私のお金が目当てだった…ヒモ気質の夫と決別した女性の事情

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-09-03 06:00
投稿日:2021-09-03 06:00

言うことだけは立派だったけど…

 新婚当初から、夫から渡される生活費は月に10万円。40代半ばの夫が家庭に入れる額としては少ないと感じながらも、自分のほうが夫より稼ぐKさんは「まぁ、いいか」と思っていました。

「けれど、言うことだけはご立派なのが、新婚当時から気になっていました。過去に投資で1,000万円を一瞬で損したとか、以前住んでいたマンションは現金一括購入したものを売ったとかって話すんですけど、話のスケールのわりに金銭センスが伴わないのが気になっていて。

 大きなお金を思い切って動かす人って、特有のオーラというか経験値みたいなものが振る舞いや会話から出ると思うんですけど、夫にはそれがなかったんです」

 とは言っても、過去のことなのであまり気にせずにしていたとのこと。しかしコロナ禍に入って、いよいよ夫の本性が露呈され「別れるなら、今のうちだ」とKさんは確信します。

義母の電話で分かった夫の本性

「たまたま義母と電話で話したときに、夫がこれまでの人生において、いかにお金にルーズな人なのか、さらには何人もの女性と“ヒモ”のような暮らし方をしてきていたと知ったのです。

 投資にしてもマンションのお金にしても、全部実家のお金で、夫は大金が必要になると義母に泣きついて用意してもらっていたのでした。そして、私と結婚するまでは多くの女性のお金を目当てに転々とするような男だったから、私と結婚して落ち着いてくれたのが嬉しいと義母がポロッと言ったのが、離婚を決意したきっかけです」

 義母は、夫の過去を暴露するつもりではなく世間話として話していたようだったもののKさんにとっては離婚を決めるのに十分な材料でした。実は、Kさんの実家は資産家でもあり、そのことも夫との離婚を決意する理由のひとつでした。

「このまま夫と結婚していたら、私の実家の資産も、もしも私が夫より先に死ねば全部夫のものになってしまうのを避けたくて。義母から聞いた話や、そこまで夫と暮らしてきて私が見てきた夫の行動の数々は、私が彼に不信感を抱くのには十分すぎましたね」

お金の話になった途端、離婚を承諾

 離婚を切り出すと、夫はかなり渋ったそう。しかし話し合いのなかで「お金目当てなんでしょう? わかっているんだけど」とハッキリと告げてからは、あっさりと離婚を認めたそうです。

「夫が離婚を渋ったので、“じゃあひとまず、事実婚に格下げしましょう?”とか“法律上の夫婦で居続けるなら、相続放棄の手続きをとってもらいたい”など、いろいろ提案しました。夫は、最初は『愛しているから、絶対に離婚しない!』なんて言っていたけれど、お金の具体的な話になった途端に、あっさり離婚に承諾しましたね。

 要するに、本当にお金目当ての結婚だっただけみたい。

 コロナ禍でなくても離婚していたと思いますが、コロナ禍になったことによって、夫の本性をはっきり知ることができたのは、よかったと思っています。

 セコいヒモ気質の男性は、手強いですよ。日々の生活態度も、自分だけが得をしようと、とにかくセコいですから。だけど言うことだけは立派なので、まともに相手をしているとストレスでしかありません。

 コロナ禍になって夫の収入もどんどん減っていたので、あれ以上一緒にいたら、どれだけお金を狙われたかわかりません。いいタイミングで離婚できたと思います」

  ◇  ◇  ◇

 コロナ禍は、潜在的に存在していた男女の問題を、残酷とも言えるまでにあぶり出しています。異常事態でありながらも、ニューノーマルでもある今のご時世には、これまでとはまったく異なる男女模様も散見されます。コロナ禍によって、男女の恋愛観や結婚観も大きく揺らいでいるのが現実なのではないでしょうか。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


井桁弘恵は男友達と2人で旅行もオッケー。「男女の友情」がガチで成立する条件とは?
《恋愛のことも仕事のことも話せるのが男友達》――。モデルで女優の井桁弘恵(28)が、18日放送の日本テレビ系「踊る!さん...
パラサイト不倫2人目の“標的”はあの女のFB友達…40代婚活セミナー講師がもくろむ復讐プラン #2
 悦子さん(48歳婚活セミナー講師/既婚子供アリ)は「リッチな成功者の男性」「承認欲求高めのハイスぺ男性」としか不倫をし...
蒼井凜花 2025-03-03 19:08 ラブ
不倫相手と別れた後の女性心理。既婚女性と未婚女性、立場によっても違う
 不倫していた男性と別れた後、女性はどのような心理になるのでしょうか? 自身が既婚者なのか未婚者なのか、立場によって抱く...
恋バナ調査隊 2025-02-21 06:00 ラブ
Overアラサーが20歳代の年下男性に愛される理由…彼らにとって「収入」は二の次だった
 アラサー以上の女性が年下男性を好む傾向は前からありましたが、最近顕著なのは、20代男性がアラサー以上の年上女性を好むよ...
内藤みか 2025-02-20 06:00 ラブ
「風俗を使ったら、心ごと妻から離れてしまうかもしれない」。セックスレスに耐える30代男たちの悲痛な叫び
 今やネット・メディアを通してそのワードを目にしない日はないというほどに深刻な、日本のセックスレス問題。しかし当事者だと...
久留米あぽろ 2025-02-18 06:00 ラブ
身の毛もよだつ不倫の恐怖体験3話。あり得ないような“まさか”がある…!
 世の中には不倫に興味がある人もいるでしょう。でも、どんな事態になるのか、どんなリスクがあるのか深く考えずに突っ走るのは...
恋バナ調査隊 2025-02-17 06:00 ラブ
LINE見返しちゃうよ…「未練が残る曖昧な別れ」3選。駆け引きしたら負けた? それともすっきり?
 好きな人との別れはどんな形であれつらいですよね。中でも曖昧な別れは未練が残るもの。この世の終わり…などと感じる時間も長...
恋バナ調査隊 2025-02-16 06:00 ラブ
「実家から高い肉が送られてきた」のお誘いは警戒度MAXで! 異性と“2人きり”を回避する賢いお断りLINE3選
 フジテレビや中居正広さんの一件は、いろいろと考えさせられる機会となりました。そのひとつとして「お誘い」があった時です。...
恋バナ調査隊 2025-02-15 06:00 ラブ
「完全な独り身はしんどい…」人生初の不倫相手から別れ話に切り出され、動揺する離婚目前の43歳男性
「冷酷と激情のあいだvol.233〜女性編〜」では、同い年である既婚者のカズノリさん(43歳、仮名)と不倫関係にあるもの...
並木まき 2025-02-15 06:00 ラブ
「婚活歴10年の末に既婚男性と…」不倫相手の離婚までに確実に不倫を終えたい43歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-02-15 06:00 ラブ
【漫画】初デートで急変した彼。前髪ぱっつん女の意味深な一言は何?『ナチュラリストなモラハラ彼氏』#3
【『ナチュラリストなモラハラ彼氏~私の洋服、ゴミにされました~』あらすじ】  アパレルショップの店長として働く麻里奈は...
【漫画】毎晩してるけど付き合ってるよね?フル武装な私はバカみたい『ナチュラリストなモラハラ彼氏』#2
【『ナチュラリストなモラハラ彼氏~私の洋服、ゴミにされました~』あらすじ】  アパレルショップの店長として働く麻里奈は...
【漫画】名ばかり店長でババ引いた感。運命の彼とは出会った夜に…『ナチュラリストなモラハラ彼氏』#1
【『ナチュラリストなモラハラ彼氏~私の洋服、ゴミにされました~』あらすじ】  アパレルショップの店長として働く麻里奈は...
不倫相手は「承認欲求高めのハイスぺ男性」限定。パラサイト不倫を画策する40代婚活セミナー女性講師 #1
 数ある不倫でも「純粋な婚外恋愛」から「ビジネス成功の手段」と割り切る女性も多いだろう。今回取材に応じてくれたのは悦子さ...
蒼井凜花 2025-03-03 19:09 ラブ
子なしだっていいじゃない!幸せな夫婦のライフスタイルと必要な心構え
 同じ結婚でも、子ありか子なしかでライフスタイルは大きく違ってきますよね。家族が増える幸せもありますが、子なし夫婦ならで...
恋バナ調査隊 2025-02-14 06:00 ラブ
女5人が地獄を見た「人生最大の男からの裏切り」。恋愛、結婚、子ども、そして妹まで…
 あなたは男性に裏切られた経験があるでしょうか? 今回は“人生最大の裏切り”をテーマに、5人の女性に話を伺いました。
恋バナ調査隊 2025-02-14 06:00 ラブ