全身が甘美な痺れに包まれ…
「Dさんとのセックスを思いだすと、今でも体が熱くなります。彼女からはもう離れられないと思いました……すごく幸せな分だけ、つらい」
複雑な幸福を噛みしめるように、Y子さんは言葉を選びながら話し始めた。
「丁寧なクンニリングスと指でイカせられたのち、私の乳房や脇腹、内腿……全身あますところなく、甘い接吻が浴びせられました。時おり、髪を撫でてくれたり、頬や唇にもキスをしてくれたり――過去に付き合った誰よりも的確に私の性感帯を探り当て、蕩けるような愛撫を与えてくれたんです」
男性とは違うソフトながらも情熱的な刺激に、その後、もう一度イカされたY子さんは、「私にもDさんを愛させて」と口走ったという。
しかし、彼女は首を振った。
「Y子さんは、女性とは初めてでしょう?無理しないで」
「あっ!」
思わず悲鳴を上げたのは、脚を広げたDさんが、Y子さんのヴァギナにアソコを押しつけてきたからだった。二人の膣口がクチュリ……と密着する。
「『貝合わせ』っていうのよ……とても気持ちいいの」
恍惚の表情でヴァギナをなすりつけたD子さんは、ゆっくりと腰を振りだした。
クチュッ……ニチャ……。
「あ……ああっ」
ベッドのきしみに合わせて、粘膜が卑猥な水音を響かせる。
すでに2度も絶頂を味わい、性感の研ぎ澄まされたY子さんの体は敏感に反応した。
もたらされる微細な圧迫は、やがてクリトリスや膣の奥にも響きわたる。全身が甘美な痺れに包まれ、稲妻に打たれたような電流がいくども背筋を駆け抜けた。
ペニスの挿入なくしても十分達することができたという。
「気づけば、5回もイカされていました。それでも、彼女はまだ物足りないみたいで『Y子さんをもっと狂わせたい』って……(笑)。男性とのセックスではありえない。女のセックスが底なしという意味を存分に味わわされました。
とうとうやってはいけないタブーを
その夜をきっかけに、二人の密会が始まった。
夫には「女友達と食事」と言っていれば怪しまれない。愛しあうホテルではエステ付きの「レディースプラン」なども利用したという。
頬を紅潮させながら話していたY子さんの表情が、ふっと沈んだのは、Dさんがレズビアンになった経緯に触れた時だった。
「彼女のお父様がパイロットで、とても立派な方だったそうです。10代、20代とお付き合いした男性とはセックスもしたそうですが、いつも『何か違う』と違和感があり、結果的に、自分は父を超える男性を愛せない……と悟ったようです」
Dさんは父親を慕うあまり、異性との恋愛ができず、女性を愛するようになったという。
「Dさんに抱かれている時は本当に幸せです。恋愛って男も女も関係ないですね。でも、私が既婚者である以上「不倫」という言葉が付きまといます。今は幸せですが、そう遠くない未来に、もしDさんに別れを切り出されたら……私、きっと生きていけません」
Y子さんは、ギュッと唇を噛みしめた。
「先日、とうとうやってはいけないタブーを犯しました。私、『友人よ』と言ってD子さんを家に招き、夫に紹介したんです」
しかも、客室に泊まらせたDさんの部屋に夜中こっそり忍びこみ、セックスまでしたのだという。
「いつものセックス以上に興奮しました。彼女もそうだったみたい。隣の部屋には主人が寝ているんですから。でも……もし、このことが主人にバレたら離婚ができると、心の隅で思うもう一人の自分がいるんです。最低の女だとわかっているけれど、Dさん無しの生活は考えらえません。もう戻れない場所まできてしまったんです……」
Y子さんは切なげに微笑んだ。
「これからどうなるかわからない。でも、彼女と抱き合っている時は、何もかも捨てていいほど、幸せなんです」
罪悪感を抱きながらも、誇らし気な彼女の表情が印象的だった。
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