心も体も救われた
――すごいですね。続けてください。
「Wさんのいいところは、男女の関係になっても、定期的にお店に通ってくれることでした。ホステスを口説き落とすと、もう店に通ってくれなくなったり、『外で逢おう』と、売り上げにならない店外デートばかりを望むお客も多いと聞きましたが、彼は違った。
ちゃんとお金を落としてくれるし、接待でも使ってくれる上客でした。
私たちは、客とホステスの関係を保ちながらも、男女の関係を並行させていきました。
時々、『今日、接待で連れて行った○○さんが、H子ちゃんの腰を抱いた時は正直嫉妬したけど……』なんていうもジェラシーLINEも来ましたが、『お仕事だから許してね。早くWさんに抱かれたい♥』と返していました。それは本音です。
本当に彼に救われていました。心も、そして体も……。
不倫とはいえ、彼のおかげでRさんのことなど、とっくに忘れていましたから。
母の突然の言葉に驚き
Wさんとの関係が1年ほど続いた時でしょうか。母から『今度の日曜日は家にいて。お姉ちゃんの婚約者が挨拶に来るの』と言われたんです。
私は驚きました。姉は恋愛をしている素振りなど微塵も見せていなかったので……。いえ、私が家にいても極力家族との接触を避けていたせいかもしれません。
そもそも昼夜逆転の生活で、家にいる時は自室から出ることは少なかったですし……」
玄関先にいたのはまさかの
――続けてください。
「当日のことは今もはっきり覚えています。姉が近所まで婚約者を迎えに行き、玄関先で『初めまして、Rと申します』と丁重に一礼したスーツ姿の男性――。
紛れもないRさんでした。
(え、うそ……うそ……Rさんが姉と結婚……?)
私は両親の後ろに立ったまま呆然としました。
いつから姉と……?
そもそも、2人はどうやって知り合ったの?
頭の中は疑問だらけでした。動揺する私にRさんも気づいたらしく、息を呑むのが分かりました。
長年私を苦しめた姉――。その婚約者が、あろうことか私の元カレだなんて……。
いや、単なるセフレかもしれませんが、私は運命のいたずらに、きつく唇を噛みしめました。と同時に、姉への復讐を誓った瞬間でもありました。
続きは次回。
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