生理がなくなると本当にラクチン?
さて、診察が始まると先生が「うーん。これ、生理ですね。子宮口から出血してますよ」と。なんということでしょう。なんの前触れもなく、まったく時期外れの生理がきていました。普段ならひどい生理痛で気づくのですが、今回は少しも痛みがなく、生理とは露ほども疑わずにいました。当然ながらなんの処置もされぬまま、帰路につきます。
あぁ、これが人生最後の生理か。
これまでずっとずっと生理痛が重くて、鎮痛剤も1度に2錠も3錠も飲んで、痛みで吐いたり、のたうちまわったりしたものですが、人生最後の生理は、生理と気づかないほどなんの痛みもなく、ただ、さらさらと優しく血を流していました。
スピリチュアル的なものはあまり信じていない私ですが、このときばかりは自然と涙が出て、感傷的になったものです。これまで30年以上も付き合ってきた生理と子宮に穏やかに別れを告げられるよう、身体が計らってくれたのかなと思いました。ありがとう、私の子宮。
4年前にグレープフルーツ大の子宮筋腫が見つかったときも子宮全摘の選択肢があったけど、子宮を温存できるように筋腫のみを摘出して。そうしてこれまで守ってきたけれど、もうこれでさようならだね。ごめんね、病気になっちゃって。
慰めや励ましはときに残酷…
ところで、子宮全摘というと数名から「生理なくなって、ラクだね!」と言われたものですが、実際のところ、なかなかそうは思えないです。今でも、ドラッグストアの生理ナプキンコーナーを通ると「あぁ、もうこれ、私にはいらないもんなぁ」とちょっとさみしくなりますし、自分より年上の方が言う「もう私なんか(生理が)あがりそうで!」といった冗談にも、「もう私はあがってるもんな……」とチクッと胸が痛みます。
経産婦かそうでないかにもよるかと思うのですが、「生理がなくなってよかったじゃん!」みたいな慰めや励ましは、私にとって元気になれる言葉ではなかったです。
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