自分の頑張りは自分の中だけで消化する
ダイエットの成功者や整形で美しくなった人が、ただ現状を嘆くだけの人に厳しいというのはよく言われる話です。何かを必死で成し遂げた人は、やらない人に「なぜ頑張らないのか」と思ってしまうんですよね。この話題、実は自分で書いていて耳が痛いです。
というのも、私は学生時代に吹奏楽部だったのですが、中学の時に始めたので、高校に上がるころには楽器歴がすでに3年。そこそこできるようになっていました。しかし、周りには高校から楽器を始めた先輩なんかもいます。その時点ですでに先輩よりもベテランの奏者になるわけですから、当然差が出てきてしまいました。
もし私が高校から楽器を始めた立場なら、ベテランの後輩に負けないように必死で練習すると今でも思います。しかし当時の先輩たちはというと、少なくとも懸命に練習しているようには見えませんでした。そのくせコンクールの代表選考から漏れると泣いている。当時の私には意味が分からなかったし、腹立たしさもありました。
だけど今なら分かる気がします。きっと私と先輩たちとでは、達成したい目標そのものが違っていたんですよね。私はコンクールで賞をとることや、楽器が上手くなることが全てと思っていましたが、先輩たちはそうじゃなかった。同じ学年の友人たちと楽しそうに演奏している姿を思い出すと、ただ純粋に「合奏をみんなで楽しむこと」が目標だったんだなと納得してしまいます。また、いろんな事情で私ほど練習に時間を割ける人ばかりではなかったことも、当時は想像できませんでした。
この経験は自分の未熟さや視野の狭さを痛感できるので、他人に腹が立ちそうになるといつも思い返しています。頑張ることや努力することはスゴイことです。だから、もし誰かに対してムカッとしたら「あ、私は今めっちゃ頑張ってるんだな」と思ってほしい。大丈夫、あなたはめちゃくちゃ頑張れています!
登場人物紹介
コミ
主人公モジョ子の先輩。ヘビ森さんのお気に入りホステス。お酒が好きだが酒乱なので周りは迷惑している。
ヘビ森さん
コミのお客さん。アパレル会社部長職独身。係長の頃からどろんぱに通っている古株。コミと同じく酒乱。
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