天国と地獄の繰り返し…豹変した彼女に身も心も傷つけられて

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-10-08 11:43
投稿日:2021-10-08 06:00

激しい嫉妬をむき出しにしたセックス

泥酔した彼女は泣きながら…(写真:iStock)
泥酔した彼女は泣きながら… (写真:iStock)

――つらいですね。付き合いが深まるうちにA美さんの人格が変わったようです。

「本当に別人のようでした。出会った時のあの知的でカッコいいA美はどこに行ったの?と訊きたくなるくらい、お酒を呑むと豹変しました。それでも、酔っていないときは私のことを大切にしてくれるし、『好きよ』『ずっと一緒にいたい』と抱きしめてくれるんですが……。

 一度、セックス中に痛いほど首筋や乳房を吸われて……気づけば体中、キスマークだらけでした。『ダンナに見せてやれば?』とせせら笑うように言うんです。

 ゾッとしました。A美はここまで執念深いんだ、と。

 ただ、見方を変えれば、これも私が既婚者だからこその嫉妬で、彼女自身も相当悩んでいるのだと感じて……」

――続けて下さい。

「先日、泥酔したA美にクンニリングスをされた時、彼女の指がいきなりズブリと奥まで入ってきたんです。『痛いっ!』と叫ぶと、A美は泣きながら中指と薬指をズブズブ出し入れして『本当は男のペニスが欲しいんだろう?レズビアンの指や舌じゃ物足りないと思ってるんだろう。ちくしょう、ちくしょう!』とわめかれて……。

 私は痛いやらショックやらで、すっかり動転し、気づけば二人とも大声で泣いていました」

ケンカ続きでも別れられなかった

出会った頃は幸せだったのに(写真:iStock)
出会った頃は幸せだったのに (写真:iStock)

――そんなつらいことになるなんて……。

「その後も続く、暴言や苦痛を強いられるセックスに、私はA美と距離を置こうと思いました。

 でも……無理でした。私が泣いていると、『ごめんね……W子が好きだから、不安だから、つい傷つけてしまうの。私はいつも独りだから』とキスをされて……。そんな言葉と甘いキスで、結局元に戻ってしまう。

 まるでDV男から離れられないダメ女の典型ですよね。その同性バージョン……(笑)

 出会ってから二カ月ほど経つと、私は彼女からLINEが来るたび、おびえるようになりました。今日は機嫌がいいだろうか、また傷つけられないだろうかと身構えるようになったんです。しまいには、LINEの着信音がなるたび、ビクッとするようになったんです」

――幸せなはずの恋愛がここまで苦しくなるとは……。

「はい、まさに天国と地獄を行ったり来たりです。そして、地獄は不意にやってきます。私は眠れない日々が続き、内科で睡眠薬を処方してもらうようになりました。

 それでも、出会った頃に撮ったA美の笑顔の写真を見ると、好きという感情は抑えきれない。

『もう別れよう』『いや、別れたくない』などと、ケンカが続きました。

 それでも離れられなかった。

 酔っていない時の彼女は魅力的で、セックスも狂おしいほど気持ちよくて……彼女のアソコと私のアソコを密着させた『貝合わせ』の時、クチュクチュと響く蜜の音を聴きながら『ああ、私はこんなに濡れてる』『やっぱりA美が好き』だと確信しました。

 もう好きで、好きでたまらない。

 一秒でも長く一緒に居たくて、肌に触れたくて、彼女の甘い香りを感じていたい」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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