台風の名前、日本でも女性の名が採用されていたら「和子」?

コクハク編集部
更新日:2023-11-05 06:00
投稿日:2023-11-05 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように……。

【今回の女ことば】台風

 今年、お盆休みを直撃した台風7号や、ハワイ州マウイ島でハリケーン「ドーラ」の強風によって、山火事が起こり甚大な被害が出たことを覚えている人も多いのではないでしょうか。

 日本では「台風〇号」などと記号で呼ばれますが、米国では人名が使われているのは有名な話ですね。どうしてでしょうか?

 気象庁によると、日本の表記は毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけているそうです。特に甚大な被害をもたらした台風には、上陸地点の地名等を用いて気象庁が別途、命名することもあります。(例:伊勢湾台風、室戸台風)

 それに対して、米国は1950年代に、米国空軍や海軍の気象学者らが、彼らのガールフレンドや妻の名前を愛称として使ったことから、アリスやベティなど女性の名前のみが採用されるようになったといわれています。   

 もし当時の日本でそのような風習があったら、どんな名前になっていたでしょうか?

 明治安田生命の「生まれ年別名前ベスト10」によると、1950年生まれの女性は「和子」が最多で、以下「洋子」「幸子」「恵子」「節子」「京子」「悦子」「恵美子」「順子」「由美子」となっています。

『沖縄の南の海上で台風<和子>が発生、今後、非常に強い勢力で沖縄に近づくおそれがあり、今後の台風情報に注意してください』というニュースになっていたかもしれませんね。

男性と女性の名前が交互に

 米国ではその後1979年に、男女平等の観点から、男性と女性の名前が交互に用いられています。

 2000年から、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)と世界気象機関(WMO)が共同で設立した台風委員会(日本含む14カ国が加盟)が、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風に、共通のアジア名として固有の名前(加盟国などが提案)を付けることになりました。

 日本からは、星座名に由来する名前10個を提案。気象庁は理由として、特定の個人・法人の名称や商標、地名、天気現象名でない「中立的な」名称で、「自然」の事物であって比較的利害関係が生じにくいことなどを挙げています。

 ちなみに、9月30日に発生した台風14号は「Koinu(コイヌ)」(由来はこいぬ座、子犬)になりました。コイヌと聞くとカワイイですが、この台風「コイヌ」は、非常に強い勢力で台湾に接近し、暴風をもたらすなど大暴れしたそうです。

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


肩こり・腰痛 マッサージに行けない時のホームケアグッズ3選
 パソコンなどの座り仕事の方は肩こり、腰痛、眼精疲労などに悩まされている人が多いのではないでしょうか。  私もこの...
彼の浮気タレコミにも“無”、冷たっ!合理的な人から届くLINE3つの特徴
「合理的」とは、明確な目標があり無駄がない様子をいいます。  特に仕事では、合理的な人がとても高く評価されますよね...
流鉄・幸谷駅で発見!「猫のコーヒー」自販機で出合った癒しの紙コップ
 千葉県の松戸市と流山市を結ぶ、6駅しかない小さなローカル線、流鉄流山線。常磐線と武蔵野線につながるJR新松戸駅への乗り...
ほっこり読み切り漫画/第62回「おとこまえ ダンシ会」
【連載第62回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
少し冷たくなった空気 気候の変化と人間の進化の夢と現実
 天気はよくても空と運河の青が寒々しい。向こうに見える高層ビルに入ったオフィスは、きっとガンガンに暖房を効かせているんだ...
見事!家事育児丸投げ上司を黙らせた ナイフ張りにキレッキレなLINE3選
 思ったことをはっきりと発言する人は、「きつい人」と誤解されやすい傾向にありますよね。  でも、嫌味を感じないほど...
寿司か、シミ取りレーザーか。
 ストリッパーの仕事は10日単位である。会社員時代は7日単位で、そのうちの2日は休む習慣だった。だから10日なら3日くら...
男性同士は褒め合わない?男女で全く違う「褒め文化」の話
 先日、友だちが彼氏とケンカして家出し、我が家にやってきました。とにかく怒ってたので話を聞くと、「私は彼氏を褒めるけれど...
1泊14万円 天国にふさわしい館「ハレクラニ」に泊まってみた
 旅行でハワイに行くとなったら、まず始めに「どこのホテルにするか問題」が浮上します。ラグジュアリーな海向きのホテルにする...
ポカポカ毛布の上でたまたまを披露!初々しさにきゅん♡です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
いい夫婦? 出会った頃と見た目が変わっても変わらないもの
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
葬儀代は減り、ペットのお悔やみ花は“予算度外視”…弔いは何で図る?
「ありましたっけ?」。今年の秋もそう思うぐらい短こうございました。異常に長い夏は11月のはじめまで続き、いきなりの冬……...
どこにたどり着くのか分からない こんな気持ちのときがある
 あっちでもないし、こっちでもないし、でもやっぱりこうだし……。  行って戻ってこんがらがって。結局は同じ場所に戻...
異次元の入り口かにゃ? 興味津々の“たまたま”をロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「すっぴん」と“シミ撃退”韓国旅行の話
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
春巻ではなくハルマキ?自炊疲れでも10分&大さじ4の揚げ焼きで“天国”へ
 餃子サンや焼売サンに比べて、どことなくハードルの高さを感じるのが、春巻サマです。  餡作りからしておっくう。だか...