仕事帰り、ぶつかりおじさんのちかん被害に遭遇!? 私はどう対処すれば…

コクハク編集部
更新日:2024-04-06 06:00
投稿日:2024-04-06 06:00

行動できなかった自分

 仕事帰りの気が抜けた無防備な状態で被害に遭い、動揺していたんだと思います。

 毎日1時間以上かけて通学していた中高生の頃。地方都市の私鉄で満員電車に押し込められ、手の位置も動かせないくらいの車両内で、6年間の間に何度かちかん被害に合った経験があります。

 気が弱いほうでもないので、その相手を駅員さんに突き出したことも…。あと、決して褒められた対応ではありませんが、スカートの中に入ってきた誰かの手を安全ピンで刺したこともあります。

 泣き寝入りすることで、次の被害者を生み出したくない、そんな気持ちがありました。

 だけど約20年後。37歳の私は数秒の間に自分が受けた被害をスルーして、保育園のお迎えという「日常」を優先する判断をしました。

正しいかどうかは分からないけれど

 この類の行為は、絶対的に“やった側”が悪く、どんな状況だったとしても被害を受けた側になんの非もありません。

 だけど、その瞬間に何もアクションできなかった私は、やはり「あの男性は、味をしめてまたやるんだろう」と考え、ある種の罪悪感を抱きました。

 何も非がないのにそんな感覚を持たなければならないなんて、腹立たしい話です。

 そして、個人的な、消極的な対応ですが、ひとつの対策として自分の見た目を意識的に変えてみることにしました。

 というのも、社会人になってからは、濃いメイクをしたり、分かりやすく派手な服を着たりと“攻めた”外見の日は、こうした被害に遭わないのに、すっぴんのスウェット姿で「戦闘態勢」をとっていない時ほど、嫌な思いをした経験があるからです。

クセ強なサブカル女子に…

 個人的な統計ですが、クセが強い雰囲気を出すと近寄りがたい感じがし、気弱でおとなしそうな外見だと、狙われやすいのかもしれません。

 まず、その週末に美容院で髪を切りました。コシノジュンコ女史のような髪形といえば分かるでしょうか? ボブをあごの上で切り揃え、重めの“ぱっつん前髪”に。いかにも一癖あるサブカル女子風になりました。

 さらに、通勤と退勤時だけ太めの黒縁メガネをかけることにしました。

 年明けにICL(眼内コンタクト)の手術をしたので、現在の視力は1.5以上あるのですが、「太め黒縁メガネをかけたコシノジュンコ風のアラフォー(身長約170センチ)」は、普通の通勤服でもただならぬ雰囲気を漂わせられてる気がします(当人比)。

 あと、まだ購入していないのですが、手持ちのバッグをリュックに変えようと思っています。両手が自由になるだけでも、突発的な事態が起こった時に対応しやすいはずです。

 …とはいえ、「どれも効果がないかも」とも思ってしまいます。

「ぶつかりおじさん」はファッションや髪形なんか見ていないかもしれないし、相手を吟味した上でぶつかるわけではなく、視界の端でチラッと確認して突入していくんだったら…。対策しようがありません。当事者に聞いてみたいところです。

 ◇  ◇  ◇

 あの時、自分はどうすればよかったのか? の答えはよく分かりません。

「体が当たった」ことは事実としても、手の甲で「触られた」のは、あくまで私の主観。客観的な証拠で証明するのは難しいと思うからです。

 ただ、相手を罪に問えないとしても、犯人を特定できなかったとしても「やめてください」とか「ちかんです!」とか大きな声を出して、相手に「こっちは気づいているんだぞ」と伝えることくらいはできたかもしれない、と今も考えています。

「証明しにくいこと」「被害者側の負担が重く、声を出しづらいこと」を盾にとった行為の卑怯さへの憤り。

 そして、「許せない。次の被害者をつくりたくない」という思いから戦った若い頃と、「日常」を優先してしまった自分の変化。それぞれが少しずつ胸を刺し、やりきれない思いがまだ続いています。

(編集M)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ライフスタイル 新着一覧


花の癒しは効果絶大!強い心で自粛期間を乗り切るための方法
 およそ1ヶ月の「自粛」があったからこそ今の感染者数で収まっているのか、あるいは、実は殆ど意味なんて無かったのか……。個...
今時の専業主婦ってどう?メリットとデメリットをチェック!
 一昔前までは、女性は結婚したら家庭を守るのが当たり前でしたが、今では結婚後も仕事を続ける女性がほとんど。兼業主婦として...
長い連載を書き終えて…心の傷と向き合う痛み、新しい出会い
 Gをセクハラパワハラで訴えるか否か。現在、弁護士たちと協議を重ねているところです。つくづく、訴訟を起こすには多大な時間...
将来は駅長さんか観光大使!夢いっぱいの兄弟“にゃんたま”
 きょうは、仲良しωωにゃんたま兄弟です。  真っ黒なあんこ玉君と、白黒のタオ君、  ふたりはずっとくっつき...
韓国映画「パラサイト」を観て“私も…” 風俗嬢が語った苦悩
 米アカデミー賞4冠に輝いた韓国映画「パラサイト 半地下の家族」は、半地下に住む家族が金持ちに“パラサイト”していくスト...
もうイライラしない!ストレスを上手に解消する7つの方法!
 日々の生活の中で、気づけばイライラしてしまっている人も多いのではないでしょうか。できることなら、小さなことで心を乱され...
心電図検査は「異常なし」でも…甲状腺の病気は本当に厄介
 潜在的な患者も含めるとおよそ30〜60人にひとりの女性がかかると言われている甲状腺疾患。バセドウ病は、甲状腺機能が亢進...
デキる男はさりげなく…富士山を背景にサービス“にゃんたま”
 富士山の麓、朝霧高原を闊歩する「ふじお」。一見、強面のルックスですが、裏腹に女性にはめっぽう弱いのです。  富士...
モヤモヤして悩む…目の前の選択に困った時にとるべき解決法
 周りが新しいことにチャレンジし始めたり、環境が変わって進んでいると「本当に自分がこのままでいいのか」と、モヤモヤするこ...
おうちで充実! 美容家が提案「心をうるおす」7つのアイデア
 普段より家にいる時間が増え、ストレスを感じている人も散見されます。新型コロナのニュースや対策で疲弊しがちな今、在宅時間...
イベント自粛で影響大も…凜とした花「カラー」にもらう勇気
 ある日、ワタクシのお店に懇意にしていただいている大学教授がフラリと立ち寄ってくださいました。  ニコニコと人懐っ...
中古マンション“5つのメリット” 自分好みにリノベーションも
 マンションを買おうと決心したものの、新築がいいのか中古がいいのか、やっぱり借り続けた方がいいのかな、と悩む人も少なくな...
富士山の麓のボス猫「ふじお」の美“にゃんたま”にうっとり
 きょうは富士山の麓、広大な縄張りを持つ「ふじお」。  私が猫だったら、抱かれたい男にゃんばーわん!  強く...
もう我慢しない! 私の生活から彼女を消すために動き出した
 私がGにセクハラ、パワハラを受けている事実に、気づいてくれる人がいた。言えば、信じてくれる人がいた。このことは、ひとり...
結婚に出産…働く女性は自分のライフプランを考えていますか
 突然ですが、皆さんは結婚・妊娠についての時期を決めていますか? 「いつ頃までには.....」と漠然と考えている女性は多...
さながら“不調のデパート”…ついに心臓にも影響が出始めた
 潜在的な患者も含めるとおよそ30〜60人にひとりの女性がかかると言われている甲状腺疾患。バセドウ病は、甲状腺機能が亢進...