お金の支払い方でも…立ち飲み屋でこそわかる“男性の人品”

うかみ綾乃 小説家
更新日:2019-07-26 06:00
投稿日:2019-07-26 06:00

 立ち飲み屋の客が大切にしているのは、モテ云々よりも、自分が居心地よく飲めるこの場所。

 世間には訊いてもいないのに「妻とは上手くいっていなくて」「子供が大きくなったら離婚するつもりで」などと喋ってくる男性がおり、中には独身の振りをして不倫をしたがるゴミ男もいますが、人間、自分がひと息吐きたい場所では、自身がやましさを覚える顔は出しません。

 同時に、仕事関係も上下関係もない飲み仲間同士、人生の上澄みくらいは伝え合った上で落ち着きたいので、既婚の有無も職業も訊かれればフツウに話します。

 それこそ他所では重く受け止められそうな家庭内の事情なども、ここでは「お互いいろいろあるよね」でさらりと話せます。

 ちなみに私はふだんのプライベートでは、エロを書いていることを伏せる方向でおりますが、それでもたまに「テレビで観たよ、官能小説ってやっぱ実体験書いてんの」と接近してくる男もいます。

 その点、立ち飲み屋では職業を訊かれても「物書きです。ペンネーム? いえ、仕事とプライベートは分けているので」と言うと、それ以上、突っ込んでくる人はいません。誰もが自分の取りたい距離感で他人と接することのできる場所です。

お金の支払い方で男性の人品が見える

 また、立ち飲み屋は基本的に、一品ごとに代金を払う即金スタイル。

 頻繁にお金を扱う姿には、その人品が現れます。

 即金だとわかっていながら、忙しい店員さんに要求されてからもたもたと財布を広げる人は、日常生活でももたもたしていそうです。

 お札をカウンターに放り投げるように置く人は、下品すぎますね。

 逆に、あらかじめカウンターにさりげなく、10円玉や100円玉を見えやすい配置で置く人は、優しさと想像力の豊かな、仕事もできる人が多いです。

 女性に奢るか奢らないかも見所です。

 私はイイ格好しぃの男性が好きなので、奢りたがる人には遠慮なく奢ってもらいます。

 ただ、奢りたがりの男性には男というだけで上に立ちたがる傾向があるので、彼氏候補にするのは慎重にすべき。

 こういう男性には、一度はあえて奢られてみて、次に会ったときに、「先日のお礼に、この最初の一杯は私が出します」と財布を出してみます。これを真に受けてこちらに払わせ、「次はお礼に僕が奢るよ」と一緒に飲む機会をつくりたがる人は、イイ格好しぃの矜持もない半端な男なので、奢りたがるままにしておくほうが無難。

 それよりも、たとえ古い価値観であろうが、気持ち良くお金を使う人や、立ち飲み屋の流儀である、個々人のペースでお酒を楽しむ人とは、いつまでも平等に付き合えます。

ヘルプアイテムは小銭入れ

 即金システムの立ち飲み屋では、小銭入れを用意しておくのがスマート。

 時計や靴にお金をかける人は多く、既存のマニュアルセンスもありますが、個性的な小銭入れを持っている人は、男女ともに自分の価値観をしっかりと持っていそうで存在感を放ちます。

 私の知り合いのモテる女性は、和服の生地で巾着の小銭入れを手作りしており、それはどこに行っても「素敵ですね」と声をかけられています。

 そして、次に会える機会をつくりやすいのも立ち飲み屋。

「ここには何曜日によくいらっしゃるんですか」

「◯◯という立ち飲み屋はご存知ですか」

「良かったらラインを交換しませんか」

 目的はお酒ですから、次に会えそうな日を訊くのも、連絡先の交換も自然な流れ。

 ここから飲み仲間としての逢瀬を重ね、さて、いつ頃からじわじわと男と女の顔を見せ合うのでしょうか。

 美味しく酔っ払ってときめくだけでも一石三鳥。

 それ以上の幸せを皆さんが掴まれることを、心から願っております。

うかみ綾乃
記事一覧
小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

ラブ 新着一覧


婚外恋愛でも女は不利?「既婚者マッチングアプリ」利用者層に見る男女差
 以前、既婚者専用のマッチングアプリについて、記事を書きました。  私も実際に利用した経験があり、その時のレポート...
豆木メイ 2023-08-08 06:00 ラブ
“顔面偏差値”より大事なものがある!浮気されない女性に共通する特徴4つ
 彼氏や旦那にすごく大切にされて愛されている女性って、一定数いますよね。男性の心をギュッとつかんで、絶対に他の女性と浮気...
恋バナ調査隊 2023-08-08 06:00 ラブ
どうすりゃいいのさ?話し合いができない夫に心底うんざりした時の処方箋
 話し合いができない夫に困っている女性は多いですよね。結婚すると、家や車の購入、子供の教育に関することなど、夫婦で話し合...
恋バナ調査隊 2023-08-08 06:00 ラブ
曖昧な男女の関係は好物? 恋人でも友達でもない彼のモヤッとLINE3選
 異性との関係は、恋人と友達の2種類だけではありませんよね。両想いなのに付き合っていなかったり、恋人でないのに体の関係を...
恋バナ調査隊 2023-08-07 06:00 ラブ
プライドの高さは一丁前!「真面目系クズな男性」4つの特徴&対処法
一見、人当たりがよく真面目そうな男性と思い、いざ付き合ってみたら最低男だったなんて経験はありませんか? 実際に「真面目系...
恋バナ調査隊 2023-08-07 06:00 ラブ
玉の輿を目指すのは個人の自由!実業家男性と結婚する“最短”の方法
「実業家のお金持ちの男性と結婚したい!」そんな風に夢見ている女性も、少なくないのではないでしょうか。今回は、玉の輿にのり...
恋バナ調査隊 2023-08-06 06:00 ラブ
同棲失敗体験談4選…家具家電を割り勘で購入→“諭吉”の処遇はどうなる!?
 恋愛の先に結婚を見据えている大人女性は少なくないでしょう。中には彼との結婚を考えて、同棲をスタートさせようとしている人...
恋バナ調査隊 2023-08-06 06:00 ラブ
「遊ぶ女の子はいるけど…」パパ活沼に落ちた男が妻に心底隠したいこと
「冷酷と激情のあいだvol.154〜女性編〜」では、夫であるトシヒロさん(仮名)がパパ活や副業をしている事実を突き止めた...
並木まき 2023-08-05 06:00 ラブ
夫婦仲が凍っているからこそ嫌!夫のパパ活と資金源に疑念を抱く43歳妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-08-05 06:00 ラブ
“手紙は毛蟹”で丸1日頑張った!? 食いしん坊カップルのほっこりLINE3選
 仲の良いカップルは、2人の共通の楽しみを持っているケースが多いですよね! 同じ話題で盛り上がれるし、喜ぶポイントが似て...
恋バナ調査隊 2023-08-05 06:00 ラブ
近況にゾゾ、別れた自分ナイス! 結婚しなくてよかった元彼の裏の顔5選
“恋は盲目”といわれるように、相手に夢中になっているときは冷静な判断ができなくなりますよね。ただその状態で結婚すれば、...
恋バナ調査隊 2023-08-05 06:00 ラブ
道ならぬ恋「不倫」がうまくいく確率は? 成就or破局を決める分岐点4つ
 不倫をしている女性は、心の底では罪悪感を抱いていたり、うまくいく確率は少ないとわかっていながらもやめられなかったり、心...
恋バナ調査隊 2023-08-05 06:00 ラブ
SNSで見つけた女性限定「猥談オフ会」に初参加→「性」相談してきた
 性の悩みは、大人になっても尽きないもの。パートナーがいても、セックスレスだったり、昔はなかった性交痛に悩まされたり。逆...
ミクニシオリ 2023-08-04 06:00 ラブ
「職業は?年収は?」の質問攻め!娘の恋愛に干渉してくる親への対処法
「いつ結婚するの?」「今お付き合いしている彼はどんな人なの? 職業は? 年収は?」と恋愛に過干渉な親に困っている女性も少...
恋バナ調査隊 2023-08-04 06:00 ラブ
思えばストーカー予備軍かも? 粘着質な男の見抜き方と別れのコツ
 男性の中には粘着質な性格で、別れ方に気をつけないとストーカーに豹変しそうな人がいますよね……。気持ちは冷めているのに、...
恋バナ調査隊 2023-08-04 06:00 ラブ
都内よりも激安!? 旅先でイケメンの恋人を“レンタル調達”したR美さん談
 夏本番、海に山にとアクティブに出かける人も多いでしょう。そんななか、おひとりさまで旅をする人もいるかと思います。  ...
内藤みか 2023-08-03 06:00 ラブ