿限無」に込められた思い
 空が青く、ヒメスミレが咲く季節に天国へと旅立った園子。悲しみに暮れる万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)のもとに、...
桧山珠美 2023-08-04 16:05 エンタメ