更新日:2024-05-31 14:10
投稿日:2024-05-24 06:00
いつの間にか涙が
ベッドがギシギシと軋み、肉ずれの音が室内に響きました。
――千鶴、痛くない?
彼は決して自分の欲望のみに走らず、この時も私への配慮を見せてくれて、
――大丈夫…すごく幸せ…。
彼と見つめ合ったまま、女の悦びに浸りました。貫かれているうち、いつの間にか涙がこぼれてしまって…。
――どうした? 苦しいの?
腰の動きを止めた彼が、心配そうに聞いてきました。
――ごめんなさい…あまりにも嬉しくて、幸せで…。
私が涙の理由を伝えると、彼もホッとしたようです。
――良かった。びっくりした。
――セックス中に泣くなんて、びっくりしちゃうわよね。
――いや、嬉しいよ。こんなこと初めてだ。
――私も初めて。
大切にされている実感と、嫉妬心
私が大丈夫だと安心したのでしょう。彼は再び腰を前後させてきました。貫かれながらいくどもキスをして、舌を絡ませて…幸せでした。
彼に女陰を割り裂かれるたび、2人の体が溶け合うようで。内臓が押しあげられ、自分でも恥ずかしいほど甘い喘ぎを漏らし続けてしまって…体も悦んでいるけれど、何よりも心が満たされました。
大切にされている実感って、セックスにおいてもとても重要ですね。ただ、同時に嫉妬心も芽生えてきたんです。
過去には奥さまともこんな甘いセックスをしていたと思うと苦しくて…。今は仮面夫婦かもしれないけれど、彼に抱かれた奥さまはもちろん、彼と付き合った過去の女性たちへの憎しみが募ってきたのも事実です。
(でも、彼は今、私を愛してくれている。結婚へと進んでくれている)
過去は変えられない。ならば、過去との向き合い方を変えればいいのだと、必死に自分に言い聞かせて、ネガティブな思いを消し去りました。
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