櫻坂46菅井友香卒業 欅坂46改名を経た過酷なキャプテン<前>

こじらぶ ライター
更新日:2022-11-13 13:48
投稿日:2022-11-12 06:00

「爆レス祭り」は櫻坂46ならではの心遣い

 その中にはいわゆるファンサービス用の「お手振り曲」もあり、メンバーが花道を目一杯駆け回ってファンが持つ推しメンタオル、自作のうちわ、メッセージボード等に指差しや指ハート、じゃんけん対戦など可能な限りを尽くしての「爆レス祭り」でファンを歓喜させた。

 これらの光景は硬派な欅坂46ではあまり見られなかったが、コロナ禍に活動をスタートし、思うようにファンと交流できなかった櫻坂46ならではの心遣いなのだろう。

 2周年を前にして、ライブ全般を通じカッコよさと可愛らしさを融合したステージは、櫻坂46の“完成形”と言っても過言ではない。会場周辺には極めて若い層も多く見られ、女性ファンの比率も驚くほど高い。櫻坂46から活動を本格化させた2期生のグッズを持つファンもそこかしこに存在した。

 地方公演に参加したファンの多くは、グループの前身が何であったとしても、「櫻坂46のファン(通称・Buddies)」であるように見えた。

ドーム初日アンコールで流れた「欅坂46のOverture」

 ツアーファイナルである東京ドーム公演前には公式YouTubeで予告映像が公開され、「fusion(融合)」というワードから、欅坂46と櫻坂46を同時に披露することが想定された。

 東京ドーム初日の本編は地方公演同様「櫻坂46パート」だった。そこからアンコールで「欅坂46のOverture」がスクリーンで流れると、会場がどよめいた。

 これまでも卒業するメンバーが出るたびに欅坂46楽曲を少しずつ解禁してきたが、「欅坂46のライブが始まる」ことの象徴である「欅坂46のOverture」復活は会場全体を飲み込み、欅坂46のグループカラーである緑のペンライト一色に染まった。

エース森田“未登壇”のアクシデント

 ここで、菅井の波乱万丈のアイドル人生を象徴するように、少し、アクシデントが起きた。「欅坂46パート」1曲目は「10月のプールに飛び込んだ」だったが、改名から櫻坂46のセンターを務めてきたエース森田がステージに現れなかった。その理由はいまも明らかにされていない。

 観客だけでなくメンバーも動揺はあっただろうが、おそらく森田がセンターである同曲を、他のメンバーでポジションをそれぞれ補いながらパフォーマンスを完逐させた。

 欅坂46時代、平手がライブに出演できなくなったときに、ステージに立つのを諦めたり、逃げ出しそうになっていたメンバーはそこにはいなかった。誰かに依存しすぎることなく、自立したメンバーがそれぞれとっさにカバーできる力を示した。

後編につづく)

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...
「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由
 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン...
帽子田 2025-04-09 09:48 エンタメ
ヤムおんちゃん草吉はあんぱん代をきっちり集金。ジャムおじさんとは違う“先導”に期待膨らむ
 草吉(阿部サダヲ)のあんぱんを食べて、生きる力をもらった朝田家。羽多子(江口のりこ)は内職の仕事を始め、釜次(吉田鋼太...
桧山珠美 2025-04-07 17:20 エンタメ
「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本
 結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶ(永瀬ゆずな)は一粒の涙も流さなかった。そんなのぶ...
桧山珠美 2025-04-05 06:00 エンタメ
“百戦錬磨”香川照之ゆえの提案「全6話、スイッチを仕込んでいます」【主演ドラマ『災』インタビュー】
「連続ドラマW 災」(WOWOW、6日22時スタート)は、湿り気を帯びた陰鬱な雰囲気とぞわりとする劇伴が感情を揺さぶる不...