更新日:2020-01-12 05:19
投稿日:2019-08-14 06:01
解決したはずの夫の不倫疑惑。幸せな家庭を壊したくなくて、感情を押し殺してきた志穂さんも、嫌がらせ行為がエスカレートすると忍耐の限界を迎えました……。
卑怯な無言の示威行為に立ち向かう術も気力もなく
生活圏に入りこんできた不倫相手の影
ある日、郵便物を取り出そうと集合ポストの扉を開けると、水びたしの布がたくさん詰め込まれています。赤に紫にピンクに黒……おそるおそる指でつまんで取り出してみると、どぎついカラーのセクシーランジェリーでした。悪趣味な下着はすべて水びたしで、志穂さんの足元にも水がかかりました。「いったい誰がこんなことを……!?」、考えられるのは勇太さんの不倫相手しかいません。
おぞましさに震えが背筋を駆け上がり、忍耐が限界を超えました。触れるのもおぞましいそれらをポストに入っていたチラシの類いで包み、家に持ち帰ると、下駄箱の上に置いて勇太さんの帰りを待ちました。
初めて夫の前に苦しみを突き付けた夜
帰宅した勇太さんはすべてを察し、リビングに入るなり静かな口調で切り出しました。
「あれ、どうしたの?」
「わかんない。ポストに入ってたんだけど?」
「……たぶん俺のせいだと思う。ごめん」
「無言電話もだよね? これ、全部同じ人だよね?勇太さんにLINE送ってきてた人だよね!?」
「そうだと思う……志穂ちゃんを傷つけて、ごめん。こんなことになるんて、本当にごめんなさい」
――初めて夫を責め、初めて夫の口から詫びる言葉を聞いた夜でした。
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