自由奔放が長寿の秘訣? 森の妖精“フェアリーピコ”の育て方

斑目茂美 開運花師
更新日:2020-12-16 06:00
投稿日:2020-12-16 06:00

一発で撃ち落とされたワタクシ

 さかのぼること、数年前の年末のある日……。

 花市場を徘徊していたワタクシは、市場関係者の鉢物担当のお兄様たちに「姉さん!」と、突然取り囲まれたことがございました。

「借金返済の催促?!」と怯んだワタクシに、「とびきり上等のブツが入りましたぜ! 見て行ってやってくだせぇ!」と、お兄様方が揃って大合唱。

 無理やり連れられて行った先には、見たこともない花鉢が鎮座しておりました。

 まるで大きなご飯茶碗にパンパンに盛り付けられた、白米のような形の「葉」。”てんこ盛り白米”の「葉」の上を覆い隠すようにワイワイ飛び回っている、ピンク色の服を着たティンカー・ベルのような無数の小さな「花」。

自由奔放さが美しいシクラメンの新種

ワタクシ 「なんだかシクラメンに似ているわね」
お兄様方 「そうなんです。神奈川の育種農家さんが作出のこの新種のシクラメンは、これまでの概念を覆しちまうようなシロモノなんでござんすよ。」

ワタクシ 「へぇ~、随分カワイイけどおいくら?」

お兄様方 「◯◯円です」

ワタクシ 「高っ! 冗談じゃねぇわ!」

 と言ったものの、どうにも気になったワタクシは結局、お店に連れて帰ってきました。

 ……結果、店内滞在時間わずか2時間。超ハイスピードで、高額シクラメンはお嫁に行ったのでございます。

 初めて見たお客様をも一発でしとめる、罪な可愛らしさ。無数のティンカー・ベルが勝手に飛び回っているように咲いているシクラメンって、気になりますわよね~。

 ということで、今回は「見かけによらず恐ろしくご長寿よ、フェアリーピコ」の解説でございます。

一期一会の花「フェアリーピコ」

 数年前から流通しております、プロペラ咲きのミニタイプのシクラメンが、「フェアリーピコ」をはじめとした「フェアリーシリーズ」でございます。

 “まるで妖精が飛んでいるように見える”ことから名付けられた、森の妖精「フェアリーシリーズ」。年末のお歳暮シーズンの主力商材の一つ「シクラメン」の中でも、ひときわ異彩を放っております。

 近年では多くの栽培農家さんの努力のおかげで、ワタクシが「高っ!」と叫んだ頃よりも、ずっとリーズナブルな価格帯になりました。

 リバーシブルタイプの花は、上から見ても横から見ても覗き込んでもなんともユニーク。

 一重のものや八重のものと、花姿もさまざま。同じ種類でも、花びらの開き方もお色も、まるで勝手。

 めちゃくちゃ個体差があるので、株ごとに花の模様が違っちゃう。

 そして、本来のシクラメンの花は株の真ん中に集中して集まるように「葉組み」という作業が必要なのでございますが、大半の「フェアリーシリーズ」は、咲く場所も自由奔放。

 お色も勝手、咲き方も勝手、咲く場所までも勝手。

「”フェアリー”ではなく”小悪魔”でお間違いではございませんか?」と思ってしまいますが、葉を全体的にまるで包み込むように不思議と優しく丸くふんわりと咲いているのを見ると……やっぱりフェアリーですかね(^▽^)

 個体差のある「フェアリーシリーズ」は、たくさんあればあるほど、それぞれ違う顔をしております。

 まさにそれは、ステキな「一期一会」でございます。同じものは二つとございません。

可愛い顔してとてつもなくご長寿

 毎年大量に仕入れる「フェアリーシリーズ」でございますが、一度ご購入なさった方は次の年も必ずと言っていいほどリピートされます。なぜなら、管理が楽な上に、恐ろしく長い期間、咲き続けるからなのでございます。我がお店にあったサンプルは、8月まで咲いておりました。そして、良い株であればあるほど、夏越しができれば再びツボミを蓄え、咲いてくれるのでございます。

ロングライフの5つのポイント

1. 日当たりは絶対!太陽の光を浴びなきゃイジケます。

. 温風を浴びたらイチコロでぐったり。暑いのはダメですわ~。20度超えたら相当イヤです。

咲き続けるにはご飯を食べなきゃ頑張れないわ。土の上に置く置き肥は1〜2カ月に一度、水に薄めた液肥なら毎週でもいただきたいです。

お水は大好き。でも葉や花の上からお水をあげるのはやめてね。腐っちゃうから、土に直接かけてくださいませ。

寒いのは大丈夫。室外でもそこそこ平気。でも、雨や雪が直接当たるとか霜が降りるとかは怖いですわ。球根ですから、凍っちゃうくらい寒いのはダメですわ。

フェアリーシリーズで素敵なおうち時間を

 管理場所のおすすめは出窓やお玄関、日当たりの良い廊下など。運気の入口でもある出窓や玄関は、そういった意味でも最適。

 また、「シクラメン」はそもそも恋愛や出会いの運気を底上げすると申します。

 特に、「フェアリーピコ」をはじめとした「フェアリーシリーズ」は、恋愛運爆上がりの色「ピンク」と「白」の組み合わせがほとんど。

「純白」の「フェアリーピコ」は、ぜひお玄関に。邪気払いと悪縁を遠ざける「白」の力を借りて、年末年始、アナタのお家にラッキーを呼び込んでくださいませ。

 今年も残すところあと半月。穏やかな「おうち時間」を過ごすのに、花はマストアイテムでございます。

 風邪をひくことなく、元気にアナタが年末の忙しさを乗り切れますことを、遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


ほっこり読み切り漫画/第58回「サクラ鳴く」
【連載第58回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
夏空が秋にかぶさる風景 季節がバトンタッチする時期がきた
 夏空が秋にかぶさる。そうだ、あしたはもう「秋分の日」。  ここまでくると「いよいよ今年も後半戦」という感じがして...
気づけば10年前のまま…大人のメイクは年単位で見直すべし!
 みなさんはぶっちゃけ、メイクの勉強をしていますか? 私はお恥ずかしながら、10代の時に雑誌を参考にして習得した以来、や...
妊娠5カ月、4畳のシェアハウスへの単身引越しに踏み切った話
 先日、夫の実家で親戚の子どもたちと上の子の5歳の誕生日を祝いながら、ふと「ってことは、自分も人の親という立場に置かれて...
気が付けば先輩社員の立場に…「職場で憧れられる存在」に5つの共通点
 仕事がバリバリできて見た目も完璧な女性は、職場の頼れる存在であり、憧れる存在でしょう。「私も少しは後輩から憧れられる女...
2023-09-21 06:00 ライフスタイル
「ほよよ顔」がたまらにゃい!プー太郎君の“たまたま”を激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ギャラ飲みは私の天職! 月収100万円、一度だけ恋人関係になった人も…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「必ず夢は叶う」は罪なアドバイス? どっちにしろ人生は続くのです
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
日持ち抜群「ジンジャー科のお花」の摩訶不思議、1週間過ぎても元気!
 ワタクシの大切なお花友達のAさんは、見た目は男性ですが、心は妄想が止まらない夢見る乙女。朝の精神統一は「花を触ること」...
子育てワンオペ問題…親頼みのママにモヤモヤ、男性の育児休暇は必要?
 先日友人と、子育てについての話になりました。  私の仲の良い友人たちは、自分の子どもが乳児の時に、実家の協力が得...
おなら、誤爆、カビパン…40年生きてたら、恥ずかしい思い出ぐらいね
 生きていれば、誰にでも一つや二つの恥ずかしい思い出があるものですよね。時間が経って忘れた頃に、ふと思い出してしまうと、...
親との距離感むずい…小言付き同居or孤独な別居、子連れで出した答え
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
遊びスイッチ全開にゃ! 猛ダッシュ“たまたま”の一瞬をパチリさせて~
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
死語説もあるけど便利な「OL」、海外では通用しない?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
私が稼ぐしかない!「月経ディスク」で起業、元居酒屋店員の猪突猛進人生
 パワフルの塊のようなアラサー女性がいます。「株式会社MONA company」代表取締役の向井桃子さん(35)。生理用...
月経ディスクにベットする女の覚悟「ストレスを減らす手伝いがしたい」
 生理用品の一種で使い捨て可能な「月経ディスク」を企画・販売する「MONA company」代表取締役の向井桃子さん(3...