「愛情が足りていないんじゃないですか?」
そんなやり取りが何度か続いたある日のお迎え時に、いつもならスルーされるはずの先生に珍しく呼び止められました。そして、開口一番、
「長男くんに対して愛情が足りていないんじゃないですか?」
私はこの一言に大きな衝撃を受けました。先生いわく、長男は同級生に比べて落ち着きがないそうです。たしかに、人懐っこくて活発なタイプだと思います。ですが、だからといって暴力を振るったり、大声を出して癇癪を起こしたりといったことはありません。
子どもとの時間が少ないと言われればそれまでですが、寝る前に絵本を読み聞かせ、くっついて一緒に寝ています。何より「愛情が足りてないんじゃないか?」なんて、他人に言われる筋合いはないのです。
長男のために…怒りを堪えるも車内で涙
「それはどういう意味ですか?」
「言葉そのままの意味です。子どものためを思えば、普通は仕事の時間を早めに切り上げたりするもんですけどね?」
その後は、嫌味っぽく子育てについて自論を語る先生の話を聞きながら、適当に相づちを打っていました。本当は「ふざけんな!!!」と言い返してやりたかったのですが、先生は長男のクラス担任です。ここで先生との関係が悪化することにより、長男への態度が冷たくなることは避けたい状況でした。
「すみませんでしたー」と話を切り上げて車に向かう途中、目に涙が溢れてきます。車に戻ると、我慢していた様々な感情が一気に溢れ出しました。
(なんでそんなこと言われなくちゃいけないの!? 一生懸命頑張っているのに!!)
そんな様子に子どもたちも驚きながら「ママどうしたの? いたいの?」と心配をしてくれたのでした。
先生の言葉の裏に潜む本当の気持ちとは?
先生の言葉に傷ついた私は、複雑なこの気持ちを上手く飲み込めないまま次の日を迎えます。ですが、落ち込んでいても日常は待ってくれません。いつも通り身支度をして保育園へと出発です。その日は幸い、例の先生とは会わずに子どもを預けることができました。
それからというもの、頭では「愛情不足」のワードが何度も浮かんでは消えていきました。
「このままじゃいかん!」と思った私はお迎えの時に、長女のクラス担任の先生に昨日のやりとりについて聞いてみることにしたのです。
そこで分かった先生の言葉の裏に潜む本当の気持ちとは、“シングルマザーへの偏見”でした。
次回へ続きます。
◇ ◇ ◇
※本連載は離婚したくてもお金の問題で身動きが取れない“離婚予備軍”の方々に知って欲しい話をお伝えするものです。決して、離婚を推奨するものではありません。ただただ、素敵な未来への糸口やヒントになれば幸いです。
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