熟睡したい!「更年期の不眠」に効く安眠のコツ~専門家監修

コクハク編集部
更新日:2023-01-26 18:57
投稿日:2022-12-08 06:00

4. 漢方薬で体質改善を目指す!

根本からの体質改善(写真:iStock)
根本からの体質改善 (写真:iStock)

 更年期の不眠には、漢方で内側からアプローチするのもおすすめです。漢方薬のなかには「不眠」に効果が認められているものもあり、内科や心療内科などでも使われています。

 不眠は、ストレスや過労、血流不足などが原因と考えられています。

 不眠の改善には、

「自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する」
「いらだちや興奮を鎮めて寝付きをよくする」

「消化・吸収機能を改善してからだに栄養を届け、心を元気にする」
「血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く」

 などの作用をもつ漢方薬を選びます。

 漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく根本からの体質改善が目指せるので、不眠になりにくいからだを手に入れることもできます。「睡眠薬を飲むのは抵抗がある」という人でも試しやすいでしょう。

 忙しくて、就寝時間を毎日一定に保つのは難しい……という人も、漢方薬なら症状・体質に適したものを飲むだけなので、無理なく継続できますよ。

 不眠で悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。

<不眠で悩む女性におすすめの漢方薬>

・酸棗仁湯(さんそうにんとう):心身が疲れており、弱って眠れない人に用います。

・抑肝散(よくかんさん):やや虚弱な体質で、神経がたかぶっている人の不眠やイライラなどに用います。

 ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は効果が出ないだけでなく、副作用が起きる場合もあるので注意しましょう。

 漢方薬を購入する際は、できるだけ漢方に精通した医師、薬剤師にご相談ください。お手頃価格で眠りの悩みを改善したい人には、医薬品の漢方薬がおすすめです。

5. 生活習慣を整えて更年期の不眠を改善!

毎日の眠りを取り戻そう(写真:iStock)
毎日の眠りを取り戻そう (写真:iStock)

「えりのさん! 安眠のコツを教えてくれて、ありがとうございました」

 あつ子さんはすっきりした笑顔でえりのボスにお礼を言いました。

「不眠が更年期の影響かもしれないなんて、これまで考えたことがありませんでした。今まで、寝る前にスマホを見たり、土日に朝寝坊をしていたり……。安眠を妨げるような習慣を何となく続けていたので、今日からさっそく改めてみたいと思います!」

 えりのボスはうなずきながら、もうひとつだけアドバイスを加えました。

「不眠がすごくつらい場合や、生活習慣を見直しても不眠が解消しない場合には、無理せず婦人科や内科で相談するのも大切よ。悩みをひとりで抱え込まずに、医療機関で相談してみてね」

「わかりました」

 優しく笑って、えりのボスはあつ子さんを送り出します。いつの間にか、空は夕焼けの色に染まっていました。

「また気になることがあったら、サロンへいらっしゃい」

「はい!」

 あつ子さんは、笑顔でサロンを後にしました。

 空は夕焼け。あかね色。今日はあつ子さんがすっきり安眠できますように……そんなふうに願いつつ、夕焼け空を見上げたえりのボスでした。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 竹田由子

 元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

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