いつでも堂々と…彼岸花が持つ美しさと強さ 2021.9.22(水)

コクハク編集部
更新日:2021-10-18 17:11
投稿日:2021-09-22 06:00

怪しい魅力の彼岸花

 9月半ばを過ぎ、家の周りで彼岸花を見かけるようになりました。

 川べりの草むらや、ちょっとした植え込みから顔をのぞかせる真っ赤な花弁。毒々しいけど繊細で、なんだかエロティックですよね。

彼岸花の名所「常泉寺」

 神奈川県大和市にある「常泉寺」は、そんな彼岸花の名所として知られています。

「かながわ花の名所100選」にも選ばれているそうです。

儚げな印象の白彼岸花

 筆者が訪れた日は、ちょうど、白い彼岸花が見ごろだということもあり、多くの人がカメラ片手に花を愛でていました。

 白い彼岸花は、赤い彼岸花と黄色い彼岸花の自然交雑種といわれ、繁殖力は弱いのだそう。たしかに儚げな感じですね。

 白い彼岸花の花言葉は「また会う日を楽しみに」「思うのはあなたひとり」だそう。なんか、健気……。

 境内には約6000株の彼岸花が植えられています。

 石仏のお顔も、お花を愛でているみたい。柔和な表情に見えます。

毒はあるけど…

 彼岸花の球根には、強い毒性のある「リコリン」という物質が含まれています。人間が誤食すると激しい下痢や嘔吐に見舞われ、場合によっては呼吸不全や痙攣といった症状を引き起こすことも。

 彼岸花が古くから田畑やお墓の近くに植えられてたのは、その毒性を利用して、モグラやネズミなどから作物やご遺体を守るため。また、江戸時代以前は救荒食物として食用されていたのだそう。球根にはでんぷんが多く含まれており、飢饉などの深刻な食糧難の際は、毒抜きをして食べていたのだとか。

何を言われたって気にしない

 人々の生活にそっとよりそってきたのに、彼岸花は「葬式花」「死人花」「地獄花」などの異名が……。また、花弁が炎に似ているため「家に持ち帰ると火事になる」なんていう迷信もあります。みんなもっと彼岸花に優しくしようよ。

 とはいえ、まっすぐに伸びた茎に大輪の花をつけた姿はやっぱり美しく、「周りの言うことなんて気にしなくていい」と元気づけられます。

 毒があろうと、忌み嫌われようと堂々と咲き誇る。そんな女性になりたいものです。

(編集K)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


動物は「あったかい場所」を見つける才能があるみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
私「復縁希望?」女友達「あと2年で吹っ切る」失恋かまってちゃんLINE
 失恋をして心が傷つくと、少しでも誰かに気持ちを聞いてもらいたくなるもの。  でも、あまりにしつこかったり、常識が...
キャンプより安近短なべランピング!楽しむコツ&それでも失敗したエピ
 空前のキャンプブームが到来していますが、やはりイチからキャンプギアを集めてテントを張って…となると、ハードルが高いと感...
見上げた青空が眼に染みて…1日に1回くらいは空を眺めてみる
 青空が眼に染みると思ったら、しばらく空を見上げていなかった自分に気が付いた。  うつむいて歩くのがクセになってい...
「俺のソーセージも試食して」じゃねえ! 40女の成人の日の思い出
 1月8日は成人の日。晴れ着やスーツに身を包んだ新成人たちの姿は、眩しいものです。  成年年齢が18歳に引き下げられま...
これって誘拐ですよね!? 遊んでいたら詰められた恐ろしいご近所トラブル
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
神秘的! 宝石のようなオッドアイの純白“たまたま”に幸福祈願
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「緑の黒髪」があるなら、白髪の“褒め言葉”は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
日本の美徳すごい!便器に汚物箱…海外で体験した考えられないトイレ事情
 日々の生活に絶対に欠かせないもの、「トイレ」。1日に何度も顔をあわせる存在ですが、実は国によってトイレの形状や使用方法...
2024-02-26 19:03 ライフスタイル
まるで宝探し!話題の木更津コンセプトストアでほっこりした男女の会話
 昨年6月、三井アウトレットパーク木更津(千葉)の隣にオープンした「木更津コンセプトストア」。サステナブルな社会を目指し...
「量と質」どちらを優先するか迷ったら経験値を振り返ろう
 大人になると「量より質」を意識する機会が増えますよね。私の場合、食事に関してはまさにそうなってきた気がします。  そ...
湧き水が心にも沁みてくる 福井県爪割の滝
 北陸地方に甚大な被害をもたらした能登半島地震。  被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。  つらいこ...
貫禄の毛繕い中をパチリ!ありがたいご神体“たまたま”に感謝
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【2023年人気記事】セックスは嗜好品?子宮頸がんサバイバーの性生活
 2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初...
2024-01-04 06:00 ライフスタイル
近すぎなくていい 毎日は“ゆるい人間関係”に支えられている
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
【2023年人気記事】吉田沙保里と大久保嘉人は公認? ウロつく女が嫌!
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...