更新日:2022-09-09 06:00
投稿日:2022-09-09 06:00
幸せの後に押し寄せる現実
その後も私たちは抱き合いました。
いくども唇を押しつけ合い、
『好きよ』
『僕もです』
そんな甘い言葉を囁き合いました。
彼の逞しい腕に抱かれ、キスマークも乳房に付けてもらって、心から幸せで……でも、ふっと思ったんです。
いつか、U君は別な女性を抱くことになるだろうって――。
先ほどまであれほど幸せだったのに、急に現実が押し寄せてきたんですね」
自信を持った彼はいつか自分の元を去っていく
――続けてください。
「彼は聡明で誠実な美青年です。だからこそ、素敵な童貞喪失を味わわせてあげたかった。そして、それは実現しました。
彼は『大人の男』になって、自信を持ったことでしょう。それはそれで嬉しかった。私が男にしてあげたという自負の念も少なからずありました。
でも、自信を持つということは、同時に私から徐々に離れていくという意味もあります。素敵な彼ですから女性が放っておくわけありませんし、彼も童貞を卒業して、異性に対して積極的になっていくはず。
それを思うと、彼を失う『怯え』にも似た感情が湧いてきたんです。
さっきまであれほど獣のように貪り合っていたのに、虚しさがこみ上げてきてーー」
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