江戸前寿司の象徴「煮はまぐり」 余熱でふんわり軟らかく

コクハク編集部
更新日:2021-09-02 06:00
投稿日:2021-09-02 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、江戸前寿司の象徴「煮はまぐり」のレシピを教えていただきました。

塩やみりんを入れると硬くなる

合うお酒=きりっとした日本酒(C)コクハク
合うお酒=きりっとした日本酒 (C)コクハク

「漬けや昆布締め、煮はまぐりは江戸前寿司の象徴。歴史があります」と出口さん。そんな煮はまぐりを口に入れると、ふわっと軟らかい!

「軟らかさがキモです。修業時代から、どうしたら煮はまぐりが軟らかくなるのか悩んできました。実は塩やみりんを入れると硬くなる。久兵衛でははまぐりを、塩分を残さないようにしっかりと洗います。そうすると、ふんわり軟らかくなるんです」(出口さん)

 沸騰させた出汁の余熱だけで、はまぐりに火を通す寿司職人もいるといいます。

「はまぐりの数が多くても出汁にえぐ味が出る。はまぐりが少なくても鰹出汁や水で出汁を薄めれば大丈夫」(出口さん)だそうだ。

材料(4人前)

・はまぐり 8つ
・刻みユズ
・はまぐりの汁 315ミリリットル(汁が足りなければ水で補う)
・二級酒 45ミリリットル
・うすくち醤油 30ミリリットル
・砂糖 30グラム

レシピ

(1)はまぐりの殻を、むき棒などを使って剥がす。その時に出る白い汁をボウルに大事にとっておく
(2)1の汁が315ミリリットルになるように水を足す
(3)2に酒、醤油、砂糖を加える
(4)はまぐりの身を水で洗って砂をとる
(5)3の汁に、はまぐりを入れ、沸騰したら弱火で10分ほど煮て、火を止めて余熱を10秒程度通す
(5)食べやすいように半分に切って器に盛り、刻みユズを添える

本日のダンツマ達人…出口威知朗さん

▽出口威知朗(でぐち・いちろう)
 1987年、東京都生まれ。女性向け情報誌で食や美容・健康にまつわる編集を担当したのち独立。ナッツ料理研究家、フードコーディネーター、フードプロデューサーとして活躍し、2016年にナッツ専門店をプロデュース。2020年3月、東京・外苑前にグルテンフリーバインミー専門店「Bánh mi Tokyo 」をオープンさせた。マッシュルーム料理専門店「マッシュルームトーキョー」、江戸前寿司×現代アート「すし玲」など話題の店舗にも携わっている。

▽ひさいち
 祖父の代から85年続く寿司屋を継ぎ、2005年10月に「久いち」として開業。焼き、〆、煮などの江戸前や熟成のお寿司がオススメ。寿司の合間には野菜や果物を用いた多彩な料理も提供され飽きない。四季を通じて暖簾をくぐりたい。東京都台東区浅草3―18―8。

(日刊ゲンダイ2021年8月25日付記事を再編集)

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