魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな新米鬼嫁の事件簿をお届けします。
1:結婚式場変更事件
「息子の結婚が決まり、準備の関係で入籍を先に済ませ、挙式はその半年後にすることとなりました。
お嫁さんの実家は京都、うちは東京なのですが、今はふたりとも東京で働いていていることもあり、式は東京で挙げると聞いていたんです。
ところが入籍を済ませてしばらくして、息子から式を京都で挙げることになったと聞き、びっくり仰天。
息子からは、嫁が勝手に東京の式場をキャンセルし、京都の式場に申し込みをしたと聞きました。
現代のお嫁さんは強いとは聞いていますが、高齢の参列者もいるのに、なんて勝手な…と呆れましたよ。
息子を通じて、当初の予定通り東京で挙げるよう説得を試みましたが、まったく聞き入れてもらえず。
結局、うち側の高齢の参列者が京都行きを見送る形で式を挙げましたが、なんとも後味が悪く、それ以来、お嫁さんやお嫁さんの実家と私たちの関係は、ギクシャクし続けています」(64歳女性)
◇ ◇ ◇
「入籍さえしてしまえば、こっちのもの」とばかりに身勝手に振る舞う新米嫁は、鬼嫁化する資質十分とも言えそうです。
結婚式からこれでは、先が思いやられますよね…。
2:玉子焼き事件
「次男が長く付き合っていた彼女と結婚したのですが、相手の女性は3歳息子より年上でしたので、家事にはまったく心配していなかったんです。
ところが、蓋を開けてみたら料理も洗濯も満足にできないタイプ。息子のほうが仕事が終わるのが遅いのに、いつも料理と洗濯、掃除を担っていると聞き、驚きました。
今どきは夫婦で家事分担をするのが普通だと聞いていますから、息子が家事をするのは当然ですが、気になるのはお嫁さんが何もしない点です。
そこで私は、ふたりが遊びにきたときに、まずは簡単なものからでも料理する癖をつけてもらおうと、お嫁さんに玉子焼きを作るように依頼してみました。
すると『え? 玉子焼きって作るものですか? スーパーで買ってくるものだと思ってました』と言われ、愕然。
ならば教えようと思って卵を割るように頼んだら、今度は『気持ち悪いから、卵なんて割れません』と返ってきました。
聞けば、料理も洗濯も掃除も「家事をするなんて、気持ち悪いから」を理由に、息子任せにしているとのこと。
なんとも身勝手な言い分に、さすがの私も腹が立ちました」(63歳女性)
◇ ◇ ◇
極端に言えば「卵を割って溶いて焼くだけ」の料理ですら、拒む嫁となれば、姑から見てかなり奇妙に映ることでしょう。
3:ガラクタ事件
「息子が九州出身の女性と結婚し、新居は東京に決まったのですが、お嫁さんが実家からも私物を持ってきたところ、新居には入りきらなかったそうで、我が家に荷物を置かせてほしいと、息子から連絡がありました。
ウチもマンションだしそんなに広くないのですが、彼らの新居よりはスペースがあるので、しばらく預かることにしたものの、届いた私物を見て仰天。
10年以上前の古雑誌やら、もはや飾らないであろう日本人形やお雛様、時代遅れな服や靴の山など、ガラクタのようなものを、六畳の部屋が埋まるくらい押し付けられました。
正直、こんなもの結婚を機に整理すればいいのに…と思うようなものばかりで、次にいつ使うのか。あちらの実家に置いておけばいいものまでウチに運び込んだ揚げ句に、『私の物には、絶対に触らないでくださいね』と強い口調で言い残して、去って行きました。
うちは無料のトランクルームじゃないのですが……。
そんな嫁を諭せない息子にもガッカリでしたが、息子が『怖くて言えない』と言っていたのも、気がかりです」(67歳女性)
◇ ◇ ◇
夫の実家に甘えるのは悪いことではないけれど、その内容によっては奇行にしか見えないことも。
「触れるな」と言い残し、ガラクタを預けるのは、確かに奇妙です。
こんなふうに世間には、入籍を済ませた途端に、本性を現す新米鬼嫁の奇行に頭を抱える義母もいるようですね。
身勝手な行動に突っ走る嫁を迎えてしまった義母たちの心中を思うと、同情せずにはいられない人も多いのではないでしょうか。
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