アラフォー妻の告白 「既婚者合コン」で夫以外の男性に… #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-05-28 12:16
投稿日:2021-05-28 06:00

「女」として扱ってもらえる喜び

リップサービスだとわかっていても(写真:iStock)
リップサービスだとわかっていても (写真:iStock)

――続けてください。

 全員がそろうと、主催者の簡単なあいさつの後、「5分間の自己紹介タイム」でした。

 長テーブルをはさんで男性陣と女性陣が向かい合わせになり、5分経ったら男性のみが一席横にずれるというものです。平日の夜7時がスタートでしたから、男性の多くがスーツ姿のビジネスマンでしたね。女性陣は地味な主婦系の方と、清楚な奥様系、美魔女などもいたかしら。

 話してみると、男性は口下手で内気なタイプと、いかにも女性慣れしているタイプに二分されていたでしょうか。当然ながら、トーク上手だったり、私のグラスが空くと『お酒、頼みましょうか?』などと気遣ってくれる男性のほうが好感が持てるんです。

 あとは、リップサービスと分かっていても『おキレイですね』『スタイル抜群ですね』『ウォーキング講師なんてすごいなあ。僕も習ってみたいですよ』なんて言ってもらえると嬉しいものですね。私を『女』として扱ってもらえることに、心が浮足立ちました。

48歳の銀行マンとの出会い

欲しい言葉をくれる(写真:iStock)
欲しい言葉をくれる (写真:iStock)

――続けてください。

 フリータイムでは、自由に歓談できるんです。私の知人女性は会場入りした時に話しかけていた男性と、バルコニー席でいい雰囲気でした。時々ボディタッチなんかもしているし『これ、本当に既婚者合コン?』と思えるほど大胆だったでしょうか。

 でも、周囲を見わたすと、手を重ね合ったり、寄り添っている男女もいるんですよ。旦那さまや奥さんが見たら、怒り心頭(笑)

 私は自己紹介タイムの際、宝塚歌劇の話で盛り上がった銀行マン・Aさん(48歳)に『I子さん、良かったらもっとお話ししませんか?』とお誘いを受けたので、彼と一緒にペア席に座りました。

 よくよく話すと、彼も友人に誘われて初参加だそうで、『初参加同士、よろしく』とワインで乾杯しました。

 銀縁のメガネとネイビーのスーツが似合うエリート銀行マンという印象でしたが、生まれが関西でギャグも交えながら笑わせてくれるんですよ。そして時々、私の目をじっと見つめて『あかん、惚れてもうたかも』『今日はほんまに(合コンに)来て良かった』なんて言うんです。

 標準語も話せるのに、照れた時だけ関西弁が出たり、くしゃっと笑う表情も萌えポイントでした。夫はもう私を女と見てくれないけれど、Aさんは「キレイだ」「ステキだ」「セクシー」など私の欲しい言葉をくれる――気づいたら、胸の奥がキュンとしていたんです。私、その時点でトキめいていたのかも」

パーティーの後は夜の街に

知人女性は2人で消えていった(写真:iStock)
知人女性は2人で消えていった (写真:iStock)

――続けてください。

「パーティがお開きになって、知人女性を探していたら『I子さーん、私は彼と二人でデートしてくるから、またね』と、ウィンクをされました。デート?と訊く間もなく、件(くだん)の彼と腕を組んで夜の街に消えていったんです。

 時刻は9時半すぎ。娘さんをお母様に預けて、他の男性とデートだなんて……と、心の中でツッこんでいましたよ。でも周囲では『二次会行く人はここに集まってくださーい』と言う声も聞こえてきて……皆、まだまだ帰りたくなさそうでしたね。

 そんな時、Aさんが歩み寄ってきて『I子さん、この後はどうされます?』と訊いてきたんです。私が返答に迷っていると、『迷惑じゃなければ、1時間……いや、30分でいいから、二人きりで呑みませんか?』と誘われて……」

 続きは次回。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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