佐久間由衣×奈緒 運命の共演!<前>お互いの愛を伝え合って…

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2021-09-19 06:07
投稿日:2021-09-19 06:00

消化しきれない悲しさを抱えていても…

 ――では、本作の津村記久子先生の原作は読みましたか。

 佐久間 出演のお話しをいただいたときに読みましたが、もっと早く出会いたい作品だと思いました。日常生活で経験はしていますが、言葉にできない感情や、見過ごしていた自分のモヤモヤした感情が散りばめられている、素晴らしい作品でした。すごく読みやすい文体でページをめくる指が止まらないのですが、気づいたらとんでもないところに連れて行かれてしまっていた、という読後感なんです。鋭い視点で日常を捉えていて、鳥肌が立つ瞬間がたくさんありました。

 奈緒 私も出演のお話しをいただいたときに読みました。私が演じたイノギさん(猪乃木楠子)は過去に痛々しい経験をしています。由衣ちゃんが演じたホリガイさん(堀貝佐世)は自分自身に何かがあったわけではないですが、あるニュースを目にしてから、取り憑かれたように他者の痛みを自分ごととして抱えていきます。そして自分に自信がなく、何もできない自分を肯定できないんです。

 さまざまな物語で登場人物の過去にスポットライトを当てるケースはあると思いますが、実は周囲には大きな声では言えないけれど、自分の中で消化しきれていない悲しさを抱えている人はたくさんいるのでは、と原作を読んで感じました。ホリガイさんのような人はきっと、気づかなくても世の中に潜んでいるのではないかと。だから、ホリガイさんやイノギさんのような人たちに、「この“夜”を超えてほしい」という、強いメッセージを受け取った気がします。

 佐久間 寝る前に気分が落ち込んだときにこの小説を思い出すと、一度寝て、明日、朝日を浴びてから考え直そうと思えるというか。そうしたら、まだ自分が出会っていない“夜”を一緒に越えてくれる人と出会えるかもしれないと、明日への力を奮い立たせてくれる原作なんです。

スタントなしで挑んだ体当たりシーン

 ――作中では佐久間さん演じるホリガイが、体を張ってベランダ越しに下階に移動するシーンが印象的でした。あれは、スタントマンさんが?

 佐久間 いいえ。私自身が演じています。もちろんワイヤーをつけて安全第一で撮影しましたが、私は、高いところが大好きなので怖くなかったです。シリアスなシーンなので楽しかったというと語弊がありますが、集中力を発揮できました。

 ――奈緒さんはイノギを演じる際、ご自身が特技とするイラストを描くシーンがありますよね。

 奈緒 あれはもともと下絵があって、それを見ながら描きました。実際に色を塗りながら撮影したのですが、楽しくて没頭してしまいました。

学食でサバの味噌煮定食を…

 ――作品にちなんだ質問を。演じたホリガイとイノギは女子大生ですが、お2人は大学生活を経験していませんよね。大学生を体験できるならしてみてかったことは。

 佐久間 学食でのランチです。ずっと興味があって撮影中、お邪魔させていただきました。たしか食べたのはサバの味噌煮定食で、奈緒ちゃんに、「ホリガイみたいだよね」とメッセージと写真を送ったんです。夢が1つ叶いました。

 奈緒 サバの味噌煮定食って渋いですよね(笑)。私は大学生活に憧れて、高校を卒業してからよく、友達が通う大学へ遊びに行っていました。仲良しの友達が入っているサークルにも参加したことがあったので、イノギさんを演じたときは当時の記憶がよみがえりました。

 後編では、お2人のさらなるプライベートも深堀りします。

 ※『君は永遠にそいつらより若い』(吉野竜平監督)9月17日(金)より全国ロードショー。

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


今のキャバ嬢が30歳を迎えても「オワコン」じゃない理由
「キャバ嬢なんて若いうちだけじゃん。30代になってから後悔すると思う」  これが世間の、水商売やキャバクラ嬢に対する一...
認知症の介護って辛い? 介護士が教えるリアルな現実とは
 連日、高齢者ドライバーの悲惨な事故が後を絶ちません。高齢者の身体能力低下に起因する事故もあれば、認知症が原因となってい...
強い女性になるには? ポジティブ思考でいるための5つの方法
「強い女性」というと、どんな女性を思い浮かべますか? 気の強い女性? アスリートのような筋肉隆々の女性? って、違います...
がん→子宮全摘まで“カウントダウン1カ月”の記録<私生活編>
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
悟り世代“だら先輩”に学ぶ…今日も1日仕事中にダラけたい!
 この話は、働く女性の誰もが思い描く「仕事中はダラダラして、定時にさっさと帰りたい!」という願望を確実に実行し続けている...
妄想がバレた? スッと姿を消したクールな“にゃんたま”君
「にゃんたま」に、ひたすらロックオン!猫フェチカメラマンの芳澤です。  きょうは、キリっとした眼差しの美形にゃんた...
ピアノが弾ける子どもにしたいなら?知っておきたい親の心得
 子どもの習い事というと「ピアノ」というイメージがありませんか? 今も昔も、子どもにピアノを習わせたいと思う親は後を絶ち...
金運に効く最強の花とは? いつの世もそれがキニナルの巻
 いつの世も…女性は「占い」や「おまじない」、「厄除け」なんてちょっぴり「スピリチュアル」みたいなものに大変なご興味のあ...
都内にいながら温泉気分を満喫できるオススメの「スパ3選」
 なんだか最近疲れたなぁ……。なんていう時は、一人でぼーっとする時間も必要です。お休みを使ってゆっくり癒されてみませんか...
イケ“にゃんたま”に囲まれて…モテモテ女子も大変なんです
 きょうは大変です!  イケにゃんたまωωに迫られるモテモテ女子が困っちゃっています。  若くてちょっと強引...
5歳過ぎてもオムツがとれない…意外な“おねしょの原因”とは
「もう5歳なのにまだオムツが外せなくて」「小学校にあがってもおねしょしてしまうんです…」 思わず、えっ!! と驚かれるよ...
親の介護は家族総動員 あるある問題とその後にすべき行動3つ
 親の介護と聞けば、多くの人が不安を抱くはずです。「自分を育ててくれた親だけど……」と思う反面、親の介護をすることで自分...
我慢強いA型長女は返上! がんがくれた「キャンサーギフト」
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
父譲りの哲学“にゃんたま”を持つ「オペラ座」のクールな視線
 きょうはレアなツートンにゃんたまω。かっこいい見返り美男でドキッ!  タオマークの様にも見え、哲学さえ感じさせる...
ハート型で可愛い…アンスリウムは恋愛を具現化したような花
 だいぶ以前になりますが……ウチのお花屋さんに居た若い女性スタッフM子のお話でございます。  これがまた大変にブッ...
都会にいて幸せになれるの? 「田舎の女」が幸せな理由4選
 格差社会といわれる日本ですが、年収や学歴のみならず、都会と田舎の格差も広がっています。都会を生きる女と田舎を生きる女は...