女性用性感セラピストが救われた脳イキ 某商社S女の激痛プレイ中も…#5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-06-30 11:57
投稿日:2023-06-23 06:00

これまでのあらすじ

 女性用性感「Z」で人気セラピストとして活躍するジンさん(仮名・32歳)。彼は本業であるIT業の傍ら、女風(女性用風俗)で働く兼業セラピストだ。

 2カ月間の新人研修を終えてデビューしたのち、お客様の口コミや高評価が功を奏し、順調に指名を得るようになった。

 そして、自身では「SもMもできるスイッチャー」であることをプロフィール欄に加えると、「S女として、ジンさんをいたぶりたい」との指名が。

 指名を承諾したジンさんは、のちに大きな後悔をすることとなり――。

 男性セラピストの裏側に迫る!

 前回までの話はコチラ→第1話第2話第3話第4話

35歳商社勤務のS女からのご指名

――「S女として、ジンさんをいたぶりたい」という、やや怖いご指名をいただいた。その後をお聞かせください。

「その女性はリオさん(仮名・35歳商社/独身)という方でした。お客様自身の年齢や勤務先などプライベートな部分を話されたのは初めてだったので、正直、驚きましたね。

 彼女の風貌は、クールビューティにしてキャリアウーマンという感じです。シャープなグレイのスーツにロングヘアを一つに束ね、耳には小ぶりのピアス。アイラインが引かれた涼し気な瞳、赤い唇がセクシーさも醸し出しています。

 彼女が勤めるA商事は有名企業で、『自分の高いポジションを自慢したいのかな』という気持ちもありました。

 以下はこのような会話です。

――A商事にお勤めとはすごいですね。

――ありがとう。でも、いまだに昭和気質の上司は『女はやっぱり可愛げが大事だよな』とか『仕事のできる女は、理屈っぽくて生意気だ』なんて言うんですよ。本当にストレスがたまります。

――それは大変ですね……。

――ええ、だから今日はうっぷん晴らしも兼ねてジンさんを指名したの。

「うっぷん晴らし」発言に一抹の不安

 ジンさんは「うっぷん晴らし」という言葉に不安になったという。しかし、

――精いっぱい、接客させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 一礼し、カウンセリングを始めた。

「事前に『S女になってジンさんをいたぶりたい』と聞いていたので、僕はカバンの中身を出しました。ムチやスパンキングなどSMグッズ、拘束具、ガムテープ、目隠し用のアイマスク、バイブレーターなど、かなりのアイテムがあります。

――これがいいわ。

 リオさんが手に取ったのはムチです。ムチといっても、先端がいくつかに分かれたバラムチと、先端が分かれない一本ムチの両方です。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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