タコとセロリのナポリ郷土料理
日本語にすれば「タコとセロリ」です。大沼シェフが得意とするトスカーナではなくナポリの郷土料理ですが、同業のお客さんから作り方を聞かれることが多いメニューだそうです。
「ボイルしたタコだと思って食べると歯ごたえが違うので、おや? って思うみたいですね。ポイントは刺し身用のタコを低温の油でコトコトと煮るところ。ガスレンジの火を一番弱くした状態に保ち、つまようじがスッと入るぐらいの硬さになればオーケー。アヒージョのように高温にすると、皮がむけてグズグズになるので注意してください」
店ではひまわり油を使っていますが、安いオリーブオイルやサラダ油でも代用できますよ。水で茹でるよりも食感が軟らかいのに、うま味がギュッと凝縮されています。ニンニクの風味がイタリア料理らしさを感じさせ、これだけでも十分においしいです。そこにセロリで清涼な香りを加え、華やかさを演出しました。インスタ映えもばっちり。
「冷蔵庫で1週間ぐらい保存できるので、残りをパスタに和えてもおいしいですよ」
セロリの代わりにブロッコリーや白インゲン豆を使うのもおすすめ。辛口の泡にぴったりですよ。
材料
タコの足(刺し身用) 320グラム
ひまわり油 260グラム
皮つきニンニク 1片
セロリ 1束
レモン果汁 適量
塩 適量
ニンニクオイル(ニンニクのみじん切りを、ひたひたのオリーブオイルに漬けておいたもの) 2滴
作り方
1. ひまわり油に水で汚れを落としたタコの足と皮つきのニンニクを入れ、弱火で80分ぐらい煮る。つまようじを刺してみて、スッと入るぐらいになればOK。
2. 細かく刻んだセロリと1をボウルで和え、レモン果汁を搾り、塩で味を調えたあと、ニンニクオイルの上澄みを2滴垂らす。
3. 皿に盛ってトマトで彩りをプラスすれば出来上がり。
本日のダンツマ達人…大沼清敬さん
▽おおぬま・きよたか
1977年、埼玉県生まれ。高校卒業後に働いた洋食レストランで多様な食材を使うパスタのうまさに目覚め、イタリア料理の道に。都内や伊フィレンツェで修業後、29歳で丸の内の「デリツィオーゾ・フィレンツェ」でシェフとなり、39歳で独立、門前仲町に店を構えた。
▽トラットリア ブカ・マッシモ
大沼シェフがイタリア滞在中に食べていたトスカーナ地方の料理が中心。小皿の野菜をいくつか頼んだあとで、ワインと一緒にメインの炭火焼きを楽しむ客が多い。客の7割がリピーターで、根強いファンが通う名店。ミシュランの「ビブグルマン」(安くてオススメできる店)にも選ばれている。
江東区富岡1―24―11
℡03・5809・9022
(日刊ゲンダイ2019年6月13日付記事を再編集)
フード 新着一覧