シンママのメリットは“産後クライシス”の裏返しかもしれない

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2022-03-22 06:00
投稿日:2022-03-22 06:00

メリット1:「夫のため」の家事がなくなった

 息子が離乳食期の頃。ある日、お米を炊き忘れたことに気づき、炊飯器の中を慌てて見てみると、お茶碗一杯ぶんのご飯が残っていました。「よかった!(息子の)おかゆは作れる!」と言った私に対して、元夫は「え、俺のぶんは?」と一言。

 息子さえちゃんと食べさせられたら、自分の食べるものはなんだっていいのに。“俺のぶん”は、勝手に用意してくれたらいいのに。そんなもやもやを感じつつ、無言でお釜を洗ってお米を炊き直したことを覚えています。

 夫の帰宅に合わせて慌ててご飯を炊かなくていいこと、脱ぎ捨てられた靴下を拾って洗濯しなくていいこと、シャツの襟元を洗ってアイロンをかけなくていいこと……離婚によって、そんな「夫のため」の家事がなくなることで、こんなに心が軽くなるとは思いもしませんでした。

メリット2:「ぜんぶ自分でやる」ことに腹が括れた

 なんだかんだで、元夫にいろんなことを求めてしまっていた離婚前。「おむつ替えをしてくれたら料理を中断しなくて良いのに」「公園に連れ出してくれたら仕事を進められるのに」「もっと早く帰ってきてくれたら夕飯の準備を二回もしなくていいのに」と、つい思ってしまうのです。

 へりくだってお願いするのもなんだか気が進みませんし、強制すると喧嘩のもとになるので「察して」と念を飛ばし、期待をしてはがっかりする……の繰り返し。「どっちがどれだけやった」なんてどうでもいいことなのに、忙しさのあまりついつい「自分のほうが大変」と考えてしまうのです。

 一度そうなってしまうと「夕飯、俺が作ろうか?」の、優しい申し出にすら「後片付けはどうせ私がやるんだろうな、だったら台所が汚れないように作ったほうが楽だな」なんて計算をしてしまい、「いい、私が作る」と突っぱねてしまう悪循環。

 その点、シングルマザーになると、なにからなにまですべて自分で責任を持つことになります。もちろん大変な面もありますが、腹を括れたからか、なんだかストレスがなくなりました。

 さらに今は、出戻りの実家暮らし。母と自然に家事を分担できます。「これをしておいたら楽かな」と想像して動けたり、やってもらえたら素直に感謝できる、そんな毎日は温かいです。

メリット3:不満を抱えることがなくなった

 ママ友と話していると、旦那さんに対しての愚痴を聞くことがあります。その多くが育児に関してのこと。それは、表に出さずとも私も抱えていました。

 どんな夫婦も子供がはじめてできた時には、新米パパママです。夫婦二人だけの時は価値観の違いがあっても仲良く過ごしてこられたはずなのに、正解がない「育児」に対しては価値観の違いが顕著に現れ、不満が相手に向かいます。意地を張り合い、考え方の違いを認め合ったり、修正をすることが上手にできず、結婚生活終盤は喧嘩ばかりしていた気がします。

 離婚後、元夫と離れて暮らすようになってそんな不満はなくなりました。むしろ“仮面パパママ”として、関係は良好になった気すらします。

 誰かに対して、不満をずっと抱えて生きていかなくても良くなったこと。そんな姿を息子に見せずに、いつも笑って向き合えること。これもシングルマザーになった大きなメリットだと思います。

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

ライフスタイル 新着一覧


安らかに眠れる日は来るのだろうか 2023.8.7(月)
 多くの犠牲と哀しい歴史があった。その事実と人々を決して忘れないと誓った。  いまの僕らは、次の時代に平和を託した...
兄貴に挨拶しなきゃ…ビビりなシンメトリー“たまたま”を激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
薄毛ネタは反則ですよね…めんどくさっ!返信に困った「自虐LINE」3選
 自虐ネタはその場を和ませるトークテクの1つ。ですが、相手を困らせてしまうケースもあります。今回は、皆の“対応に困った自...
生きてるだけで偉い! ゆるい人生に胸を張る 2023.8.6(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
改めてリスキリングって何? 話題の理由&40代女性におすすめ分野
 AIの発達でどんどん人間の仕事が減っていく中、40代女性の間で「リスキリング」が話題になっています。とはいえ、まだリス...
新居の洗面台が1年でボロボロに…見積もり金額が!2023.8.5(土)
 昨年の夏に新居が完成した我が家、たった1年で洗面台の「ある部分」がボロボロになってしまいました。そして、その部分を交換...
人生が入り混じる乱反射の中の生活 2023.8.4(金)
 何のつながりもない人々が一瞬だけ交錯した瞬間。  エスカレーターは無情にも君を連れ去っていく。  追いかけ...
「女同士のイベント参加」は要注意 事前に確認すべき“相手の目的”
 夏も盛りになってきましたが、みなさん何か夏らしいイベントはやりましたか? いいですよね、浴衣を着たり、プールに行ったり...
親の常識を疑う「気になる子連れマナー」はどう対処するのがいい?
 日本人は、集団でのマナーやルールを重要視する文化がありますよね。だからこそ気になるのが「子連れマナー」です。子どもの行...
圧倒的な不公平感!「共働きでも家事は妻ばかり問題」解消メソッド5つ
 共働き夫婦の揉めゴトといえば、家事の分担。「夫が全然家事しない!」とストレスをためている奥さんも大勢います。  ...
人間界では廃止だけど…元気な“たまたま”たちの夏の登校日
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
今年の日焼けはヤケドレベル? “常備薬”アロエの美肌効能でクールダウン
 ワタクシが幼少期に大きく影響を受けたのは、同居していた父方の祖母でございます。お花屋さんになったワタクシですが、実家は...
好きな作家と同じ時代を生きる心強さ 2023.8.2(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
すいかばかのレシピ~'23年<4>すいかが死ぬほど好きな男の一日に密着
 すいか生産量全国47位、ごくごくレアな山梨県ですいか作りに情熱を注ぐ「寿風土(こどぶきふうど)ファーム」代表の小林栄一...
【45歳からの歯科矯正】4カ月、目に見えて効果が…! 2023.8.1(火)
 総費用160万円かけてワイヤー矯正(表側)に踏み切った“40代半ば婦人”のほぼほぼリアタイ体験談。ワイヤー装着から4カ...
飛機場はペチャパイって…中国語のスラングが直接的すぎて涙が出てくる!
 全世界で約14億人の人々が話すという中国語。日本人である私たちの言語も「漢字」を使用することから、英語などのアルファベ...
2024-02-26 19:03 ライフスタイル