子宮失ったら性交渉は?子宮頸がんサバイバーの更年期障害と性欲と男問題

更新日:2023-06-22 18:41
投稿日:2023-06-10 06:00

性交痛が原因で離婚する夫婦も…

 さらに、エストロゲンは膣の分泌物を増やし、膣内を酸性に保ち、細菌から守っているそう。低下することで、膣内が中性、アルカリ性へと傾き、カンジダ膣炎などが発生しやすくなるというではありませんか!

 そして、分泌物の減少によって性交痛も出てきますので、性生活にも工夫が必要になる――。

 主治医も、「婦人科がんに罹患すると子どもが産めなくなったり、不妊の原因になったりするほか、性生活の問題も立ちはだかってくる。性交渉ができなくなって別れるカップルや離婚するご夫婦もいる」と言っていました。

「セックスできないのかぁ」とフラれた

 実際、子宮頸がんが発覚したときにお付き合いしていた方にそれらを話すと、「これまでみたいにセックスできないのかぁ」とがっかりされたので(そしてフラれた)、フィジカルのコミュニケーションを大事にしている男性にとって、重大な問題なのだと思います。

 病気の彼女や奥さんに対して思いやりはないんか、と思ってしまいますが、男性ってそんな生き物なんですかね。

 子宮がんや卵巣がん、乳がんといった婦人科がんは女性のシンボルである生殖器や胸を失うため、体も心も傷つく病気です。その心情に寄り添っていただきたいものです。

子宮を失うとどうなっちゃう?

 子宮頸がん術後は3カ月ほど経って、主治医のOKがあれば性交渉の再開は可能です。

 これについてがん仲間に聞いてみると、

「3カ月後にOKと言われても、縫い目が避けたらと考えると怖すぎて全然やりたくない」

「やってはみたものの体感としては膣がマイナス5㎝!」

「尿漏れがつらくて泣いてしまった」

「生きてるだけで精一杯なので性欲ゼロ」

 などなど、ネガティブな意見が多いんです。

膣は縦にも伸びる?

 話を1回目に戻しますが、広汎子宮全摘出術は、子宮、卵巣、そして膣も切る手術です。膣は子宮とつながっているので、切らずに手術はできません。

 一般的に膣は7~9cmほどの長さがあるとされていますが、がんの浸潤の深さによって膣を切る長さも変わり、私は2cmほど切られたそう。

 そして切った部分は「縫い留められている」んです。

 ただ、主治医いわく「膣は使っていくうちに伸びるから、安心してください」。赤ちゃんが出てくるくらいなので横に広がるのはわかるけど、縦に伸びもするとは……。

「使っていくうちに」ということですが、私といえばがん宣告とほぼ同時にお付き合いしていた彼と別れていたので、性交渉は試しようがない状況。

 さらに退院後は10kgもやせて体力がなく、性欲もまったく湧かなかったのですが、半年ほどして体力が戻ってくると「今の自分の膣がどうなっているのか」ということにとても興味が出てきました。

 そんなとき、がん仲間とSNSで会話をしていると、「私、『ダイレーター』買ってみたからちょっと使ってみるわ!」という方がいました。

 ダイレーターってなんだろう?

 次回に続きます。

(文=石見かぐら/ライター)

ライフスタイル 新着一覧


商店会勧誘で実感。この町は「超ヤカラ的おじーおばー」の⽣息地だった!
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
ま、まじか…。価格最重視で選んだ大バズり中の「解凍プレート」で牛肉切り落としの運命が変わった!
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
【45歳からの歯科矯正】ワイヤー矯正終わったのにマウスピースを装着。毎日キッチン泡ハイターが手放せない
 ワイヤー矯正が終了し、1年半装着していた矯正器具を外しました。食後の歯磨きのしやすさに感動するのもつかの間、今度は「マ...
子育ては「完璧主義」だと詰む! SNSの“キラキラママ”に振り回されないためには?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
小馬鹿にする人って実は…。隠された心理とメンタルを死守するための3つの対処法
 会話の節々で「私のことを小馬鹿にしてる…?」と感じるような言動をとってくる人、いますよね。今回は、他人を小馬鹿にする人...
「寝香水」って知ってる?【10月前半】調香師が睡眠の質を高めるアロマをタイプ別に解説
 少しずつ寒くなる季節の変わり目は、しっかり睡眠をとって自律神経を整えましょう。今回は、調香師ならではの裏ワザ【幸福感に...
秋の祭りを共に過ごす時間
 このひと時が宝物だなって気が付くのは、  まだまだ先の話。
老化、苦労、ボトックスとも無縁な御年50のハローキティちゃん
 踊り子として舞台に立ち、エッセイも書く新井見枝香さんの月イチ連載です。アラフォーいろいろあるけど、楽しいよ…!
見せ場もばっちりにゃん! プロレスごっこの“たまたま”が可愛すぎる~
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ほっこり癒し漫画/第82回「ウシオの大変身」
【連載第82回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「破瓜」って何歳? バージン喪失の意味もある!?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
昭和レトロぎゃふん!「ほの字のカレのため、がんばりマッスル」あえての昭和言葉がエモいLINE3選
 令和の今、昭和は遥か昔の時代に感じますよね。40代女性の皆さんは、必死に「昭和感」が出ないよう、細心の注意を払ってきた...
令和のコメ不足、その手があった!価格高騰の秋も使える我が家の対策6選
 新米シーズンに突入し、少し落ち着きを見せているものの、この夏みんなが気になって仕方なかったニュースといえば、令和の米騒...
刺さるわあ…親の“結婚しろ圧”LINE3選。OVER30が涙した「いつまでも元気でいられないから」
 30代半ばを超えると、親からの結婚に対する圧もより一層強くなってきますよね。  LINEに忍ばせた小さなプレッシャー...
自己顕示欲バンザイ! スナックママが教える「自分らしく生きる」ヒント
 みなさん、SNSとかで目立つ人は好きですか? 私はついこの間まで、正直めちゃくちゃ苦手でした。  でも先日、スナ...
東京のごちゃごちゃに疲れる…貸切コンパクトボートで“泡飲み”東京湾クルージングが当たりだった
 都会とは、長年いると何をしていいのか分からなくなる場所である。おいしいご飯もお酒も、どの街にいても味わえる。新しいスポ...