趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学
【あの有名人の意外な学歴】#3
趣里(俳優/34歳)
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父は大御所俳優の水谷豊(72)、母は元トップアイドルの伊藤蘭(70)。この親の七光ならぬ“十四光”を利用することなく、自身の実力だけでスターダムに駆け上がった趣里(34)。結婚話も浮上している朝ドラヒロインはいくたびも試練を乗り越えてきた。
4歳でバレエを始めた趣里は次第にプリマバレリーナを夢見るようになる。小学5年生の時、くるみ割り人形の主役を演じると、夢を現実にするべく行動を起こす。練習により真剣に取り組むようになり、英語の勉強にも力を入れる。中学を卒業と同時に渡英。名門のバレエ学校に留学した。
練習に励む趣里を突然の悲劇が襲う。アキレス腱断裂と足首剥離骨折という大ケガに見舞われたのだ。帰国しリハビリを続ける間に高卒認定試験(旧大検)にチャレンジ。大学入学資格を取り、一般入試で明治学院大文学部芸術学科に進んだ。
「文学部の中でも特に人気の学科。演劇身体表現といった専門コースもあり、役者志望の学生も多い」(芸術学科OG)
■父・水谷豊は大学受験に失敗
大学受験といえば、父の水谷も深い因縁がある。テレビの中で人が動くのが不思議で、この箱に入ってみたいと12歳の時、児童劇団に所属する。2年後、手塚治虫原作の連続ドラマ「バンパイヤ」(フジテレビ系)のオーディションを受け主役に抜擢。高校1年の秋から翌春まで放送は続いた。当初の目的を果たし、やりきったと感じた水谷は劇団を辞め、大学受験を目指した。「特に数学はよく出来たと聞いている」と話すのは水谷が通った私立大成高校(東京・三鷹市)の元教員だ。
しかし、受験に失敗。自信があっただけにショックだった。傷心の水谷は家出。たどり着いた山中湖のレストハウスで住み込みで働かせてもらう。2カ月後、自宅に戻った水谷に再び、テレビから声がかかる。芸能界に復帰する気はなかったが、アルバイトのつもりで出演した。その後、萩原健一主演の「傷だらけの天使」(日本テレビ系)に起用された。そして26歳の時に始まった「熱中時代」シリーズ(同)で主役を務め大ブレークを果たす。「どんなにスターになっても俯瞰で自分を見られる人」と評するのはベテランの芸能記者だ。
「冷静すぎるところが欠点かもしれない。前の奥さんのミッキー・マッケンジー(「熱中時代・刑事編」で共演)に対しても、日本で一緒に住もうとは強く言えず、別居が続き離婚することになった。相手任せなんです。娘の趣里に対してもそういうところがある」
自身で道を切り開く趣里に、水谷は決して干渉しようとはしなかった。明治学院大に通いながらも、まだバレリーナへの道をあきらめていなかったが、医師から「以前のようには踊れない」と宣告され未練を断ち切った。将来を模索する中、軽い気持ちで演技学校をのぞくと、すっかりその魅力にはまった。「3年B組金八先生ファイナル」(TBS系)のオーディションに合格。「娘の芸能界入りには反対だったようですが、水谷は口を出さなかった」(前出の記者)という。以降も次々に仕事が決まり、大学は中退。女優として羽ばたいていくことになる。
(田中幾太郎/ジャーナリスト)
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