「ドーターに恋をした自称ダメ男」ハイスぺお爺ちゃまの恋文

涼香 銀座の女
更新日:2022-04-27 14:28
投稿日:2022-04-13 06:00
 涼香(リョウカ)と言います。銀座で長らくお仕事をさせていただいています。といって、接客型のクラブではなく、カウンター越しにお客様と接し、ワインなどをお出しする店を任されています。
「サロン・ド・リョウカ(仮名です)」には本当に様々なお客様がお見えになるのですが、そこで見てきたお客様のお話をしましょう。

「daughterに恋をした自称ダメ男」の繊細表現

 前回からの続きです。信じられないような裕福な家庭に育ち、いまはおひとり暮らしのお爺ちゃま。そんな方が、お店にたびたびいらっしゃるようになり、私に自分の人生を語り始めたのですが、大変驚いたのは、彼がくれたクリスマスカードです。

 まず、宛名が涼香さんへ、ではなく<Dear my daughter>になっていて、締めは、<your fathar>になっているではありませんか。

 そして大きな和紙に小さな文字で、<daughterに恋をした自称ダメ男、来年は襟を正します。>と書かれていたのです。

 これには動揺してしまいました。普通の男性はこうは書けないのではないでしょうか。世間では考えられないような年齢差の恋。禁断を犯してしまった自称ダメ男。ストレートだけど繊細な表現ですよね。

銀座ならではの恋愛ゲーム

 それだけにどうしたものかと悩んだのですが、すぐにひらめきました。彼は本気で私に恋をしているわけではないでしょう。ちょっとした心の隙間を埋めるのに私が丁度良くフィットしただけなのです。

 そして、お爺ちゃま特有の「驚かせたい」といういたずらゴコロ……。銀座って、こんな疑似恋愛ゲームができるところでもあるんですね。

 お店では、こうしました。長く気持ちの良いお付き合いを続けたいので、これ以上はパーソナルな部分には入らないでくださいね、という雰囲気を匂わせたのです。そうすると紳士ですから立場をわきまえて察してくださる。お店ではこの話題は出さず、プライベートに足を踏み込むこともありません。

涼香
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銀座の女
 紆余曲折を経て銀座の高級サロンを任されるようになった金持ち男性ウォッチャー。上品な顔立ち、ジジ殺しの笑顔と褒め言葉、それでいてちょっとあやしい雰囲気に魅せられた年配の会社経営者たちを上手にさばきながら、夜な夜なこっそり観察している。趣味はカフェ巡り。

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