脱退から1年 ジェンダーレスな平手友梨奈は何と闘ったのか?

こじらぶ ライター
更新日:2021-01-24 06:00
投稿日:2021-01-24 06:00

素の平手友梨奈はやはり女の子

 髪をバッサリ切った平手は、男の子に間違われるほど“男子然”となった。外見に合わせて自然と立ち振る舞いも男の子っぽくなり、私服もメンズを着るようになった。欅坂46メンバーとして最後となった17年12月の彼女のブログにも、「僕は自分に正直に生きたい。」と一人称を男の子のように記していた。

 ただメンバーやスタッフからの彼女についてのエピソードを聞く限り、素の平手はやはり女の子だ。これはあくまで筆者の推測だが、平手は男の子らしく“男子武装”することで、彼女を傷つけてきたアンチや一部男性ファンから“女アイドル”として好奇の目で見られることを避けようとしたのではないか。

 握手会での説教・襲撃事件、ストーカー行為。ネット上の罵詈雑言。14歳で1人上京した女の子にとっていかに恐怖だったことか。それを少しでも軽減し抗う手段が、“男子武装”して欅坂46の楽曲の主人公“僕”に完全に憑依すること、ただの女アイドルのくくりをストイックすぎるほど超越しようとすることだったのかもしれない。

ヒリヒリするような欅坂46の“僕”から変化

 20年“1.23”よりソロになって女優業をこなす間は、“平手友梨奈”であることから解放され役に入り込む期間になった。数あるオファーから最初に平手が「さんかく窓の外側は夜」のヒウラエリカ役を選んだのは、彼女を応援したくなったからだという。「本当に怖いのは人間」がテーマのひとつであるこの作品において、壮絶な4年半を経た平手がヒウラになりきれたのも必然だろう。その後、高校を卒業し19歳になり、少し女性らしく大人になった彼女は、あのヒリヒリするような欅坂46の“僕”から遠ざかったように見えた。それでもアーティストとして楽曲を披露する際には再びメンズライクな姿で登場した。

 ただし、歌詞の1人称は「私」になっている。今の彼女からは“男子武装”というよりは、男女の垣根を超え、ジェンダーレスに力強く楽曲のメッセージを届けたいという思いが伝わってくる。

唯一無二の表現者として…

 アーティストとしてより一層飛躍するであろう21年は、ぜひ自らの言葉で楽曲を届けて欲しい。「ダンスの理由」に作曲者の1人として名を連ねたクリエイティブな彼女に作詞ができない、とは思わない。

 秋元系アイドルOGとしては元NMBの山本彩(27)がシンガーソングライターとして作詞作曲をこなしている。山本はギターで弾き語るスタイルだが、平手はぜひこのままジェンダーレスに踊り狂い続けて欲しい。

 女優としてもさらに幅広い役のオファーが舞い込むだろう。性別にも年齢にもとらわれない「唯一無二の表現者・平手友梨奈」の進化は、とどまることを知らない。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」嵩らの“腹痛”は史実とちょっと違う? 懐かしい2人の登場には狂喜乱舞! 生きていてよかった…
 東京に到着したのぶ(今田美桜)たちは、さっそく聞き込みを始めるが「ガード下の女王」はなかなか見つからない。みんなで屋台...
桧山珠美 2025-07-11 18:33 エンタメ
「あんぱん」メイコ、夢はお嫁さんでいいのか? 健太郎(高橋文哉)ともう1人の“三角関係”を妄想する
 東京出張の前日。みんなで取材する代議士の資料を確認していたのぶ(今田美桜)は、岩清水(倉悠貴)が話す「ガード下の女王」...
桧山珠美 2025-07-10 18:34 エンタメ
timelesz、新体制が“古参ファン”に受け入れられる日は来るのか? 旧ジャニ「シャッフルメドレー」不参加の賛否
 7月5日、櫻井翔(43)が総合司会を務める音楽特番「THE MUSIC DAY 2025」(日本テレビ系)が放送され、...
こじらぶ 2025-07-10 11:50 エンタメ
石田ひかり53歳、今を生きる女性に伝えたい“楽しく生きていく”ためのメッセージ|映画『ルノワール』
 1986年のデビューから、映画『ふたり』『はるか、ノスタルジイ』や、連続ドラマ『悪女』、連続テレビ小説『ひらり』、『あ...
望月ふみ 2025-07-10 11:50 エンタメ
『あんぱん』ツダケンの“にゃあ”が秀逸だにゃあ!「月刊くじら」には色々とツッコミどころもあるが
『月刊くじら』創刊号は2日で2000部を売り切り、好調な滑り出しを見せる。嵩(北村匠海)は『月刊くじら』編集部に異動に。...
桧山珠美 2025-07-09 17:00 エンタメ
【10万いいね】鈴木えみ、20年前→現在の比較写真が“美しすぎる”と絶賛「変わらなすぎ!」「今の方が可愛い説まである」
 ファッションモデルから俳優業まで、幅広い分野で活躍する鈴木えみさん(39)。2025年7月7日に自身のInstagra...
春ドラマの評判を調査!本命『最後から二番目の恋』は2位。1位は意外な快進撃。日常系が人気、刺激疲れか?
 2025年の春ドラマが、次々とフィナーレ。今期はSNSでバズった顔ぶれも多く、ドラマファンからしても楽しいシーズンだっ...
「あんぱん」嵩は受かるのか…って次週予告編でネタバレか? アンパンマン声優の姿もチラリ
 のぶ(今田美桜)の家で暮らすことになったメイコ(原菜乃華)は、夢に向かって一歩を踏み出す。そしてのぶも、月刊誌の刊行に...
桧山珠美 2025-07-05 08:00 エンタメ
『あんぱん』のど自慢といえば「ひよっこ」有村架純を思い出す。メイコが歌うのはどの歌なのか?
 夕刊の話がなくなり、時間を持て余すのぶ(今田美桜)だったが、夕刊の代わりに月刊誌を出せることに。岩清水(倉悠貴)と歓喜...
桧山珠美 2025-07-03 18:11 エンタメ
TOKIO 国分太一騒動で危うい“料理イケメン”たち「男子ごはん」での気になる発言
 またひとり、旧ジャニーズのタレントが消えてしまいました。今度はTOKIOの国分太一(50)です。今月20日、無期限の活...
東海林(津田健次郎)はエラいのかポンコツなのか? ともあれ“ツダケン”の魅力的な演技に惚れ惚れ
 高知新報が夕刊発行の申請をし、のぶ(今田美桜)は編集長を任された東海林(津田健次郎)と先輩記者の岩清水(倉悠貴)と共に...
桧山珠美 2025-07-01 18:19 エンタメ
【再募集】2025春ドラマどうだった?面白かった&ガッカリを教えて!『あんぱん』『最後から二番目の恋』『対岸の家事』etc
 引き続き、2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。続々と最終回を迎えた4月よりスタートの春ドラマ、あなた...
「あんぱん」竹野内豊らが退場→津田健次郎と倉悠貴が新たに補充。イケメン好きにも優しい朝ドラに感謝したい
 闇市で渡された東海林(津田健次郎)の名刺を頼りに、高知新報にやってきたのぶ(今田美桜)。しかし、東海林は全く記憶にない...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
さや香、バッテリィズ…意外と多い「不仲コンビ」にグッとくる理由。仲良し芸人だけが正解なのか?
 千鳥MC『相席食堂』(ABC/テレビ朝日系)の6月3日放送回にて、「カウンセリング相席」と称した、お笑いコンビ・流れ星...
『あんぱん』嵩(北村匠海)に“たっすいがー”の面影はない。のぶへの言葉が胸を打つ「正しい戦争なんか、あるわけがないんだ」
 空襲の焼け野原でひとり佇むのぶ(今田美桜)の前に、嵩(北村匠海)が現れて再会を果たす。釜次(吉田鋼太郎)から事情を聞い...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
国分太一活動休止で消えた「TOKIO再集結」の光…木村拓哉に見せていた別の顔
 6月20日、複数のコンプライアンス違反があったとして、TOKIOの国分太一(50)が無期限の芸能活動休止を表明した。出...
こじらぶ 2025-06-25 07:50 エンタメ