離婚して3年、幸せなシングルマザーがいてもいいじゃない!

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2022-04-01 04:46
投稿日:2022-03-29 06:00
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。
 家庭の事情はそれぞれあって、離婚に至った経緯なんて誰とも分かり合えません。でも、「シングルマザー」になった女性に共通する思いは、きっとあると思います。
 まだまだシンママ歴が浅い私ですが、日々の中で感じていること、自分の中で消化できたこと、解決していないこと、そんなことをこの連載「シングルマザーもいいじゃない」で、綴りたいと思います。

やっぱりシングルマザーはかわいそうじゃない

「シングルマザーはかわいそう?」というテーマで、この連載を書きはじめた半年前。半年経った今も、私は「かわいそうじゃない」と思えます。

 心がざわつくことは相変わらずあります。どこかのパパ+ママ+子供でいる普通の家族を見た時に。息子の行事に1人で参加する時に。面会日、分かれ道まで息子を真ん中にして3人で手をつなぐ時に。息子が巣立ったあとの自分の人生を考える時に。

「どうして離婚したんだっけな」と、ふと考えることもあります。不毛だと思いつつも息子への申し訳なさだったり、単なる不安だったりは、ふと顔を覗かせるものです。

 離婚直後はそんな“過去”に悩まされて、どよーんとした気持ちが続いたりもしました。でも、今は“どこが未来か”を意識することで「これがベストだった!」と、一瞬で“今”に戻ってこられます。

 いろいろ入り組んだはずの元夫への気持ちはもはや“無”となりましたが、でも「あの人がいなかったら息子はここにいないんだ」と思うと、やっぱり感謝できますね。

私も息子もレベルアップしていく

 離婚して3年目の今、相変わらず実家に居座りながら毎日をゆるりと過ごしている私と息子。当時4歳だった息子は、もうすぐ7歳。

 仕事、育児、音楽活動に没頭する毎日でこれといった変化はありませんが、でも、なんというか、もともとの自分に薄く温かい膜が張っていくような感じがあります。これはレベルアップと呼べるものかもしれません。

 シングルマザーだからこそ、「立派に育てたい」「不自由な思いをさせたくない」「かっこいいママでいたい」と思う心は、自分を強くしてくれる気がします。

 息子も半年前よりずいぶん大人になりました。この連載がきっかけで話した「シングルマザーとは」を理解し、小さいながらに自分の役割を分かって立ち回ってくれているようです。

 いつも「ママが一番大好き!」と愛を伝えてくれる息子ですが、ふいに思い出したかのように「パパも同じくらい大好き!」と言ったりします。そんな時、私は息子の心の健やかさに安心します。パパを尊敬して関係を良好に保ってくれていますし、それに、この2年ほどは風邪も引かず、体もすこぶる健やかでいてくれています。

 そして、最近は「将来、なにになりたいの?」と聞いたら、「お金を稼いでママにあげたい」なんて、やけに現実的なことを言ったりも。母子家庭で育った男友達たちが、口を揃えて「シングルマザーの子供はママの頑張る背中を見ているから、ママ思いの優しい子に育つよ」と言っていたことを思い出します。そんな男友達たちのように、きっと息子もどんどんレベルアップし、たくましく育っていくことでしょう!(←願望)

シングルマザーになってから切に願うこと

 今年、40歳になる私。最近、息子に「ママって、赤ちゃん産めるの?」と聞かれたので、「うん。産もうと思えば産めるけど、産むためにはママは好きな男の人を作らないといけないんだけど、いいの?」と聞いたら、「ダメ!」と一言(笑)。「そうでしょ? ママは◯◯(息子)だけで十分だから、ママの愛情をひとりじめしなさいよ♡」と答えました。……というわけで、相変わらず再婚する気もありません。

 そういえば、以前、エンディングノートをテーマに書きましたが、先日、ついに購入して書きはじめました。未来に思いを馳せるのと同時に、私は長生きをしたいと切に願ってしまいます。

 15年ほど前、シングルマザーの先輩が「息子が家族を持つまでは死ねない……」と言っていました。その当時、その息子さんはまだ小さかったので「なにそれ! 先すぎるよ!」と笑った私。でも、今はよく分かります。「早くお嫁さん連れてきて」なんて思ってしまいますから。

 今の息子を見ていると、ママがいる世界がすべて。離婚後、母子の結びつきはより強くなった気がします。「男はみんなマザコン」と言いますが、このままだとマザコン必至……。こっそり心配しています。(でも、ちょっと嬉しくもあります(笑))

 ひとりっ子で、今のところイトコもいない息子。だからこそ、できるだけ長生きして、息子のこれからの成長や活躍、そしていつか、できるであろう家族を見届けたいのです。そのうち離れて暮らす日が来ても、心配をかけない温かい場所でいられたらいいなと思います。って、先の話すぎますね!

幸せなシングルマザーがいてもいいじゃない

 シングルマザーになって、この立場にならないと分からない空気感を経験することができました。時にうっすら傷つくこともありますが、そんなの一瞬の擦り傷みたいなもの。どんとこいです。

 幸せの形は本当にそれぞれ。ほかの人にどう思われようと、息子が幸せで「いいママ」だと思ってくれたら、それで十分なのです。

 気の置けない女友達に「あなたはシングルマザーの悲壮感がないからなぁ。いつもヘラヘラ楽しそうだから、面白くない人もいるかもよ〜」と、冗談まじりに言われましたが、悲壮感なんてどこにもないからしかたありません。毎日は明るく楽しいのです。

 仕事や人間関係で心が乱れることもありません。それは、かけがえのない息子がそばにいてくれるおかげです。いつだって最大限の無償の愛情を与えてくれて、「かわいいママ」と言って甘やかしてくれるから、私はいつもニコニコといられます。

 幸せなシングルマザーがいてもいいじゃない。私はそう思います。

おわりに

 さて、これにて全24回の連載を終わりにしたいと思います。新米シングルマザー3年目、思いの丈を書ききることができました。お読みいただき、本当にありがとうございました!

 そして、息子へ。いつか大きくなって、この連載を読んでもらえたら嬉しいです。「母子家庭で育った」なんて、どうでも良いこと。そう思える堂々とした素敵な男に育てるつもりです。幸せなシングルマザーの子供がいてもいいじゃない! これからもベタベタと支え合って元気でいようね。【完】

(文:孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


生きる伝説、“スター★にゃんたま”の貫禄あふれるポージングを見よ!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「自慰行為」の語源になった人物の悲劇。“悪いこと”と罰された本当の理由
 職場や近所、SNS界隈に現れる「残念な人」、いますよね。実は今から約2000年前から現在に伝わる「聖書」にも「残念な人...
「イラつく顔ね」にグサッ…義母が放った“ひどい言葉” 5選。離婚すればってそりゃないよ~
 嫁姑の関係が悪化する原因の1つに、姑の悪意ある発言があるのかもしれません。こんなことを言われたら、姑への憎悪が膨らむの...
【動物&飼い主ほっこり漫画】連載特別編「ハルちゃん 幼少期の思い出」
【連載特別編】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!  11月下旬発...
「うちはもっとヤバいよ!」え、不幸話で勝負してる? 聞いてて疲れる“愚痴LINE”3選
 人に不幸話をするときは、いくつか気をつけるべきポイントがありそう。なぜなら「それって不幸自慢?」とウザく感じる人が少な...
「着飾るのは何もないから」偽セレブがマウントを取る理由。“本物の令嬢”の前で見つけた本当の自分
 綾乃は千代田区の高級マンションから武蔵小杉に2年前に引っ越して来た。セレブ気取りの綾乃は同じマンション住人でさえない ...
「あの人が…なんで?」地味ママの“富豪人脈”に呆然。勝ち組を演じていた女の勘違い
 綾乃は千代田区の高級マンションから武蔵小杉へ2年前に引っ越して来た。以前の土地では、富裕層中心のママ関係に居づらさをお...
「世帯年収1500万じゃ恥ずかしい」御茶ノ水からの“都落ち”…武蔵小杉のタワマンを選んだ女のプライド
 リビングの大きなガラス窓の向こうには、大樹のようなマンションがいくつもそびえている。  その景色はまるで都会の森...
ママ友の悪口を誤爆!「このLINE、共有しますね☆」やっちまった…恐怖の誤爆エピソード3選
 子どもを介した友達“ママ友”。それぞれ性格が違うので、合う合わないがあるのは当然です。でも裏で悪口や愚痴を言っていると...
昭和や平成にいた“カタカナ職業”とは何だった?バブルを生きた男が思う「総クリエイター時代」の清々しさ
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
長渕剛に20代女性との熱愛報道。60代や70代を好む「桶専女子」の生態とは?“枯れ専”との微妙な違いも
 芸能界ではシニアの恋愛・結婚が話題になっている。8月27日配信の文春オンラインはシンガーソングライターの長渕剛(68)...
100均の“お掃除グッズ”でチャレンジ!夏の水回りは「凄腕くん」でピカピカになるか?
 夏は“大掃除向き”の季節だと思っています。冬のように水が冷たすぎないので、特に水回りの掃除は今がチャンス。  気...
大阪万博だけじゃない!行列で起きた“地獄と奇跡”8連発。推しの神対応、彼氏との悲劇…
 2025年4月にスタートした大阪万博も、残すところあと僅か。今回の万博は、何かと大行列ができることで話題になっていまし...
捨てにくい…!困った引き出物、賢い処分方法は?タオルは保護猫に寄付、2人の写真はリメイクで
 結婚式や祝賀会などの引き出物で、「正直いらない」と思ってしまったものはありますか? 折角の品物だと分かっていても、いら...
“にゃんたま”様の背後に潜む怪しい影…おわかりいただけただろうか
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「飲み=仕事」の時代を生きた酒豪おばさん、ついにリタイアか? 老化で変化した飲酒との付き合い方
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...