欅坂46ベスト盤に異議!平手・長濱ら映像集が凄すぎるのに…

こじらぶ ライター
更新日:2020-10-10 06:00
投稿日:2020-10-10 06:00

長濱ねる熱望の「微笑みが悲しい」貴重映像

 ユニット“てち&ねる”の「微笑みが悲しい」でさらにエモが大爆発。演技がかったぶりっ子な振り付けも、この頃は平手も長濱と息を合わせ100%頑張っている。振付けで“平手のことをずっと見つめられるから”という理由で、この曲が大好きだった長濱。彼女が卒業を意識していたであろう後期には、平手にこの曲をまたライブでやりたいとおねだりしていたが、その頃には思春期男子高校生然と化していた平手君は一笑に付し、叶わなかった。

 そのままでは本当に「微笑みが悲しい」ことになってしまっていたが、平手は先に卒業し引退もほのめかしていた長濱をずっと気にかけていた。今2人が欅坂46と同じ事務所で芸能界の最前線で活躍していることを思えば、この頃の「微笑みが悲しい」も胸アツで見ることができる。

渡邉理佐、菅井友香らメンバーの変革

 2周年ライブは平手が欅坂46から距離を置いていた時期。彼女抜きで初めて単独ライブを決行した他メンバーの、自分たちだけで観客を納得させるんだという気迫が凄い。平手に代わりセンターに入った渡邉理佐(22)、菅井友香(24)らはここで一皮むけたのではないか。特に「不協和音」での菅井の激しい“僕は嫌だ”シャウトは、彼女が生粋のお嬢様であることを完全に忘れさせる。

 18年加入の2期生9人を迎え入れた3周年ライブ。大阪公演では各メンバーが欅坂46歴代衣装を身にまとい「誰のことを一番愛してる?」を披露した。その真ん中には、NHK紅白歌合戦初出場時の衣装で皇帝感溢れる平手がいる。かと思えば、アンコールの乃木坂46「シンクロニシティ」カバー披露時にはオリジナル版センターの白石麻衣(28)に敬意を表するように、フェミニンで慈愛に満ちた女神のような平手になる。

 武道館公演の「影絵パフォーマンス」は以前の記事(欅坂46武道館「影絵」指導者が語る秘話!平手も制作から参加)でも触れたように、高等技術が詰まっていながら初挑戦とは思えない圧巻の出来ばえだ。この凄さを口承したくとも特殊技術ゆえいまいち伝わり切らなかったが、やっと映像化され誰もが共有できることとなった。

 単独ライブ最初で最後の平手センターの「黒い羊」パフォーマンスは欅坂46ベストアクトのひとつだろう。このパフォーマンスのためだけにTYPE-Aを買う価値があるといっても過言ではない。ライブ初参加だった2期生森田ひかる(19)、田村保乃(21)らも、3周年ライブから可愛らしさもカッコ良さも見せ、今後の櫻坂46を期待させる。

大興奮!'17~'19全国ツアー見どころは?

 TYPE-BのBlu-rayは毎年の夏の全国アリーナツアーのダイジェスト。17年の「エキセントリック」パフォーマンスは爬虫類の動きも取り入れ奇妙奇天烈で、もはや女性アイドルの概念を超越している。それを堂々と全員がやり抜けるのが欅坂46の強みだ。

 ライブを盛り上げる定番曲「危なっかしい計画」ではのちの“埼玉の狂犬”となる小林の煽りがまだ初々しくて可愛い。

 18年、千秋楽の「ガラスを割れ!」では感情を爆発させすぎた平手が、アドリブでメインステージからセンターステージへの花道を爆走。照明がついていけていないが、シルエットだけでもその激情ほとばしる様が伝わる。さすがにBlu-rayではカットされたが、平手はこのパフォーマンス後ステージから転落。病院へ運ばれ大事に至らなかったことが分かると必死にメンバーの元へ戻ろうとした。

 ダブルアンコールに間に合った平手は、映像では「W-KEYAKIZAKAの詩」を歌うメンバーたちの中に普通に混ざっている。平手が戻った安堵と、スタッフからのサプライズ映像で感情がぐちゃぐちゃになるメンバーを菩薩のように穏やかな笑顔で見つめる平手。後ろから寄り添いに来た長濱を抱きしめる姿がイケメンすぎる。

 19年は平手が直前に負った怪我のため2周年ライブ同様平手抜き、代理センターで対応した。パフォーマンスリーダーだった鈴本美愉(22)のアンビバレントのカッコよさは破壊力抜群。大阪公演で「避雷針」1曲のみ途中復帰した、平手の姿を確認した観客の大歓声も凄かった。

ライブ単独フルサイズの映像作品が欲しい

 ここまでがてんこ盛りのTYPE-A及びTYPE-B特典Blu-rayの大まかな紹介になる。各年をダイジェストで見ることによって、メンバーの変遷はありながらも欅坂46の進化が見て取れる。その点においては1本のライブのみの映像作品より優れている。

 しかし、だ。“ライブの欅坂46”は1本のライブ全編を通してストーリー性を持たせることが多かった。また武道館公演などは激しい曲のノンストップ連続披露だからこそメンバーのタフさに胸を打たれた。やはりそれぞれのライブ単独フルサイズの映像作品が欲しい。

 今回のベストアルバムを聴いて、楽曲のMVを見たい、もっと知らない曲を聴きたいと思ったら、過去に発売されたCDに収録されている。しかし、今回の特典Blu-rayでそれぞれのライブの良さを知って、各ライブ全編を見たいと思ってもそのような作品は無い。全国の欅ヲタクは声をあげ続けるべきだ。

 全ライブ、全編フルサイズの映像作品化希望!

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ
朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ
生田斗真“無痛おねだり”大炎上の後始末 羊水発言は“謹慎4カ月”だったが…
 俳優の生田斗真(39)が大炎上している。生田はインスタグラムのストーリーズで、ファンから質問に回答する企画で「今日で妊...
優三のいい人キャラさく裂!予告でヒヤリとした梅子の断崖絶壁シーンも〇
 涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)...
桧山珠美 2024-05-09 16:30 エンタメ