フジ春の月曜ドラマは「楽しい」だけの局じゃないアピール? 小泉今日子×中井貴一の“軽”→北川景子の“重”の「二段積み」に透ける思惑
地上波GP帯の冬ドラマが次々と最終回を迎えている中、3月24日月曜日の時点でフジテレビ月9「119 エマージェンシーコール」が全11話中の第10話、月10 「秘密~THE TOP SECRET~」が全11話中の第9話と、もう少し続く。
「月9は3月31日、月10 は4月7日が最終回になります。従来なら3月最終週は期末特番を放送している時期ですが、1月27日に例の“フジ10時間会見”で放送が飛んだ影響です。フジが“絶好調”な時だったら、CMの売り上げが上がる期末期首だったんですが、今はそんな余裕はなく、特に月10はカンテレ制作ということもあってフジの都合で打ち切るわけにもいかない。年度をまたいでしまうことになりました」(テレビ誌ライター)
だからというわけでもないだろうが、この時期ネット上でささやかれることが多い《〇〇ロス》という言葉がネットであまり見られない。強いて挙げれば、3月16日に最終回を迎えた「ホットスポット」(日本テレビ)の《高橋さん》や《バカリズム脚本》ぐらいか。
「視聴率トップのTBS日曜劇場『御上先生』はキャラよりもストーリーにハマる人が多く、一部では《疲れる》なんて声もあったりして“ロス”という雰囲気はあまりなかったようです。他の作品もそれぞれ愛すべきユニークなキャラは登場していたのですが、深くハマってロスと言うほどでもなかったのかも」と語るのは、テレビコラムニストの亀井徳明氏。亀井氏は「全体的に見て“異能の人”と“家族”が今期の傾向だったように思います」と、こう続ける。
「特にフジテレビは月9『119』で“耳がいい”、火9『アイシー』で“カメラアイ”がありましたし、水10『問題物件』の“イヌガシラさん”も卓越した能力がある。この3人に加えて、月10『秘密』の“遺体の脳を見るMRI”を使えば、どんな難事件でも解決しちゃいそうな……でも、それぞれのエピソードの中で“親子”や“家族”の関係性についてしっかり描かれることがありましたね。木10『日本一の最低男』も“親子”について描かれることが多かったですし、その回は見応えがありました」
フジではないが、3月28日に最終回を迎える「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS=金曜夜10時)も、父親の死から始まるサスペンスだった。
「ドラマが人間を描く以上、どんなジャンルであっても“親子”や“家族”が描かれるのは当然なんですが、今期のGP帯では特に目立ったような気がします。そしてその傾向は、春ドラマでも続くでしょう」(前出の亀井氏)
カンテレ制作枠のフジ月10の春ドラマは、北川景子(38)主演の「あなたを奪ったその日から」。食品事故でわが子を失ったヒロインが、事故を起こした惣菜店の社長の娘を誘拐するという、サスペンスフルでありながら親子愛を描く物語のようだ。
「“考察”での盛り上がりも狙いつつ、子供や家族について考えさせる、といったところでしょうか。カンテレ制作らしい、人の心の機微を緻密に盛り込んだ作品になることを期待します」(前出のテレビ誌ライター)
フジ月9は小泉今日子(59)と中井貴一(63)の「続・続・最後から二番目の恋」。現在旧作を再放送中ということもあり、“軽妙”なコンビ復活に期待の声も高まっている。月9「軽」→月10「重」でドラマファンを狙い撃ち作戦か。全盛期の“軽チャー”路線を引きずってきたフジテレビだが、春の月曜ドラマ二段積みは「楽しい」だけの局じゃないアピールが透けて見える。
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