「結婚して家庭」はステレオタイプでは?
平手と白石、同じ週に放送された番組で似たような指摘を受けるも異なる反応を見せた。もちろん19歳の平手と28歳の白石では状況が違うだろう。いずれにしても、女である筆者が敏感すぎるのかもしれないが、「結婚して家庭に入るのでは」との指摘はずいぶんステレオタイプな考えにも感じられた。
ただ白石の場合は、占い師の決めつけではなく、彼女の生い立ちや考え方を聞き出した上で導き出した指摘に見えた。28歳の女性が自ら結婚について質問してきたら、「30歳くらいで結婚したいのだろうな」と誰でも察しがつくだろう。
その上で白石本人が激しくうなずき、「結婚したら家庭に入りたい」との願望を明かしているのだから、本人の幸せを考えればその背中を押すことは占い師という職業上、無理からぬことだ。
平手友梨奈が男性だったら…
平手の場合は前提として、岡田、志尊と映画撮影以来1年以上、3人で兄妹のように仲良くしてきたことが本人たちより明かされている。岡田も全く他意は無かっただろう。しかし、平手が男性だったら、“(同時には)ひとつのことしかできない”という印象から「結婚してお父さんになったら、より一層仕事を頑張りそうだね」と言っていたのではないか。少なくとも男性俳優に「結婚したら仕事を辞めて『お父さんです!』みたいになりそう」とは言っていないだろう。
内閣府男女共同参画局によると、1980年代には専業主婦世帯が共働き世帯のおよそ2倍であったのに対し、2018年にはその逆で共働き世帯が専業主婦世帯の2倍になるなど、共働き世帯は増加の一途をたどっている。出産を機に芸能界を引退した堀北のような例もあるが、女性は結婚して家庭に入ることが当たり前、という世の中ではなくなっている。
もちろん、平手本人が白石のようにそれを望んでいるのなら彼女が選ぶ人生を応援したい。しかしまだ19歳の平手があまり納得のいっていない、少なくとも考えが整理できていないような反応をしていた以上、それを察してあげて欲しかったとも思う。
平手自身の意見がないままに
岡田の発言が前時代的であるとの声は、ネット上を見ても極めて少数だった。それ以上に、番組全体を通して平手の無邪気で楽しそうな表情を引き出してくれた芸能界のお兄ちゃん2人への感謝で溢れていた。筆者も3人の仲睦まじい姿を観るのが大好きだ。岡田の発言も平手が仕事と子育てを同時に抱え込んで苦労しないように、との優しさから出たものかもしれない。そうであるとして、番組の最後の話題で「平手は結婚したら専業主婦」と説き伏せられた後、彼女自身の意見もないままに終わる番組構成の方に問題があったかもしれない。
ただ平手にはたくさんの大人の意見に触れて見識を広めて欲しい。例えば、平手が初出演にして初主演した18年の映画「響-Hibiki-」で共演以来、現在も交流のある北川景子(34)。彼女は16年に結婚し、昨年9月に第一子を出産後、わずか2カ月足らずで仕事復帰をし、第一線で活躍し続けている。
敬愛する北川景子が平手の芸能活動の指針に
18年12月に平手が日刊スポーツ映画大賞新人賞受賞した際には、北川が平手に、グループ活動で疲弊していることを思ってか、「息抜き程度でもいいから、(映画の現場に)来なよ」と声をかけていたことが明かされており、北川は平手の芸能活動の指針にもなっているはずだ。
19年8月発売の「別冊カドカワ」で北川は、平手とは毎日連絡を取り合い姉妹のような関係だとし、次に平手が映画をやることになったらワンシーンでも出たいと語っていた。その言葉通り、今月22日に公開となった平手映画出演2作目の「さんかく窓の外側は夜」にも短いシーンのためだけに“友情出演”のような形で参加している。
そんな平手への情に厚い北川のことだから、働き続けるにしても、そうでないにしても、平手が望む道を自分で切り拓いていけるように指南してくれているだろう。
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