“授かり婚”からわずか2年…スピード離婚した30代女性の場合

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-07-20 06:01
投稿日:2021-07-20 06:00
 長引くコロナ禍では「コロナ離婚」と呼ばれる不測の離婚に至った夫婦も珍しくなくなっています。これまで水面下に問題を抱えていた男女ほど、コロナ禍によって問題があぶり出され、その結果として別々の道を歩む選択を迎えているのも現実です。
 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とするメンタル心理カウンセラーの並木まきが、コロナ離婚を経験した人たちにその実態を聞くこの連載。今回は、夫への愛情が冷めた気持ちをひょんなことから確信した30代女性の離婚事情に迫ります。

夫の存在意義に疑問

 Yさんは、30代前半のシングルマザー。子どもは2歳で、今は実家で両親とともに子育てをしています。コロナ禍に突入してまもなく、授かり婚で結婚2年目を迎えていた夫と離婚しました。

「コロナ禍になったことで、夫の存在意義が見えなくなったのが、離婚における最大の理由です。

 妊娠中からほとんどサポートもしてくれず、稼ぎも年齢のわりには少なめ。家事もほとんどできず、休日は家でグータラと寝ているだけの夫でした。どこかに出かけようと言っても『めんどくさい』『疲れてる』としか言わない人で……。それでも、子どもにとっては、こんな父親でもいないよりはマシなのかな…って思って、我慢して一緒にいました。

 ところが、コロナ禍になってから、あるときに久しぶりに夫から求められたんですけど…、その瞬間に『この人と密着なんて絶対に無理!』『もしもこの人からコロナを移されたら、とんでもない!』って思っちゃったんですよね。

 それで、その日を境に『もう、離婚したほうがいいんだろうな』という考えが強くなりました。

経済的には不安だけれど…

 離婚を現実問題として考えたときに、Yさんが最も不安視したのは経済的なことでした。Yさん自身も仕事はしていたものの、収入はあまりよくなく、ひとりで子どもを育てていくには不安があったそう。

「それで、もっていたけれど活用できていなかったコンピューターの資格を活かして、就活を始めました。幸いなことに、すぐに転職先が見つかり、それまでの仕事よりも高収入に。それで自信がついたこともあって、離婚に向けて気持ちが固まりました」

 まだ子どもが小さいため、将来どうなるのか、自分の収入だけで本当に育て上げることができるのか不安がないわけではないそうですが、愛情が冷めた夫と共同生活を送り続けるのが苦痛である以上、新たなスタートを切るほうがいいと判断したYさん。

 新たな職場はテレワークが基本なうえに今は実家で過ごせているので、仕事中は両親が子どもの面倒を見てくれるほか、自分自身も今までより子どもと過ごす時間が確保できていて、ホッとしているそうです。

コロナでなければまだ一緒にいたかも

「コロナ禍にならなければ、どうなっていたかって? 

 多分ですけど、まだ前夫と一緒にいたと思います。不満はあったけれど、一緒にいる時間はそこまで多くなかったので、今ほど元夫への嫌悪感も抱かなかっただろうし。

 だけど、遅かれ早かれ離婚をしていたとは思うんですよね。だって、一緒に生活する意味がないって思うほど、何もしない夫でしたから……」

 ◇  ◇  ◇

 コロナ禍は、潜在的に存在していた男女の問題を、残酷とも言えるまでにあぶり出しています。異常事態でありながらも、ニューノーマルでもある今のご時世には、これまでとはまったく異なる男女模様も散見されます。コロナ禍によって、男女の恋愛観や結婚観も大きく揺らいでいるのが現実なのではないでしょうか。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


つらすぎる!「40代の大恋愛」が終わっちゃった…別れた後の“ズタボロ”はどう癒せばいい?
 40代で失恋するのは、心身ともにとてもつらいものですよね…。今回は40代の失恋にありがちな別れの理由や、立ち直り方をご...
恋バナ調査隊 2025-04-25 06:00 ラブ
えっ、そんなことで? 勝手な男が語る「飽きる女」の特徴。尽くすのは勘弁…とか何様だよ
「付き合ってもすぐフラれる」「好きな人といい感じになっても連絡が途絶える」と、恋愛が長続きしないことに悩む女性は男性にす...
恋バナ調査隊 2025-04-25 06:00 ラブ
20代イケメン先生めぐりママたちが壮絶バトル…いまやPTAの係決めは新学期の風物詩に
 新入学や新学年の季節。子どもたちも新しい環境で張り詰めている時期ですが、そのウラで保護者のPTA役員決めの熾烈な争いも...
内藤みか 2025-04-24 06:00 ラブ
値上げラッシュで恋も砕けた… 物価高のせいで終わった恋愛エピソード。一方、得したことも?
 どこも値上がり、値上がりで勘弁してほしい! その物価高は、恋愛にも大きく影響しているのだとか…。悲喜こもごもなエピソー...
恋バナ調査隊 2025-04-24 06:00 ラブ
私はATMだった…彼が「お金目当て」と気付いた残酷な5つの瞬間。あんなにラブラブだったのに!
 世間一般的に、お金目当てで異性に近づくのは女性の方が多いと思われがち。でも、実際はお金目当てで女性に近づく男性ももちろ...
恋バナ調査隊 2025-04-23 06:00 ラブ
期待した私がバカだった…特別な日の「がっかりデート」体験談。私服に秒で蛙化、パチ屋で待機ってアリ?
 気張ったバレンタインデーの1カ月後にやって来たホワイトデーのデートに心躍らせていた女性もいるはず。でも、予想外のデート...
恋バナ調査隊 2025-04-22 06:00 ラブ
女をダメにする「メンヘラ製造機」男のヤバすぎる6つの特徴。当てはまったら即逃げて!
 不安が爆発して泣きじゃくったり、ヒステリックになって彼を追い詰めたりする、精神的に不安定なメンヘラ女は男性に敬遠されが...
恋バナ調査隊 2025-04-21 06:00 ラブ
「許されたとばかり…」10年前の浮気で離婚宣言された48歳男の遅すぎる後悔
「冷酷と激情のあいだvol.242〜女性編〜」では、夫の浮気を10年許すことなく、ついに離婚を切り出した美幸さん(仮名)...
並木まき 2025-04-19 06:00 ラブ
「10年前から決めていた」夫と不倫相手の妊娠騒動を耐えた45歳女の復讐
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-04-19 14:52 ラブ
おいおい…既婚者からLINEで告白、どうかわす? NG返信で1つですべてを失うかも!
 既婚者にLINEで「好き」と言われたら、どう返信するのがよいのでしょうか?  実際に経験がある女性たちにやりとりを見...
恋バナ調査隊 2025-04-19 06:00 ラブ
「女は求められてなんぼよね」還暦女とも男女の仲に…若旦那を共有するセレブ妻らの同盟 #3
 静香さん(35歳茶道講師/既婚子供アリ)は、祖母、母と3代にわたり、都内の邸宅で茶道教室を開いている女性だ。彼女は懇意...
蒼井凜花 2025-04-18 06:00 ラブ
会えなくて不安…彼と休みが合わない問題、どう乗り越えた? 長続きカップルに聞く秘訣
 休みが合わないカップルは、寂しさや不安が膨らんだり、相手への気持ちが分からなくなったりしがち。ただ、長く順調に付き合っ...
恋バナ調査隊 2025-04-18 06:00 ラブ
専業主婦なんてもってのほか! 正社員じゃなくなった途端、モテなくなっちゃう婚活の超リアル
 正社員の時には、婚活アプリに男性からのアプローチがたくさん届いていた……それが退職して無職になった途端、激減したという...
内藤みか 2025-04-17 06:00 ラブ
夫の育成に失敗した女たちの悲劇。「門限0時」に設定したら帰ってこなくなっちゃった!
「夫にはこうであってほしい」と、夫の育成を試みる女性もいるのではないでしょうか? でも育成方法を間違えると、自分で自分の...
恋バナ調査隊 2025-04-16 06:00 ラブ
「もう向き合う気力もない」夫婦のセックスレスに疲れました。自分を守るたったひとつの方法は?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  セックスレスや夫...
豆木メイ 2025-04-15 06:00 ラブ
「GPSアプリ入れて」と要求されたらどう思う? アラサーアラフォー世代の男性のホンネ
 相手がどこにいるのかリアルタイムで把握できるGPSアプリ。若いカップルの間では利用している人が少なくないようです。 ...
恋バナ調査隊 2025-04-15 06:00 ラブ