更年期のセックス「痛いから演技しちゃう…」【薬剤師監修】性交痛対処のイロハ&おすすめの漢方薬

コクハク編集部
更新日:2024-10-24 06:00
投稿日:2024-10-24 06:00

3. 性交痛が起きるリスクは?

 更年期では、膣の分泌物が減少し膣の粘膜も弱くなるため、性交時に出血を起こすことがあります。

 また、我慢して性交を続けることで傷口から細菌に感染したり、「濡れなかったらどうしよう」などの不安や緊張から潤滑液が不足し、痛みが増したりするなどの悪循環に陥ることもあるようです。

4. 性交痛への対処法

 性交痛への対処法を4つ、紹介します。

4-1 .パートナーとの話し合い

 性交痛を軽減するためには、パートナーとのコミュニケーションがとても大切です。パートナーに打ち明けるのには抵抗があるかもしれませんが、自分の感じている痛みや不快感についてオープンに伝えましょう。

 痛みの程度や痛みを感じるタイミング、痛みが強くなる体位などの情報を共有することで、パートナーと一緒に解決策を見つけ出すことにつながるでしょう。

 前戯を丁寧に行ったり、挿入の速度や深さを調整したり、体位の調整をしたりするといったパートナーの配慮により、痛みの軽減が期待できます。

 どうしても痛みを感じてしまう場合は、無理に行為を続けるのではなく、その日は行為をやめることも大切です。

4-2. 潤滑ゼリーの使用

 性交痛の軽減策として、潤滑ゼリーの活用もおすすめです。潤滑ゼリーは、自然な潤滑を補い摩擦を減少させる効果があるため、皮膚への過度な刺激や皮膚の損傷を防ぎ、快適な性行為の助けになります。

 使用方法も、性行為前に直接性器やコンドームに適量を塗布するだけなので使いやすいでしょう。無香料や低刺激性の製品も多く、敏感肌の方でも安心して使うことができます。

4-3. ホルモン補充療法

 女性ホルモンの低下により症状が引き起こされている可能性がある場合、女性ホルモンの補充を行います。

 ホルモン補充療法には飲み薬、貼り薬、ジェルなどがあり、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが入っているもの、エストロゲンだけのものなどがあります。

 ただし、ホルモン補充療法にはリスクや副作用もあるため、医師や薬剤師の指示に従ってくださいね。

4-4. 漢方薬の服用

 更年期の性交痛には、婦人科の治療でも使われている漢方薬もおすすめです。性交痛を根本から改善するためには、以下のような働きがある生薬を含む漢方薬を選ぶといいでしょう。

「血行をよくして、膣に栄養を届け、膣粘膜に潤いを与える」
「冷えや疲労によるホルモンバランスの乱れを整える」

性交痛にお悩みの方におすすめの漢方薬

・四物湯(しもつとう):からだの栄養を補い、巡りをよくすることで肌に栄養や潤いを届け、更年期症状を和らげます。

・八味地黄丸(はちみじおうがん):からだ全体をあたため、加齢に伴う泌尿器・生殖器系の働きを高めます。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

5. 更年期も楽しいセックスライフを送ろう!

「女性の性交痛って、ちょっとしたメンタルの変化や疲れが原因になるの。だから、この機会に自分のからだや心を労るのもいいかもしれないわね」

「そうですね。自分のからだについて知るいい機会になりました。もっと自分のことを大切にします!」

睡眠時間を増やすとか、ストレス発散することも大切よ。彼ともゆっくり話し合ってみてね。大丈夫! また彼とのセックスライフを楽しめるようになるわ」

「ありがとうございます。今回教えていただいた方法を試してみます」

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくミヤコさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


1000円あったら投資したい! 美容家ガチ推し“癒しの入浴剤”
「疲れた〜、癒されたい!」という夜を、どんなふうに過ごしていますか?  “女性を癒やすこと”はたくさんあるけれど、...
韓国でホクロは顔のゴミ!? ソウルで取ったらお得すぎた!
 こんにちは! 「旅する複業家」の林知佳です。  2022年はタイ(2回)とベトナムの他に、人生初のドバイも訪問し...
ガサ肌レスキュー!乾燥する冬に追加したい保湿アイテム3品
 肌がカサつくこの季節。ガサガサ肌になる前に、全身をしっかりと保湿しましょう! うるおいに満ちたもちもち肌でこの冬を乗り...
熟睡したい!「更年期の不眠」に効く安眠のコツ~専門家監修
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
使って実感!40代女の不調に手放せない5品 2022.12.6(火)
 ワタシの身体をいたわってくれるのは、ワタシだけ。ワタシの体調管理に気を配ってくれるのは、ワタシだけ。だからこそ自分自身...
 40代もに試せる「偽装ほくろ」メイク 胸元にもあると素敵!
 目の下や口元にセクシーなほくろがある人って、女性としても魅力を感じますよね。でも、「私はほくろがないから仕方ない」と諦...
二枚爪コンプレックスに“補強&やすり”投入!2022.12.3(土)
 これから本格的に乾燥が気になる季節がやってきます。冬が誕生日の筆者は手がカサカサになりやすいタイプで、それを見かねた友...
超怖~い「40代の運動不足」老後のために今日からできること
 30代までは元気に過ごしていたけれど、40代になってから運動不足が顕著で、体力が激しく低下したと感じる人は多いですよね...
「NMN」配合化粧品で“若返り肌”も夢じゃない?【医師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
篠原涼子完全プロデュース「ペルルセボン」は匂いがキツっ!
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
白髪が多く老け見え!これ以上増やしたくない【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
まずは真似っこから! 綺麗な人が実践する8つの“ゼロ円”習慣
 年齢問わず、「綺麗だな」と思う女性に出会うと、「私も、あんなふうになりたいなぁ」と思うもの。けれど、実際に何をすればそ...
20代の本音!アラフォー女性の“残念アイライン”を画像で解説
 毎日のアイライン、どんな感じでメイクしていますか?  年齢を重ねていくと目元にしわが増えたり、たるんできたりもあ...
「食べても太れない」やせ型な人だけが分かる“あるある”7つ
 世の中には、太りやすい体質の人がいる中でいくら食べても太らない「やせ型」の人もいます。でも、さまざまなダイエット方法は...
腹巻きも愛用して♡「40代の温活」取り入れたい食事&グッズ
「冷えは万病のもと」といいますが、実際に体が冷えるといろいろと悪影響が現れます。免疫力も下がるので、風邪をひきやすくなっ...
「よもぎ温座パット」で心も体も温めよ♡ 2022.11.19(土)
 いつの間にやら、11月も半ばを過ぎ秋が深まってきました。冬に近づくにつれ、つらくなってくるのが、手足の冷え。「血、通っ...