なぜ平手を守れなかった?櫻坂46新センター森田は守れるか?

こじらぶ ライター
更新日:2020-10-17 06:00
投稿日:2020-10-17 06:00

るんちゃんセンター、Nobody’s faultもトレンド入り

 最後となる楽曲「サイレントマジョリティー」を初日に続き披露した欅坂46は、5年の歴史に幕を降ろした。が、息つく間もなくサプライズで真っ白な衣装に身を包んだ櫻坂46の1stシングル「Nobody’s fault」選抜メンバー14人が登場した。

 同曲は力強いメッセージソングで、櫻坂46初代センターとなった森田が不敵な笑みを浮かべながら堂々としたパフォーマンスを見せた。これが大反響を呼び、Twitter上では「#欅坂46ラストライブ」と並んで「#櫻坂46」、「るんちゃん(森田の愛称)センター」、「Nobody’s fault」がトレンド入りした。

 以上のように、2日間のラストライブを通し、振り幅の広い多様な側面を見せた欅坂46(現櫻坂46)。彼女たちが見せた素晴らしいパフォーマンスから、改めて、なぜ平手を守れなかったのかと悔やまれてならない。

 もちろん、今回のライブの凄みは、平手がいない前提と、欅坂46ラストライブというメンバーたちの覚悟や決意があってこそ生み出されたものだったかもしれない。それでも立場が人を変えるのはよくあることだ。他のメンバーたちのポテンシャルを見過ごし、平手の才能に頼り切った大人たちによって、「二度とない天才」と称された平手は4年半、1人でセンターの重責を担い、アイドルとして消耗され心身共に限界を迎えてしまった。

 平手は17年末のNHK紅白歌合戦後に1度、欅坂46から離れたいと申し出たり、数々負った怪我のためにライブを休演するなどSOSを出し続けていた。先月放送された「シュガー&シュガー」(NHK Eテレ)でもセンターについて「プロデューサーにも『もう嫌だ』とずっと言っていた」と吐露している。

他グループ同様、重責の分散は本当にできなかったのか

 AKB48、乃木坂46といった先輩グループは、エースという存在がありながらもシングル毎にセンターを変えたり、Wセンターにするなどして1人の負担を軽減しつつ多くのメンバーにチャンスを与え、グループ全体の活性化にも繋げてきた。欅坂46も今回のラストライブのようにセンターを分け合うなど重責を分散することはできなかったのだろうか。

 そして「黒い羊」の“僕”=平手が孤独と絶望の世界で終わるのではなく、ラストライブ版のようにメンバーから手を差し伸べられていたら。「Nobody’s fault」にある“誰のせいでもない”というメッセージを“僕”が受け止められていたなら。

 過ぎてしまった時間を取り戻すことはできない。救いなのは平手が今もソロとして継続的に女優業や音楽活動を続けられていることだ。しかし、やりようによっては多くのファンや、平手自身も最後まで望んだように「平手のいる“欅坂46”」(センターとは限らない)があと何年も続くような世界線もあったかもしれない。

櫻坂46の活動方針に期待すること

 櫻坂46の「Nobody’s fault」を見る限りでは、センター森田の両サイドを小林、渡邉がしっかりと固め、後列の菅井、山﨑らも含め各メンバーにそれぞれ見せ場がある。また同曲は欅坂46のようにメッセージ性の強いものだが、そこに絶望はなく自身を鼓舞するような勇ましさがある。それに後押しされるように森田の表情はもう櫻坂46のセンターの顔つきになっていた。

 櫻坂46では、欅坂46での過ちを繰り返すことなく、メンバー全員が寄り添い合い苦悩を共有し、輝く機会を分け合えるよう大人たちが導いていくべきだ。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


『有吉の壁』ブーム期待も…人気キャラの“展開”に冷めた視線。番組の過剰な介入で萎えるファンの複雑心理
 日本テレビ・水曜7時からの人気番組『有吉の壁』(日本テレビ系)。なんとこの10月でレギュラー放送開始から5年半を越える...
『あんぱん』お色気や国民的アニメの時代、のぶの行為に子供は喜べるのだろうか
 のぶ(今田美桜)は八木(妻夫木聡)の会社で子どもたちに『あんぱんまん』の読み聞かせをすることに。だが、子どもたちは興味...
桧山珠美 2025-09-13 11:30 エンタメ
『あんぱん』あれっ、今“あんぱんまん”って言った? 開始2分で誕生。嵩の創作の苦悩が見たい
 嵩(北村匠海)は再び“おじさんあんぱんまん”の絵を描き始め、物語はほぼ完成する。原画を見つめながら、嵩の話に耳を傾ける...
桧山珠美 2025-09-13 11:35 エンタメ
【芸能クイズ】伊東市長で話題の東洋大学、フワちゃんは卒業済み。では同大学出身“ではない”有名人は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
中島裕翔がJUMP電撃卒業。退社か残留か…山下智久、赤西仁、中島健人らの活動から“今後”を考察する
 8月28日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下、SE社)は、Hey! Say! JUM...
こじらぶ 2025-09-07 11:45 エンタメ
『あんぱん』手嶋治虫をも魅了するのぶ、魔性の女では? ヤムおんちゃん「老けたな」が届かない若々しい美貌
 蘭子(河合優実)が柳井家に草吉(阿部サダヲ)を連れてくる。久々の再会に大喜びののぶ(今田美桜)たち。そのころ、手嶌(眞...
桧山珠美 2025-09-06 12:30 エンタメ
これぞロック! YOSHIKIのパクリ騒動、文句を言って何が悪い? “寛容”を強制する世間への反撃
 人気アニメ『ダンダダン』の劇中歌に対して、《何これ、XJAPANに聞こえない?》と自身のX(旧Twitter)に投稿し...
堺屋大地 2025-09-06 11:45 エンタメ
芸人の結婚で“ガチ恋”離れが加速中。非モテ「マユリカ」中谷は救世主となるか
 芸人の結婚ラッシュがやってきている。メイプル超合金・カズレーザーと二階堂ふみの結婚をはじめ、令和ロマン・松井ケムリやは...
帽子田 2025-09-04 11:45 エンタメ
「あんぱん」やなせ氏がいじけてないか心配になる。誕生秘話は史実なの?
 週刊誌の漫画コンクールのページを目にした嵩(北村匠海)は、のぶ(今田美桜)に勧められ、その懸賞に挑戦することに。 ...
桧山珠美 2025-09-03 18:26 エンタメ
福山雅治 騒動で見えた「イケメン」の賞味期限。木村拓哉のプレゼントは許されたのか
『女性セブン』<激震スクープ 福山雅治 女性アナ不適切会合 フジテレビ報告書 独占告白70分>には、驚きました。 ...
吉沢亮が「国宝」級に美しい…隠れた名作5選。伝説級漫画の実写化で見せた“危うい”笑顔にゾクッ
 歴代邦画実写史上第2位となる興行成績を叩き出している『国宝』。このままの勢いで、歴代最高成績さえも残してしまいそうな同...
zash 2025-09-22 13:26 エンタメ
「あんぱん」ヤムおんちゃん登場! “じいさん”呼ばわりがちょっと切ない…。のぶや嵩とはどう再会する?
 ラジオドラマ「やさしいライオン」は、たくさんの人の耳に届いていた。しかし、登美子(松嶋菜々子)の反応が気になる嵩(北村...
桧山珠美 2025-09-01 17:08 エンタメ
【芸能クイズ】山下美月は一級船舶免許。意外と多い“資格取得者”を検索できる事務所は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
欅坂46から10年。平手友梨奈らの脱退・卒業、解散危機に改名…櫻坂46はいかに“最高地点”へ辿り着いたのか
 櫻坂46が8月24日、全国ツアー「5th TOUR 2025 “Addiction”」の千秋楽を終えた。愛知、福岡、広...
こじらぶ 2025-08-31 12:22 エンタメ
「あんぱん」羽多子の“夢”はヤムおんちゃんの影響ですか? 予告にチラリと映る姿にも歓喜!
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は引っ越しをして羽多子(江口のりこ)と同居生活を始める。そんな中、電話に出た羽多子が、...
桧山珠美 2025-09-13 11:33 エンタメ
「あんぱん」脚本家が“1番書きたかったこと”に目からウロコ! すべては聡明なお子様のおかげ…
 ある日、嵩(北村匠海)にファンレターをくれた小学生の佳保が、祖父の砂男(浅野和之)と柳井家にやってくる。笑顔で迎えるの...
桧山珠美 2025-08-28 15:25 エンタメ