相葉は低視聴率男?「VS魂」苦戦と「相葉マナブ」大躍進の訳

こじらぶ ライター
更新日:2021-04-24 06:00
投稿日:2021-04-24 06:00

自然や生産者へ敬意をはらう相葉

 さらに、穴の奥でセミの幼虫を見つけた相葉が地上で待機している澤部の足元にそれを置き、驚かせる。作業の邪魔、などとはせず「他のところに埋めてあげて!」と小さな命に対しても優しさを見せる。

 マスクをしながら息を切らせ、シャツにも頭にも土を被りながらの重労働。他の植物の根や大きな石などが絡み合い、過去最大級の自然薯掘りは至難の連続だった。それでも相葉は、「でも楽しいな。自然薯が高い理由がわかる」と笑顔で自然薯を生産する人々の労をねぎらう。

 想定していた1時間を優に超え、3時間以上経ち、ロケ先の滞在期限が迫る。この道50年の名人・高橋さんが「最近こんな長いの見たことない」と思わず、掘り起こし中の自然薯を写メするほどの難航ぶりだったが、いよいよ自然薯の最深部に相葉が到達。最後は相葉が根本を支えつつ、穴の上から澤部と小峠が自然薯の上部を土から剥がしていくが、折ってしまったらここまでの苦労が水の泡となる。

 小峠が自然薯周りの土を削るとそれがボロボロと相葉の頭にかかり、「ごめん、ごめん!」と謝ると、冒頭の「俺のことなんて何も気にしなくていい! 何にも気にしないで俺のことは!」という言葉を相葉が力強く放った。

さんま、有吉に続いて「相葉」の快挙

 お笑い芸人とか、国民的スターとか関係なく、同じ目的達成のため苦労を共にした3人、名人、スタッフ。全ての人の想いが乗った巨大自然薯はついに大地から掘り起こされた。「取れたー!」と全員でしっかりと握り掲げた自然薯は、全長154㎝と過去の記録を大幅更新する大物だった。

 最後はそれを擦って食し、「うまい! 頑張って良かったー!」「自然薯史上1番疲れた、3時間半だよ!」と達成感に満ちていた。この感動巨編は視聴率12.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出し、週間TV視聴率ベスト30に3週連続ランクインと記録を更新。同ベスト30にはNHK朝ドラや大河、世界フィギュア中継などに交じりながら、タレントの冠番組は上から「さんま」「有吉」と「相葉」、その少し下に「鶴瓶」と4つのみ。そうそうたる大御所の中、アイドルでたった一人ランクインしているのが相葉なのだ。

「VS魂」苦戦の理由は番組編成

 他の嵐後続番組と違い、「相葉マナブ」はひたすら相葉が映り続ける。周りの演者との心地良い掛け合いもありつつ、相葉の人柄の良さ、懸命さ、前向きな姿勢が自然と伝わってくるものだ。“相葉が低視聴率連発”などというのが間違いであることが分かる。

 たしかに「VS魂」は苦戦しているが、それは相葉のせいではない。新レギュラーにはジャニーズの後輩を売り出すために、バラバラのグループから5人が選ばれた。“5人で1つ”だった嵐と比べればお茶の間への浸透度は低く、寄せ集め感は否めない。この急造チームに毎週違う助っ人ゲストも加えられ、その上で番宣のために集まった俳優陣と新しくなった数々のゲーム対決をする、ととにかく番組編成がごちゃごちゃしている。

数字を持っている男

 相葉はレギュラーメンバーとご飯に行き、結束を固めることを希望しているが、このコロナ禍で叶っていないようだ。それでも相葉のMC自体は活気に溢れ、後輩を引き立てる愛あるいじりや、バラエティー慣れしていない俳優陣へのフォローなど随所に彼の良さが出ている。

「VS魂」復活のためには性急に結果を求めず、じっくり腰を据えて、相葉がチームを一つにまとめるのを待ってあげて欲しい。彼自身は数字を持っている男なのだから。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


早くも“NHK御用達俳優”の片鱗が?「虎に翼」出演の岡部ひろきはそんじょそこらの2世俳優とは違う
 1日放送「ダウンタウンDX」(日本テレビ系・読売テレビ制作)に故・西城秀樹さんの息子・木本慎之介(20)が出ていました...
なぜ令和ロマンは賞レースに出続ける?3冠制しヘイトも無視する戦闘力
 芸歴10年以下のお笑い賞レース「ABCお笑いグランプリ」(テレビ朝日系/以下ABC)が7月7日に開催。M-1に続き、令...
帽子田 2024-08-03 06:00 エンタメ
航一の秘密、明かされる。久々の回想シーンでも発揮した直道の顔芸パワー
 判決後、涼子(桜井ユキ)の店で寅子(伊藤沙莉)らと杉田(高橋克実)たちは偶然顔を合わせる。  戦争で娘と孫を亡く...
桧山珠美 2024-08-02 16:00 エンタメ
【写真特集】ワンピース姿を披露する、珍しく清楚なあやまん監督
【この写真の本文に戻る⇒】 【独自レポ】あやまんJAPANは健在だった! Tバックにぽいぽいコール、コンプラ無視の危ない...
優未の言葉「困っている子を助けるのは普通」に教えられた真っ当なコト
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、涼子(桜井ユキ)の店がたびたび嫌がらせを受けていたことを知る。警察に相手にされず...
桧山珠美 2024-07-31 16:30 エンタメ
赤いミサンガの女・美佐江、来た~!“放置エピソード”の回収がお見事
 寅子(伊藤沙莉)と優未(竹澤咲子)の姿を見ていきなり号泣した杉田(高橋克実)。実は杉田は昭和20年の長岡空襲で娘と孫を...
桧山珠美 2024-07-29 16:45 エンタメ
目黒、ニノを“沼落ち”続出の松村北斗「西園寺さん」が猛追!視聴率やTVerではない意外なデータが急上昇
 7月も後半に入り、2024年夏期主要ドラマの初回がほぼ出揃った。その中でも特に、STARTO ENTERTAINMEN...
こじらぶ 2024-07-27 06:00 エンタメ
「ごめんなさい」を連呼する航一。“戦時中の何か”は来週判明する?
 玉(羽瀬川なぎ)の将来を奪ったのは自分だと、涼子(桜井ユキ)も悩んでいた。寅子(伊藤沙莉)は2人の決断を応援するため、...
桧山珠美 2024-07-29 15:49 エンタメ
涼子さまの消息も明らかに…「ヒロインじゃない面々」のその後を描く意味
 寅子(伊藤沙莉)は「学校に友達はいない」という優未(竹澤咲子)の発言が気にかかる。  出勤すると、杉田(高橋克実...
桧山珠美 2024-07-23 15:45 エンタメ
夏ドラマ何見てる?『新宿野戦病院』『ブラックペアン2』への本音を調査
 2024年7月スタートの夏ドラマが出揃ってきましたね。今期もたくさんのドラマが放送していて、どれを見ればいいのかわから...
“カウンセラー”星航一(岡田将生)、ちぐはぐぶりがチャーミングだった件
 父親の話が聞きたいと言う優未(竹澤咲子)に、寅子(伊藤沙莉)は優三(仲野太賀)の話をすることができない。寅子は航一(岡...
桧山珠美 2024-07-18 15:50 エンタメ
なぜ塚地武雅、藤井隆はドラマ出演が続く? 不人気芸人との決定的な違い
 7月に入り、2024年夏の新ドラマが次々にスタートしています。なかでも話題になっているのが、宮藤官九郎脚本の『新宿野戦...
高橋克実「ショムニ」超えの名演技に注目!歴代朝ドラで舌打ちといえば…
 山の境界線をめぐる現地調停で書記官の高瀬(望月歩)と申立人の森口(俵木藤汰)との間にトラブルが発生。寅子(伊藤沙莉)も...
桧山珠美 2024-07-17 15:30 エンタメ
木村拓哉は逆に演技がうまい! わざと「いつもキムタク」を貫く役者魂
 最新主演ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)が高視聴率でフィニッシュし、かつての人気ドラマの映画版...
堺屋大地 2024-07-17 06:00 エンタメ
【写真で振り返る】『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3の名場面
【この写真の本文に戻る⇒】我々は何を見せられていたのか…さよなら『バチェロレッテ・ジャパン』S3
我々は何を見せられていたのか…さよなら『バチェロレッテ・ジャパン』S3
 毎週木曜日のお楽しみ『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3がついに完結しましたよ!