涼子さまの消息も明らかに…「ヒロインじゃない面々」のその後を描く意味

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-07-23 15:45
投稿日:2024-07-23 15:45

NHK朝ドラ「虎に翼」~第17週「女の情に蛇が住む?」#83

 寅子(伊藤沙莉)は「学校に友達はいない」という優未(竹澤咲子)の発言が気にかかる。

 出勤すると、杉田(高橋克実)が深田(遠山俊也)をマージャンにしつこく誘っていた。自分が参加すると言いだす寅子だが、寅子は歓迎されない。

 そんな中、寅子は新潟地裁である暴行事件を担当することに。被害を受けた19歳の少年・元木(山時聡真)も、市内で頻発するひったくり事件に関わっているようだった。

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【本日のツボ】

毒まんじゅう

 ※※以下、ネタバレあります※※

 航一行きつけのお店ライトハウスで、涼子さま(桜井ユキ)と玉(羽瀬川なぎ)との再会を果たした寅子。そんな偶然があるでしょうかと思いつつ、2人が元気でいてくれたことはなによりでした。

 これで、女子部でともに学んだ仲間の消息はすべてわかったことになります。このドラマが素敵なのは、ヒロインの寅子だけでなく、まわりの人たちの人生をもしっかりと描いてくれるところです。

 事情があって法律からは遠ざかってしまった仲間たち。当然ながら彼女たちにもその後の人生はあるわけで、あれからどんなふうに生きて今に至るのかを描くことで、出世街道驀進中の寅子の凄さも浮き彫りになるというものです。

 志半ばで道をあきらめた友人たちが、それぞれ折り合いをつけながら自分の人生をしっかりと生きているというのは、とても勇気づけられます。

 朝ドラのヒロインの眩し過ぎるキラキラ人生も悪くはないですが、誰もがヒロインになれるわけじゃありませんから。

“休む”と公言していた航一が…

「日曜日はとっておきのものをお出しする」と言われ、やってきた寅子。でてきたのはあの「毒まんじゅう」事件の時に、母・はる(石田ゆり子)に教わりながらみんなで作った毒まんじゅうでした。

 かなり大振りでしかも2個。航一もペロリと完食していましたから、彼も甘党なのでしょうか。にしても日曜日にわざわざ来るとは。「休みの日は休んでます」と言っていた航一なのに。

 その目的は寅子か、はたまた涼子さまか、玉か。とっておきのものを確かめたかっただけ、などということはないでしょう。

桧山珠美
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大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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