“悩める母の会”で育児の悩みを共有したら… 2022.5.21(土)

コクハク編集部
更新日:2022-05-21 06:00
投稿日:2022-05-21 06:00

他の人の話は共感できることばかり

 まず、場を回すファシリテーター的な立場のスタッフさんが会の概要と決まり事について説明してくれます。

 基本的には何をしゃべってもいいのですが、「この場で聞いた話を他言しない」「誰かの話について否定や批判をしない」といったルールがあり、誰かが話し終わった後に皆の前で感想を伝えるのは認められています。会の終了後、参加者同士で雑談や情報交換をするのもOKです。

 話す内容や制限時間も特に決められておらず、参加者はなんとなく周りの空気を読みながら3分~5分ほど話をし、次の人にバトンタッチします。

 この場に来ている全員が「小さな子どもを持つ母親」で、程度の差こそあれ「悩んでいる」という大きな共通点があるので、他の人の話は自分にも身に覚えのあるものばかりです。

ティッシュの使い道は…

 筆者が話している最中も、深く頷きながら聞いてくれている女性がいて、なんだか「あなただけじゃないよ」と言われているような気がしてうれしくなりました。

 人によっては感情が高まり、話しながら、あるいは人の話を聞きながら泣いてしまうこともあります。そうです、真ん中に置かれたティッシュは涙を拭く用に用意されたものでした。

 事前にまとめてきたメモを片手に10分近く熱弁する人も……。ひとつの話題から広がって「私もこんなことありました」「うちはこの方法でうまくいきました」などと、しばらく雑談で盛り上がることもありました。このような感じで1時間半の間に、2、3回くらいは順番が回ってきます。

自分以外の人の悩みを聞くことの効果

「この会で聞いた話を他言しない」がルールなので、具体的なエピソードはお伝えできませんが、夫や義父母、自分の親との関係で悩んでいる人が多い印象、というか、純粋に育児の悩みというよりも、子育てをめぐる周囲の人間関係に悩んでいる人の方が多かったかもしれません。

 正直、私の悩みなんかどこかへ吹き飛ぶほど深刻な状況にある人もいました。

 筆者は育休を終えて復職するまで計5回ほど参加させてもらい、復職を機に“卒業”。時間が解決してくれたところもありますが、その後、上の子が下の子の存在を受け入れて、イヤイヤ期も徐々に落ち着き、現在は子どもに対して感情的に怒鳴ることはほぼなくなりました。

 漠然と自分の中にあるモヤモヤした気持ちを人に聞かせるために口に出して言葉にすることで、自分の頭の中を整理する。似たような状況にある誰かの話を聞いて、自分が抱えている問題を「私だけじゃないんだな」と相対化できるようになる。そして気持ちが軽くなるーー。

 これが筆者が感じた「人の悩みを聞く/聞いてもらう」一番の効果です。

 こういった集まりはどこの地域でも開催されているわけではないとは思いますが、もし興味を持った方はインターネットなどで探してみてくださいね。

(編集М)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ライフスタイル 新着一覧


改めてリスキリングって何? 話題の理由&40代女性におすすめ分野
 AIの発達でどんどん人間の仕事が減っていく中、40代女性の間で「リスキリング」が話題になっています。とはいえ、まだリス...
新居の洗面台が1年でボロボロに…見積もり金額が!2023.8.5(土)
 昨年の夏に新居が完成した我が家、たった1年で洗面台の「ある部分」がボロボロになってしまいました。そして、その部分を交換...
人生が入り混じる乱反射の中の生活 2023.8.4(金)
 何のつながりもない人々が一瞬だけ交錯した瞬間。  エスカレーターは無情にも君を連れ去っていく。  追いかけ...
「女同士のイベント参加」は要注意 事前に確認すべき“相手の目的”
 夏も盛りになってきましたが、みなさん何か夏らしいイベントはやりましたか? いいですよね、浴衣を着たり、プールに行ったり...
親の常識を疑う「気になる子連れマナー」はどう対処するのがいい?
 日本人は、集団でのマナーやルールを重要視する文化がありますよね。だからこそ気になるのが「子連れマナー」です。子どもの行...
圧倒的な不公平感!「共働きでも家事は妻ばかり問題」解消メソッド5つ
 共働き夫婦の揉めゴトといえば、家事の分担。「夫が全然家事しない!」とストレスをためている奥さんも大勢います。  ...
人間界では廃止だけど…元気な“たまたま”たちの夏の登校日
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
今年の日焼けはヤケドレベル? “常備薬”アロエの美肌効能でクールダウン
 ワタクシが幼少期に大きく影響を受けたのは、同居していた父方の祖母でございます。お花屋さんになったワタクシですが、実家は...
好きな作家と同じ時代を生きる心強さ 2023.8.2(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
すいかばかのレシピ~'23年<4>すいかが死ぬほど好きな男の一日に密着
 すいか生産量全国47位、ごくごくレアな山梨県ですいか作りに情熱を注ぐ「寿風土(こどぶきふうど)ファーム」代表の小林栄一...
【45歳からの歯科矯正】4カ月、目に見えて効果が…! 2023.8.1(火)
 総費用160万円かけてワイヤー矯正(表側)に踏み切った“40代半ば婦人”のほぼほぼリアタイ体験談。ワイヤー装着から4カ...
飛機場はペチャパイって…中国語のスラングが直接的すぎて涙が出てくる!
 全世界で約14億人の人々が話すという中国語。日本人である私たちの言語も「漢字」を使用することから、英語などのアルファベ...
2024-02-26 19:03 ライフスタイル
都会の真ん中の運河、聞こえてきたのは… 2023.7.31(月)
 都会の真ん中の運河、力強い生命力を振りまく。 「つつましやかになんてな、こっちの世界じゃ通用しないんだよ」 ...
ガラステーブル買っちゃう?  “たまたま”の夏を満喫できるよ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
落ち込んでる人への「ひと言」に悩んだら…心に染みたLINE3選を参考に
 目の前に落ち込んでる人がいると、どんな言葉をかけていいか迷ってしまう時がありますよね。もしも迷ったら、自分が過去にかけ...
「いま一番欲しいもの」を即答できる? 2023.7.30(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...