論破王ひろゆき氏ばりに反論!直明の婚約者、放送終了間際でも爪痕を残す

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-08-15 16:20
投稿日:2024-08-15 16:20

第20週「稼ぎ男に繰り女?」#99

 結婚しても同居を続けたいと主張する直明(三山凌輝)と、同居に反対する花江(森田望智)の対立は続いていた。どちらの気持ちもわかるだけに悩んだ寅子(伊藤沙莉)は、航一(岡田将生)に相談。猪爪家に来てもらうことになる。

 誰よりも冷静な判断ができるはずの航一に同席してもらいながら、花江と直明は互いの思いを話し合っていく。

【読まれています】朝ドラ史上に残るラブシーン。視聴者をやきもきさせた深夜の本庁トーク

【本日のツボ】

道男の「寅子(ともこ)呼び」に、ピキッとなった航一

 ※※以下、ネタバレあります※※

 前放送回の「原爆裁判」の話から一転、本日は、航一を裁判官に迎えての猪爪家「家庭裁判」でした。

 因縁の記者・竹中(高橋努)が猪爪家を取材に来た際にも作っていた寅子の得意料理の「ロールキャベツ」、今回も食べるシーンがなくその味が気になるところです。新潟赴任の3年間で寅子の料理の腕前も多少は上がったはず(!?)でしょうから。

 結婚後も同居したいという直明と、同居に反対の花江を対話させるために、寅子が一計を案じ、航一の来訪と同じ日に直明が結婚相手を連れて来て、話し合いの場を設けることになりました。

 SNSでは、直明の婚約者・美佐江(片岡凛)説が飛び交っており、どきどきしていましたが、そうではなかったことに安堵しました。

 直明と同僚の田沼玲美(菊池和澄)は喋りが達者で物怖じしないタイプ。嫁姑は同居しないほうがいいと言う花江に対して「でも花江さんは直明さんのお母さんじゃないですよね」と、論破王ひろゆき氏ばりに反論。これに寅子の心の声も「この女、強い!」と。

 笑ってしまったのは、道男(和田庵)がそんな玲美を、「つーか、この人、めちゃくちゃしゃべるな。寅子みたい」と発言した時のこと、航一はすかさず「寅子!?」と道男の「寅子呼びにピキッと反応したこと。“嫉妬マン”という人間味あふれる新たな一面、ますますファンになりました。

 直明の同居の理由が、花江への恩返しという話から、花江の2人の子ども、直人(青山凌大)と直治(今井悠貴)がお母さんを幸せにするのはお父さんと約束したから自分たちの役目だと訴え、その様子に「なんていい子! いい子すぎて怖いくらい…」と玲美。その後の「『直』ばっかり…」は、笑いどころだったのかもしれませんが、だとすれば、直言(岡部たかし)と直道(上川周作)も入れて欲しかったような…。

 もっとも、ラストの玲美の「そもそも私は是が非でも結婚したいわけじゃありません」が爆弾過ぎて、すべてが吹っ飛んだ感あり。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ
コワモテ黒田の起用は大正解! スズ子派に寝返り、顔芸と手振りが秀逸
 結核が再発した愛助(水上恒司)の看病を、三鷹の家で続けることになったスズ子(趣里)は、日々愛助のために身を尽くしていた...
桧山珠美 2023-12-26 15:50 エンタメ
藤井風「いちすき」で見せた弾き語りに惚れ惚れ、黒髪に代わってホッ
 21日、木曜劇場「いちばんすきな花」(フジテレビ系)が最終回を迎えました。  昨年、社会現象を巻き起こした目黒蓮...
平野・神宮寺・岸のNumber_iデビュー間近 24年は注目多数の群雄割拠
 滝沢秀明氏創設のTOBEに合流し、本格始動が待たれている元King & Princeの平野紫耀(26)・神宮寺勇太(2...
こじらぶ 2024-02-16 10:40 エンタメ
朝ドラでは珍しい正面からの接吻!愛助ママ(小雪)来襲で“恋の炎”燃ゆる
 愛助(水上恒司)は母・トミ(小雪)に呼び出される。トミからは、スズ子(趣里)に会うのはやめるように言われ、山下(近藤芳...
桧山珠美 2023-12-22 14:40 エンタメ
北川景子に長澤まさみ…SNS離れの深層、イメージ戦略には逆効果?
 12月16日、女優の北川景子(37)の写真集『『「37」 20th anniversary』公式アカウントがInsta...
東京コミコン2023は大盛況 ひときわ異彩を放った“大衆演劇”
 千葉・幕張メッセにて、12月8日(金)~10日(日)に開催されたポップカルチャーの祭典「東京コミックコンベンション20...
熊田曜子のSNSが放つ鋼のメンタル ハレンチ不倫疑惑もよき母アピール
 プロデューサーとの不倫疑惑と元夫とのドロ沼離婚裁判を経て、離婚成立後はSNSでたびたびセクシーな姿を披露している熊田曜...
堺屋大地 2023-12-20 06:00 エンタメ
恋はつらいものよ…愛助への想いが募るスズ子に麻里(市川実和子)の名言
 スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)の仲はすぐに広まり、羽鳥善一(草彅剛)や麻里(市川実和子)にもうわさについて追求される...
桧山珠美 2023-12-22 14:23 エンタメ
スズ子と愛助の恋路を妨害! メッセンジャー黒田のメッセンジャーぶり
 愛助(水上恒司)と坂口(黒田有)の話を聞いたスズ子(趣里)は、耐えきれずに部屋に押し入る。  ここで話をつけよう...
桧山珠美 2023-12-18 14:45 エンタメ