4. 胃腸の調子を整えるには漢方もおすすめ
腸の不調には、漢方で内側からアプローチするのもおすすめです。
過敏性腸症候群のような胃腸の不調は、ストレスや緊張、冷えによる腸の働きの低下、過労などが原因で生じると考えられています。
胃腸の不調が気になる人には、
・自律神経のバランスを整えて、ストレスや緊張により低下した腸の働きを改善する
・おなかを温めて腸の動きを正常化する
・胃腸の機能を回復して、便秘や下痢、ガスだまりを改善する
といった働きの生薬を選び、根本改善を目指します。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、服用することで胃腸の調子がよくなるだけでなく、疲労やストレスに負けないからだを手に入れることができます。
また、漢方薬を選ぶときは、漢方薬に精通した薬剤師に相談すると安心です。自分の体質などに合わないものを選んでしまうと、副作用が出やすくなる場合もあるため注意しましょう。
「バランスのいい食事やストレス対策を毎日欠かさず続けるのは大変……」という場合でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合ったものを服用するだけなので、無理なく続けることができますよ。
スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
5-1. 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
便秘型の過敏性腸症候群の人に適した漢方薬です。「気」「血(けつ)」のバランスを整えることで、腸の動きを整えて排便しやすくします。
5-2. 大建中湯(だいけんちゅうとう)
便秘型の過敏性腸症候群の人に用います。おなかを温めて腸を適度に刺激し、冷えや腹痛、膨満感がある人の便通を改善します。
5-3. 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
6. くり返す便秘と軟便への対処には、ストレス対策が重要
「今日はありがとうございました、えりのさん。とても勉強になりました!」
やす子さんは、明るい笑顔でえりのボスにお礼を言いました。
「さっそく今日から、ストレスをためこまないように気をつけてみたいと思います。食事や生活リズムのことも、見直すいい機会になりました」
えりのボスも明るい笑顔を返します。
「心も腸も健康に。自分の心やからだの声に耳を傾けて、自分を労わってあげてね。それでも不調が続くようなら、無理せず医師に相談しましょうね」
「はい!」
晴れやかな笑みを浮かべて去っていくやす子さんを、えりのボスは送り出しました。
「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
ストレスの多い現代社会。日々のあわただしさに、ついついがんばりすぎてしまうときもあるかもしれません。
皆さんも、心と腸を労わるすこやかな暮らしを意識してみてくださいね。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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