あーイライラ!“鉄板”漢方でプレ更年期と戦う【薬剤師監修】

コクハク編集部
更新日:2023-02-02 06:00
投稿日:2023-02-02 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

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1. プレ更年期突入。漢方を使ってみたいけどよくわからない

 今日のご相談は由里さん(41歳女性・仮名)から。

「30代後半ごろから、イライラや疲れやすさが気になりはじめて。生理周期が乱れることもあるんですよね……」

 少しだるそうな様子の由里さんに、えりのボスは相づちを打って答えます。

「いわゆる、『プレ更年期』の症状かもしれないわね。本格的な更年期に入る前の30代後半から40代前半には、女性ホルモンの分泌が減りはじめて不調が出る女性が多くなるのよ」

 由里さんは、納得したようにうなずきました。

「はい……。私も本やネットでプレ更年期のことを知っていたので、自分の症状もプレ更年期なのかな、と感じていました。それでえりのさんに質問なんですけれど……」

 前のめりの姿勢になって、由里さんは言いました。

「私、漢方薬を試してみたいんです。でも、いろいろな種類があるみたいだから、どれが自分に合っているのか全然わからなくて……」

「すばらしい質問ね!」

 えりのボスは、とっても嬉しそうです。

プレ更年期・更年期の不調に効果を発揮する漢方薬はたくさんあるけれど、自分の症状や体質との相性を見極めることが重要なの」

 えりのボスの話に、由里さんは真剣に聞き入っています。

「それじゃあ、今日はプレ更年期に処方されることの多いテッパン漢方をお伝えするわね」

「お願いします!」

 積極的な姿勢でメモを取りはじめた由里さん。これは放っておけません!

2. 更年期症状には漢方薬という選択肢も!

プレ更年期・更年期の不調は漢方薬で治療できる(写真:iStock)
プレ更年期・更年期の不調は漢方薬で治療できる (写真:iStock)

「プレ更年期や更年期には、女性ホルモンの分泌が減少するわ。女性ホルモンは月経だけではなく、肌や血管、自律神経などにも働きかけているの。だから、女性ホルモンが減少するとからだや心の状態に変化が起こりやすくなるのよ」

「なるほど。だからプレ更年期や更年期になると、肌荒れや冷えのような不調が出やすくなるんですね」

「えぇ。イライラや不眠などのメンタル不調が出る女性も多いのよ」

 えりのボスは説明を続けます。

「プレ更年期・更年期の不調には、漢方薬による治療が向いているといわれているわ。漢方薬は水分の循環を整えたり、血流をよくしたり、自律神経に働きかけたりして、プレ更年期・更年期の不調に効果を発揮するの」

「へぇ……。でも、漢方薬ってたくさんの種類がありますよね。プレ更年期におすすめの漢方薬って、あるんですか?」

 えりのボスは、にっこりとうなずきました。

「プレ更年期に処方されることの多い漢方薬は何種類もあるから、順番に説明するわね。実際に服用するときは自己判断ではなく、専門家に相談してから選ぶことをおすすめするけれど。予備知識をおさえておくと、相談するときにも役立つはずよ」

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