40代エリート男性の告白~「夫婦交換」という愛のカタチ#6

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-08-06 06:00
投稿日:2021-08-06 06:00

女性の手で絶頂を迎えた妻

――続けてください。

「何が行われるかは明白でした。

 奥さんは、自身の中指と薬指を口に含んで唾液をたっぷりまぶすと、U子のヴァギナをさすりだしたんです。クチュ……と粘ついた水音が響きました。

 どのように触れているのかは、僕の位置からは見えませんでしたが、U子は『ああっ……』と小刻みに尻を震わせて、湿ったあえぎ声を漏らしていました。

 奥さんはしばらく手指で、U子の女性器を弄っていました。『すごく濡れていますよ。感じやすい体……』と目を細め、股間に顔をうずめたんです。

 次の瞬間『あううううっ!』とひときわ大きい悲鳴が聞こえてきました。

 U子の悲鳴です。しかし、それはとてつもなく甘さを滲ませていました。

 妻はクンニリングスをされて、身悶えているんです。

 興奮のせいか全身をまだらに染めて、腰を震わせていました。目を凝らすと、U子は腰を奥さんの顔に押し付けていて……。
『あ……いい……いいですっ』と、奥さんの舌づかいに耽溺しているのが察せられました。

 そのうち、奥さんは舌とともに、指も駆使してU子をあやし始めたんです。

 おそらくですが、クリトリスを弾いたり、手首のスナップを効かせてGスポットを責めているのでしょう。

 ペニスとは違う女性ならではのツボをついた愛撫に、身を波打たせながらヨガリ泣いていました。

 やがて、奥さんは『ご主人も見ているわよ、このままイッて欲しいわ』と、愛撫の力を強めたのが分かりました。

 やがてU子は『ああっ、イキます……イク……ッ!』とガクガクとのけ反って、絶頂を迎えたんです。レズビアンの悦びを知った瞬間でした」

性に目覚めた妻…そして新たな問題が

――大変濃厚なひとときでしたね。

「はい、最初こそ戸惑っていた様子でしたが、同性に愛される悦びを得て、レズビアンにも興味を持ったようです。あれ以来、レズビアンをテーマにした映画のDVDを楽しんでいるようですから」

――現在はどのような夫婦関係でしょうか?

「倒錯的なひと時を経験して、僕たちは再び愛し合うようになりました。

 二人でお風呂に入って、ベッドルームに行ってね……。挿入中、『夫婦交換の時のU子は淫らで素敵だった……』と言うと、すごく興奮するようで……セックスのたびに思い出させています(笑)

 しかし、問題も出てきたんです」

――問題、ですか?

「はい。妻のU子が『アナタとのセックスも素敵だけれど、また夫婦交換を楽しみたいわ』と言うようになったんです。

 それだけじゃありません。『女性同士でも、もっと深く悦びを分かち合いたいの』と、レズビアンまでねだるようになって……。

 妻が性に目覚めてくれたのはこの上ない喜びですが、同時に『様々な性的プレイに興味を見出し、奔放になったら、果たしてついていけるだろうか』とも思えてしまって……(笑)。

 ただ、あの目くるめく一夜のお陰で、僕らの人生は変わりました。さらに性を謳歌し、悔いのない人生を送りたいと妻と話しています」

性的なことから目をそらさない

――今回、率直に誠実に夫婦の性を語ってくれたWさんは、最後にこう話してくれました。

「夫婦の在り方に正解はありません。しかし、壁にぶち当たった時、『目を背けない』ことは大事でしょう。日本人は性的なことを『秘め事』と隠すふしがありますよね。特に、女性が性的に奔放になるのを『ふしだら』と言う時代錯誤な人も多い。しかし、今は令和です。古き悪しき風習を引きずらず、人間として素直に生きれば、さらに豊かな人生が待っていると感じます」

 夫婦の問題に真正面から向き合ったWさんの表情は、自信に満ちていた。  了

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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